「スピルバーグの新たなチャレンジ」タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 秀ちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
スピルバーグの新たなチャレンジ
スピルバーグ氏は、「スーパーエイト」で、映画製作の原点を模索し、自分なりの総括をしたように思える。そして、その原点から出発し、氏は、この作品で、新たな映像表現法を世に問うたのかと思う。
つまり、「タンタンの冒険」では、絵本を動画と音声によって、絵本のニ次元表現から擬似三次元に転換せしめたものとして高く評価できる(3Dで見れば、リアルの三次元表現である)。その極みは、ソプラノ歌手の声(音)の響きである。明らかに、そのシーンは、ストーリーを支配し、スピルバーグ氏の真骨頂でもあり、一つの意味づけに使われている。このシーンは、「Mr.ビーン」の「カンヌ・・・」で見せた、音楽の使われ方と類似するものがあり、2人の映画人の表現法の、不思議な一致が見られた。
しかし、「タンタン・・」の映画評は、その良し悪しで、2極化するものと推察する。それは、映画になくてはならない味付けの部分、スピルバーグ氏が製作総指揮として係わった「グーニーズ」、当該作品のかなり下敷きになっている感は否めないが、それにあってさえも、ロマンと冒険が存在しているのだが、「タンタン・・」には、ロマンが感じられず、その点で、おそらく、評が分かれるものと思うのである。
しかし、これは明確に言えることではあるが、氏は、当該作品で、新たなスタートを切ったということでは、評価できよう。
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