「男が男に惚れる男たち、ここに降臨す」冷たい雨に撃て、約束の銃弾を septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
男が男に惚れる男たち、ここに降臨す
2010年3月に
開催された大阪アジアン映画祭で
オープニングを飾ったのが今作です。
また前売発売段階で完売した唯一の作品でもありました。
そのとき、すでに
日本公開が決定していたので
パスをしたのですが、上映されるのは
首を長くし、ずっと心待ちにしていました。
だって、超大好きな、
アンソニー・ウォンさま、
ラム・シュ大食いおじさんが出演されるんですもの(LOVE)。
当然、公開初日に参戦。
満席に備えて、朝早い段階で
整理券を入手し鑑賞してきました。
予想通り立見も出る盛況ぶりの超満員でした(笑顔)
☆彡 ☆彡
いやぁ、超かっこいいっす
アンソニー・ウォンさまに撃たれてみたいっす
ラム・シュおじさんと豪快に食事をしてみたいっす(苦笑)
《 記憶 》
《 義兄弟・戦友 》
《 約束・義理・人情 》
男が男に惚れるってのは
こういうことを言うんだろうな
スクリーンを観ながら、
男たちのあまりのカッコよさと、
渋さにうっとりしてしまいました。
え~、決してそっち方面の人ではありません(苦笑)
復讐シリーズの最終章と位置づけられているのですが、
前作『エグザイルー絆ー』でジョニー・トー監督作品の
薫陶を受けていたのも今作を鑑賞する前段階としては大正解でした。
激しい銃撃シーンだけでなく、
仲間通しで話をするシーン、
雑然とした街中を歩くシーン、
仲間たちで食事をするシーン、
そのいずれもがダンディズムに溢れていて
スクリーンからイイ男の香りがしてくる錯覚を起こしてしまうほど。
かと、思えば、
月夜のバーベキュー、
銃を放ちながらの自転車遊びなど
思わずニヤリとさせられる洒落っ気のあるシーンも用意
(ネタバレを防ぐため、この2シーンだけにしておきます)。
月や日中の陽射しなどの
自然光の使いかたも巧みで
最初から最後まで眼を離すことができませんでした。
その中でも
一番好きなのは
終盤の食事シーン。
似たようなカット割でありながら、
一度目と二度目で食事が用意された
テーブルを取り囲む温度が違うんですね。
テーブルを中心とした食事という
かぎられたワンシーンで、今作の総まとめと
言っても良さそうな、登場人物たちの今の心情と変化を表現してしまう。
すごく計算し尽くされているように観えて、
いかにも映画を心の底から愛しているプロの仕事ようにも見えて、こういうシーン大好きです(笑顔)
☆彡 ☆彡
ジョニー・トー監督の作品としては珍しく
事前に脚本が出来上がっていたそうです。
ただ現場に入ると即興で変更したシーンもあったそうで、
これぞジョニー・トー監督だよねっ!て、それを知ったとき微笑んでしまいました。
敵が黒ずくめの集団がショッカーみたい
どうしてこの人たちには拳銃の弾がこんなにも当らないの
な~んて細かいことを突っ込むのは止めましょう。
今作は、そんな細かいことを気にしてはいけない作品ですから(苦笑)
これぞ男の美学
これぞダンディズム
これぞハードボイルド
どっかのメンズエステの宣伝文句のようですが、
不器用でも義理人情に溢れた無骨な男たちをいとおしまずにはいられません。
国境を越えた
言語の違いをも超えた
男たちの友誼を是非ご堪能くださいませ(笑顔)