ソウル・キッチンのレビュー・感想・評価
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口に合いませんでした、ごめんなさい
ハンブルグの場末の大衆食堂「ソウルキッチン」のどん底から新装開店までのドタバタを描いたレストラン・コメディ。シェフものは良作が多いので観てみましたが・・。
いかにジャンクフードの店でも主人公の不潔極まる風貌と雑な仕事ぶりは頂けません、成長物語にする意図でしょうが監督もわざわざ顰蹙をかうように見せるから冒頭からドン引きです。コメデイのスタイルなのでしょうか終始誰かが怒鳴っているオーバーアクションの連続、特にドイツ語はきつい響きの言語なので頭が痛くなります。
登場人物も人格的に残念で癖の強いキャラばかり、感情移入できない映画を観るのは辛いものです。ストーリーも散々気を揉ませてハッピーエンドと言う良くある顛末、それもシャツのボタンに救われるとは軽すぎます、細かいことにはこだわらず、いわゆるノリで見せるタイプの映画なのでしょう、ヨーロッパでは賞もとったようなので主観の問題です、あしからず。私には生理的に無理な映画でした。
接骨院もいいもんだ
ジノス(ボウスドウコス)スカイプを使ってテレビ電話するも、会いたくてしょうがない。経営状態悪化のため、ナディーン(フェリーネ・ロッガン)のいる上海へ行こうにもなかなか行けない。いつも練習場代わりに使っていたバンドが演奏を始めると、店には新規の客がわんさか集まった。また、イリアスが仲間と一緒にクラブからDJセットを盗み出して、店へと持ち込み音楽をかけてから大繁盛。シェインの料理も評判になってソウル・キッチンは軌道に乗り出した。
そんな状態に安心したのか、ジノスは兄イリアスに店をまかせて上海へ行こうとするが、祖母の死去のため突然帰国してきたナディーン。腰痛は悪化し、最悪の状態のまま、祖母の葬式でヘマをしてしまう。さらにイリアスがギャンブルに負けて、店を手放すことになった。
パッと見はコメディに見えないのだが、かなり笑える。仮出所中だということを黙ってていてほしい兄イリアスの性格もさることながら、弟ジノスのナディーンに対する一途な愛がそれを一層面白くしているのだ。すぐに包丁を投げてしまうシェインももちろんいいし、店を買いたくてしょうがない悪役ノイマンの存在もいい。
かなりエロティックな部分もあるが、ナディーン一筋のジノスは接骨院のアンナ(ドルカ・グリルシュ)のマッサージにも耐えた(笑)。エロなのはシェインがデザートに入れた催淫剤のおかげで乱交パーティと化したシーンだけだ。
個性的な登場人物がそれぞれ繰り広げる人生模様。店を無くしたが強制競売かけられたとき、破局したナディーンから金を借り、落札する展開も見事だし、エンディングは接骨院のマリアと店を貸切にして二人で過ごすクリスマスイブ。これがナディーンではないところに、未来が感じられる。
オッサンたちの青春
一年以上前に見たけれど、覚え書きしておきたい一本。
ドイツ語フェチなので、その会話の響きだけでも聞いていてじゅうぶん楽しい。
ラストでコレはクリスマスムービーだったとわかる瞬間、とてもキュートでオシャレな映画だと思いました。
タイトルのイメージと違う映画、このキッチンの料理って一体何だろう?
この映画は、私のよく行く単館系の映画館で宣伝していた。あの映画館で上映する作品ならきっと良い作品に間違いないと決め込んで、見逃してしまったので、レンタルDVDが出て早速観てみると、ハチャメチャで掴み処が無く自分にとっては、ハズレ!の1本だ。
ストーリー展開に整合性を少しも感じられない作品で、自分はこの作品約1時間40分の尺で、最近の2時間以上の作品ばかりの映画の中で、この短い映画は、忙しい日常の中で観るにはお手頃の尺の筈であるのだが、その強引な話の展開に感情移入出来ずに置いてけぼりをさせられた自分は、短尺の映画が長く辛く感じてしまったのだ。とても残念だった。
しかし、これはあくまでも私自身の個人的な感性にそぐわなかったと言うだけで、カメラワークや、話の展開のリズム感、映像表現としてのテンポなどは悪くは無いのだ。
只、主人公のジノスの兄が刑務所にいて仮出所して来て、弟の店で色々問題を引き起こす事とか、ジノスが旧友と街でばったり会ったら、こいつも彼の人生には迷惑な存在となって行くし、ジノスの恋人は上海へと旅立つし、ジノスの人生、弱りめに祟りめ、泣きっ面にハチ、踏んだり蹴ったりと、これでもか、これでもかとハプニングの連続!!!
