「レッツ・ビギン、お勉強。」17歳の肖像 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
レッツ・ビギン、お勉強。
名画座にて。
C・マリガンを一気にスターダムにのしあげた作品。
ということで、とても楽しみにしていた。
そういえば「17才」なんていう歌謡曲(この言い回し古^^;)も
流行ったご時世、やはりセブンティーンていうのは誰もが
子供から大人への通過儀礼として憧れる年代なんですね。
まぁ…過ぎてしまえばねぇ、一瞬なんですけど。
60年代のロンドンが舞台、ということで古めかしいながらも
堅実で、戦後の階級社会が幅を占めているような空気感。
主人公のジェニーは成績優秀、オックスフォードへの進学
を狙う女子高生。とはいえ微妙なお年頃の彼女、親への
反発心から陰では煙草をふかし、同級生の男子をからかい、
パリに想いを馳せる、っていう知性豊かで大人びた女の子。
退屈な女子の前にああいう男性(チョイ悪中年?)なんかが
現れれば、途端にそっちの世界に靡いてしまうのも頷ける。
彼女にあるのは、まだ漠然とした知性と教養のみ。
身体を張って経験を積むのはまだこれから、というワケで
そこから本当の(親も学校も教えてくれない)教育が始まる。
こういう話って、特に年代は問わない気がするのだけど^^;
プレイボーイと教養美人がくっ付くのはよくあることで(爆)
後に価値観の相違といって別れるのもよくあることである。
ゲーノージンの結婚・離婚を思い返すとかなり参考になる。
遊び慣れてる人間は自分にない純粋なタイプを好きになり、
あの手この手でモノにするんだけど、コロリと騙され(爆)て
結婚・出産なんてしたら最後、どんなしっかり女房でも男の
浮気は止められないし、どんなモデル体型でも男の興味は
移り変わる。(あ、経験談じゃないですよ。念のため^^;)
というわけで…。
まだまだ17歳なんてうら若き年代に、ちょっと怪しいけれど
知性溢れる会話に長けた男性(しかも金持ちに見える)とは
飛んで火にいるなんとやら。になるワケですねぇ。お~怖x
とはいえ。
この作品に奥行きを与えているのは教育。学問でもある。
そこに歴然とした差があると(嫌味なくらい^^;)見せられる。
彼女が両親共々騙されて、絶望の淵に立たされたとしても、
そこからの頑張り様で如何にも克服できる。という、
(まぁ元々が優秀なタイプだったこともあるんだけど^^;)
その立ち直りの素早さに若さを感じてしまい…羨ましかった。
彼女に酷評された女教師がまた見事な先生で…今の彼女に
必要な選択肢を与え、なぜ今、勉強しなければならないかを
適切に解いてくれる。学生の頃って、ホントに何でこんな事を
習わなきゃいけないのよ。と下らなく思えるものばかりだけど、
それを消化してこそ、モノをいう未来が待ってたりするものだ。
やるべきことは、今きっちりやっておけ。っていう、
(取り返しつかなくなった年代からの)ラブコールと受け止めてv
(しかしあの奥さん、よく夫婦やってるな…あの冷静さは何^^;)