「道徳的に現代社会では通じない最低のエロチックコメディだと思うが、僕もまだ男の本性が残っていて嬉しかった。」麗しのサブリナ マサシさんの映画レビュー(感想・評価)
道徳的に現代社会では通じない最低のエロチックコメディだと思うが、僕もまだ男の本性が残っていて嬉しかった。
ロマンチックコメディと映画は紹介されているが、エロチックコメディだと思った。初見と思っていたら『ラ・ビ・アン・ローズ』と、ボガードがホールデンを殴るシーンで、ガキの頃見たのを思い出した。親父が『そんな映画見るな』って言ってた。当時、その理由は分からなかった。しかし、同じ事を『お熱いのがお好き』でも言われた。その理由はよく分かった。
ボガートとヘップバーンの実際の年齢差は30歳である。老け顔のボガードと年より若く見えるヘップバーン組み合わせ。ヘップバーンが25歳でボガードが65歳と言っても全くおかしくない。つまり、僕が今65歳だから、25歳の絶世の美女にほれられる、そんな話である。実にエロチックではないか!
老いらく恋人って事だ。今ではこんな話は表向き通じないが、『男は若い女性が好き』と語っている映画だと思う。
ボガードとヘップバーンと言えば、『キャサリン・ヘップバーン』の事と当時の鑑賞者なら誰でも思う。キャサリン・ヘップバーンも美人だろうが、外見だけを比べれば、『オードリー・ヘプバーンの方が奇麗だよ』と誰もが曰う事だろう。僕もガキの頃はそう思っていた。理由は『どちらも綺麗だろうが、オードリーは若いからね』だと思う。完全な性的差別になるのだろうが、この映画はそれが主題。
僕は結局『お熱いのがお好き』と『麗しのサブリナ』2つの映画を見ていた訳だが、『麗しのサブリナ』は、見たのも忘れてしまった映画で、『お熱いのがお好き』は女装したトニー・カーティスがモンローと添い寝する場面を見て、妄想を抱く羽目になる。あの場面は僕の性的目覚めだったと思う。しかし、今は『麗しのサブリナ』にエロチックを感じる。勿論、あくまでも映画の中での妄想であるが、つまり、二本の映画は、それぞれ年齢に応じた性的妄想を僕に抱かせたって事だと思う。また、そもそも、『ラ・ビ・アン・ローズ』って単語が妄想を引き起こす。『バラ色の人生』なんて、凄い表現だと思う。そんな人生あるはずもなく。しかし、それをみんな望んでいる訳だ。年を取るとよく分かってくる。
しかし、あと10年すると僕は『PLAN75』に無理矢理サインさせられる。後はプラックな人生とは言えない人生が待っている。
だから、76歳になっても、妄想を抱ける様な『ラ・ビ・アン・ローズ』を送りたい。