これを、「ウッソ~!!!」と言って笑いながら、人の不幸は蜜の味と、あくまでも他人事として傍観者の立場で、楽しむには問題無く、笑って楽しめるのかも知れない。
例えば、かの寅さんも、ご本人にしては、真剣な毎日でも、いつも失恋の連続で哀しい筈の彼の人生なのに、安心して観客は笑って観てしまうのだが、この映画の場合は、何故か寅さんよろしく、ジノスに降りかかる連続災難は全く楽しめなかった。
そこで、考えると自分は、この映画の災難は、どれもシリアスな大きな問題へと発展する事柄の連続で、主人公に感情移入してしまうと返ってそれが、ジノスと同じ気持ちになってしまい、笑うに笑えないと言う事になり、返って映画に反発する気がしたのだ。
ちょっと例えが古いのだが、S・マーティン主演の「大災難」と言うタイトルの映画だったかな、感謝祭に田舎に帰省しようとしていた主人公が、次から次へとハプニングの連続が起きて感謝祭に家に辿り着けないと言うコメディーがあった。ハリウッド映画では、気の合わない2人旅のロードムービーって結構有りで、この手のコメディー映画は多いのだが、これは、日常誰でもが経験している、小さな取るに足らない様な、ハプニングが連続して起こってしまうと言う、有り得ないバカバカしさに笑いを誘う元があると思うのだ。けれど、この「ソウル・キッチン」は人物の設定とか、ハプニングが大きな問題であるのに連続的に災難が続くのだ。すれ故にストーリーの展開に無理が感じられて、余り日常的でないこの作品に入り込めない私みたいな人間が出て来たのだろうと推測する。
この映画、タイトルに騙されちゃったかな?それに、ポスターやフライヤーから、とても甘い雰囲気のするラブストーリーをイメージしてしまったのだ。
ジノスの恋人が上海に行ってしまう空港での別れのシーンを観た時、あ~ここのシーンの映像だったのか?とやっぱりこのシーンは良いから使うよなって納得した。兄を演じるモーリッツ・フトロイは「素粒子」で良い芝居を見せてくれたし、ジノスを演じたアダム・Hが脚本も執筆しているらしいし、監督も、ファティ・アキンだ。気が合えば悪くは無いのかも知れない作品だ。何しろこの作品一応2009年のベネチア国際映画祭で審査委員特別賞を受賞していると言うのだから、決して駄作と言う事では無いのかも知れない。
人を笑わせる、コメディーとは、本当に難しい事だ。笑いのツボって本当に千差万別だものね!
雑多な味わい。
名画座にて。
期待や想像をまるごとひっくり返してくれた怪作^^;
ソウル…?でも韓国映画じゃないんだよね、あ、ドイツなのか。
じゃあマーサの~レシピ♪みたいなお料理づくしが味わえる?
いやいや、ぜんぜん違いました^^;
確かにハンブルクの倉庫街にあるレストランが舞台なんだけど、
そこのオーナーでギリシャ系ドイツ人のジノスとその兄、凶暴な
シェフ、その他もろもろが入り乱れる群像劇という方が合う感じ。
しかもかなり雑多ときている^^;話のテンポはいいが、どんどん
難題が降りかかり、観ているこちらも何が何だか分からなくなる。。
いや~何ともいえない、変わった作品。
しかしつまらなくはないのだ。何だよ、料理のシーンってこれだけ?
なんて思いながらも、次から次へとジノスに襲いかかる難題に対し、
常に前向きなところが笑わせてくれる。この熊みたいな体型の男は
上海に仕事で旅立ってしまった恋人のことで悶々としながら、自営の
レストランのことで頭を抱えている。仮出所中の兄からは仕事と金を
無心され、税務署からは滞納分の督促、おまけに衛生局からも目を
つけられて冷蔵庫を動かしたらぎっくり腰になるわで散々な目に…^^;
それでもレストランを諦めない彼は、たまたま兄が盗んできた(オイ!)
オーディオセットで店が大繁盛してしまったのを機に、次々と新しい
趣向を凝らすことに成功、店は安泰、彼女の元へ行こうと決心するが…
ま~ホントにあれやこれやで^^;ある意味これもテンコ盛りな作品。
しかも美味しそうな料理がテンコ盛りならまだしも、エェ?的なもの
しかお目にかかれない…ものの、粗野で凶暴なシェフが来てからは
かなり料理も進歩する。しかし元々がこの倉庫は、味にこだわらない
庶民が気軽に立ち寄るレストランのため、やはりディスコ風になった
方が繁盛する、というのは目に見えていて、あとはもうすったもんだの
繰り返し~後半なんか、どうしますコレ?なエロい描写まで全開に^^;
…いったい何を描きたかったのかと後で考えてみると、
人生山あり谷ありでも、諦めないものに未来は訪れる!みたいな感じ?
あれほどヘルニアで苦しんだジノスが軽快に歩く後半、彼女の家を訪ね、
お願いをする場面。アレ?復活したの?と思わせて、ラストは…♪
脚本も担当したという主演のA・ボウスドウコスは実際にハンブルクで
ギリシャ料理店を経営していたことがあり(実は監督も通っていたそうで)
それが本作のアイデアに繋がったらしい。つまりこの悲喜こもごもは、
ひょっとしたらご本人の体験談かもしれないのね^^;どうもお疲れさま~
(しかしシェフの行方が気になるわねぇ。どこいっちゃったのかしら^^;)
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