「一つ一つの設定を大切にして欲しい・・・」ロストクライム 閃光 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
一つ一つの設定を大切にして欲しい・・・
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殺人事件に端を発し、3億円事件の真相に迫る刑事達の物語。
昭和を代表する未解決事件をモチーフにしている作品。
丁度「罪の声」を鑑賞した直後だっただけに期待値を高くしての鑑賞でしたが、残念ながら期待外れでした。
決定的に弱いのは、刑事達が3億円犯人を追う動機でしょうか?勿論、殺人事件が発生したからなのですが、警察機構を敵に回してまで追及するには、動機付けが弱いように感じられます。特に、若い刑事にはそもそもまったく関係がない事件ですから。
その設定が弱いので、その後の警察機構の圧力が空々しく感じられます。
また、殺人事件の犯人の動機付けにも設定の弱さを感じます。彼が憎むべきは、3億円事件の犯人ではなく、警察機構のはずです。少なくともこの映画のストーリーならそうなります。
それが3億円事件の犯人を狙うのは辻褄があいません。一歩引いてそれを理解したとしても、最後に3億円事件主犯の父親を狙うのは理解不能です。
3億円事件の犯人が強奪したお金を燃やす描写も、取って付けたように感じられて興ざめ。
映画全体の設定やストーリーより、格好の良さそうな場面、感動させたい場面を優先したように感じられ、映画の評価は低くなりました。
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