「恋や仕事で悩んでいてもこの映画を観ればへっちゃら元気回復です!」恋とニュースのつくり方 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
恋や仕事で悩んでいてもこの映画を観ればへっちゃら元気回復です!
米TV業界が舞台の映画ではかつて『アンカーウーマン』や『ブロードキャスト・ニュース』と言う名作があったが、これに劣らぬ面白さが心地良い、このサクセスストーリーには最後はやっぱり嬉しいガッツポーズが自然と出てしまう!
レイチェル・マクアダムスの出演作品で、『消されたヘッドラインニュース』と言う作品が有る。彼女の役はWDCの新聞社勤務の新米記者で、ラッセル・クロウ演じる鬼の先輩ライターと共に事件の謎に挑んで行く姿を熱演した、凄く印象的で良い女優さんだなと記憶に刻まれた。今回も、ハリソン・フォードとダイアン・キートンと言うベテラン俳優と並んでも彼女の魅力は少しも劣らない!
ニュージャージーのローカルTV局で人員整理となった彼女に母親は、再就職をする事を勧めるよりも、夢を諦めて地道な生活で出直す事をアドバイスする下りが面白い!8歳の女の子が夢を持って生きるのは良いと、18歳の若者が夢に賭けて努力するのも素晴らしいが、
28歳の大人の女が少女時代からの夢の仕事で失敗したら、方向転換しろと諭す。しかしそんな忠告も何のその、その彼女の転職先は、打ち切り真近い低視聴率の朝のワイドショーの新人プロデューサー。これからが彼女の巻き返しの快進撃となるのだが、この彼女が視聴率回復目指して起用したのが、ハリソン・フォード演じるかつては超大物のアンカーマンだが、その彼も今は鳴かず飛ばずの、気位が高いだけの化石人間。この彼を如何に使っていくか、そして元々この番組のアンカーを務めていたダイアン・キートンとの犬猿の中をどう繋いでいくのかと言うドタバタと、この忙しさを縫って始まる彼女の恋愛事情も絡んで話は盛り上がってゆくこのラブコメはレイチェルの魅力をたっぷりと楽しめるし、長年の映画ファンには、D・キートンやH・フォードの芝居は懐かしいよね。『カウボーイ&エイリアン』は今一つだったけれど、嫌味な奴を演じる彼も新鮮だった。
監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェルとくれば面白くない訳がない!
この映画と併せて実在のアンカーである、ジェシカ・サヴィッチのサクセス物語を描いた『アンカーウーマン』(96年)や少し古い作品だけれども、『ブロードキャスト・ニュース』とこの作品を観比べて観るのも楽しいかも知れない。88年に公開された『ブロード~』はアカデミー賞7部門候補作品でありながら、同年の『ラスト・エンペラー』に賞を総ナメにされてしまった結果無冠で終わると言う珍しい作品だったが、W・ハートが最高に人気を誇っていた一番良い時期の作品であり、H・ハンターも綺麗で輝き溢れている。今年の夏丁度この『ブロード~』を制作したポリー・プラットさんが亡くなられてしまったが、彼女の製作する作品は素晴らしい映画ばかりだった。
『恋とニュースの作り方』と言う変な邦題で映画館では観なかった人も、或いはレイチェル以外の主役の占める年齢が高いと言ってもどうか見逃さずに騙されたと思ってこの作品を観て欲しい。きっと観終わった後は、爽やかな気持ちで満たされるラブコメであることを保証します!あ、それからロバートレッド・フォードで思い出したけれど、彼が監督した『クイズ・ショウ』もTV業界の裏話で面白い映画だった!是非お試しあれ!!