劇場公開日 2010年5月22日

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「トロッコの先にあなたは、なにを見ましたか?」トロッコ septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5トロッコの先にあなたは、なにを見ましたか?

2011年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

好きだなぁ、こういう世界
好きだなぁ、こういうエンディング

原作は芥川龍之介の短編です。
川口浩史監督。自分の名刺代わりに、と
短編映画を製作するつもりだったそうですが、気づくと長編に。

映画にピッタリのトロッコないかなぁ

ロケハンをしてみると、ありましたよ、台湾に(苦笑)

それじゃあ、
と台湾に向かうと
台湾で名高い巨匠、
ホウ・シャオシェン監督が

「おまえは誰か知らんけど、日本人には世話になっているから手伝ってやる」

『空気人形』
公開が控えている『ノルウェイの森』撮影監督リー・ピンビンに決定。

あれよあれよと言う間に撮影が始まってしまいました。

◇   ◇

〈 家族 〉
〈 父母 〉
〈 祖父母 〉
〈 こども 〉
〈 長男次男 〉
〈 台湾と日本 〉

セリフはあまり多くないのですが、
心地のよい音楽と、水墨画のような
幻想的な引きの自然風景に導かれ、
台湾で撮影されているはずなのに、
台湾のように感じられない。そこには
日本の田舎のような山と緑があり、気づくと
作品の世界にスーッと息をするように吸い込まれていきました。

祖父への抵抗
祖父の願いの実現
故郷を捨て日本に骨を埋める覚悟

そんな台湾人と結婚し、
2児を儲けた日本人女性。

しかし、彼は命を引き取り、
日本人女性は、彼の遺骨を、
彼が頑なに戻るのを拒んだ
台湾の実家へと、2児とともに向かったのでした。

ここから、この台湾の家で
家族について気づかされていく。
これが、作品の肝になっています。

笑い声はある
涙を静かに流すこともある

でも、あまり映画に起伏は感じず
淡々と静かに歩を進めていく。

進行スピードも、まるでトロッコのようでした。

ラストシーンの
お爺さんの背中
ここで一気に落涙してしまいました。

う~ん、ストーリーの運び方、うますぎ(笑顔)

☆彡     ☆彡

舞台挨拶は尾野真千子さんの
長男役を演じた原田賢人くんが笑いを独占。

映画撮影の感想を聞かれ
「監督、共演者、周りのスタッフのおかげで
 自分が持っている力以上の演技ができました」と大人顔負けの発言。

次に振られた尾野さん。ほぼ何もしゃべれず絶句状態(苦笑)

尾野さんのお母さん役について聞かれると
「本当のお母さんが今日来ているので言いづらいのですが、
 尾野さんは若くて、とてもきれいなので、うれしかったです」

おいおい、お母さんの立場はどうなるのよ

しかし、尾野さん、そんな思いをよそに、
長男の頭を、いい子いい子と笑顔で撫でていました(笑顔)

祖父母、兄弟、
夫婦、孫息子

家族三世代にわたる
目に見えない絆が、
たしかにそこにはありました。

トロッコが走る先に見えるもの。
きっと人それぞれ千差万別なのでしょう。

日本人監督が製作した
台湾からの116分の贈り物。
しかと受け取らせていただきました(笑顔)

septaka