「もしまた日本でヒットしなかったら絶対納得出来ない!」スター・トレック イントゥ・ダークネス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
もしまた日本でヒットしなかったら絶対納得出来ない!
これまでファンでなければ馴染み難かった「スター・トレック」を、J・J・エイブラムスが万人受けするSFエンターテイメントとして再起動。
僕も「スター・トレック」のファンではなかったのだが、前作が大変面白く、今回の続編は心待ちにしていた。(今夏のハリウッド大作の中でも、「パシフィック・リム」と同じくらい楽しみにしていた)
率直な感想は…大満足!
スケールも迫力も前作以上!…と、ベタな言い方でしか表現出来ないのが悔しいくらい。
冒頭から早速引き込み、スリルに次ぐスリルはお腹いっぱいなほどで、エンタメ派エイブラムスのサービス精神が炸裂。
話題の中心は、ジョン・ハリソンを演じるベネディクト・カンバーバッチ。
単に悪役と一括りしてしまうのはもったいないくらい魅力的な存在。
僕はこういうスマートな悪役が好きで(ロキとか変身前のフリーザとかライバルという存在ではシャアとか)、エンタープライズのクルーにとっても脅威として立ち塞がり、映画にいいメリハリを付けている。
尚、ジョン・ハリソンというのは偽名。本名はファンならニヤリとなる筈。ファンでない僕でもその名は知っていたので。
物語はこのジョン・ハリソンとの戦いを中心軸に据えられているが、ただそれだけではない怒涛の展開は飽きさせない。
また、魅力的な悪役が登場すると、どうしてもそれだけが注目されがちだが、エンタープライズのクルーたちのドラマがしっかりと描かれていて好感。
無鉄砲なカークと常に冷静なスポック。水と油とはこの事だが、だからこそお互いの凸凹を埋め合い、友情は深い。
カークはクルーたちを身を犠牲にして守ろうとし、クルーたちもそんなカークをチームプレーで支え、時には命をも救おうとする。
固い絆に感動させられ、コミカルなやり取りはまるで家に帰って来たかのようにホッと安心させられる。
前作で晴れてクルーとなり、今作ではかけがえのない信頼出来る仲間であり家族へと成長していた。
これほどの魅力と面白味を詰め込んであるのだから、つまらない訳が無い!
もし、また日本でヒットしなかったら、日本の観客は他に何を求めているのだろうか!
自信を持ってオススメ出来る、これぞエンターテイメント!
さあ、エンタープライズ号、次なる冒険にも連れてってくれ!