やさしい嘘と贈り物のレビュー・感想・評価
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もう一度 恋をしよう
スーパーの店長が息子とは最初は気付かなかったです・・
好きな異性のタイプはDNAに記録され、記憶喪失しても
同じ人を好きになるのかな?
夫が「二度と離れないでくれ」と言って、「離れて行くのはあなたの方だ」と言う、
妻の顔が切ないね。
最後は号泣でした、、
感動した、!
なんの予備知識なしでみたからオチが途中から想像してたものと違ってええってなり、涙の嵐でした。
騙された、
ところどころ「なんか変だな、、」と思うところがありしかしそれがしっかりラストにつながるアクションでよくできてるなあと思いました。
愛の深さを感じる映画。
メアリーの献身的な愛を感じます
映画のところどころに伏線が張ってありそれを思い返すと面白い。
例えば、ロバートが「わたしの過去は無駄だったのかもしれない」と言うセリフに対してメアリーが「そんなことないわ、過去も未来なんてどうなるかなんて分からない」と言ったシーンはその時はふうんって感じで聞いてけど、振り返るとそのセリフには深い意味があって、メアリーはロバートを元気づけようとしていったのではなく自分自信に希望はあると言い聞かせていったのでは、、と考えた。
ほんとにうまくできてる作品だなあと思います。
夫婦の深い愛
認知症高齢者の介護の背景には苦労や戸惑いがある。物語の中ではそれを感じさせないかのように、一生懸命に前向きに夫に向き合う妻。何て献身的で、偉大な愛なんだと感じた。それ以上に、認知症を患って妻のことさえも忘れたはずなのに、また同じ女性に新たな気持ちで恋をする所が何とも言えなく感動する。
どんな状況になっても愛は変わらないということ
ほっこりしたい気分で
タイトルとジャケットだけ見て
レンタル。
予想通り
ほっこりする場面もあり
ほのぼの映画かなーと思ってたら
「ん?」っていうところがちらほら…
ほっこり以上の
感動と深く考えさせられる機会をもらいました。
歳をとっても
どんな状況になっても
無意識でも
気持ちは変わらないのは理想的だなと思います。
予告紹介文見ないでください!ラストは号泣してしまった。
ラストは涙が止まらなくて、もう見るのがイヤっ!!ってくらい泣きました(笑)
とにかく、予告にしてもこの作品紹介がネタバレなんで…所々にラストを思わせる台詞だったりがあるので…知らずに見ていたらもっと楽しめていたと思う…f(^^;なんで予告こうしちゃったんだろ(笑)
結末は少し寂しいものがあったけど、2人は本当に心から愛し合っている…それだけで幸せな気分になりました。
こんなふうになったってお互い歳をとったって、、再び愛し合える。そんな夫婦になりたいものですね。
どんな映画なのか一切の予備知識もないままに観ることをお勧めします
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
かなりネタバレしていますので注意してください。
どんな内容か全く知らず、どんな題名かすら忘れたまま映画を見始めた。このいい加減さが今回はいい方向に出て、物語の設定も展開もわからないまま観ることが出来た。
この映画の描きたい主題と出演者の演技はかなり良かった。自分で自分にクリスマスプレゼントを贈る老人と、ちょっと強引な出会いでときめいて幸せそうになっていく二人。最初は孤独に生きて人生に絶望している老人と病気で先がない老婦人との、悲しい恋愛を通しての人生の締めくくりや社会の影にいる孤独な老人たちの話なのかと思っていたが、実は全然違っていた。前振りはあったので違和感は感じていた。高齢なのにもかかわらずいまだにしがない仕事をせざる得ない孤独な老人なのにその割に立派な家も車も持っているし、共同経営者という話がちらっと出てくるし、仕事をしているというのに堂々と絵を描いているし、何か変なのだ。そのような疑問は物語が進むにつれていずれ解消することになるのだが、これらが脚本のいい加減さから来ているのかどうかがまだこの時点ではわからなかった。でもここではいい意味でうまく後半につなげていてくれた。
しかし嘘をつくのならば家族だけでなくて従業員や周囲の人まで含めて徹底しなければすぐにばれてしまうはずなので、これだけでこの話が成立するのか疑問。家の中に家族の写真を堂々と飾ったままにしておいたりとか家族の痕跡がそのままなのに、最後になるまでそれらに気が付かないとか、こんな状態で一人で日常生活をおくることが出来るのか、あるいはそもそも孤独を感じさせるくらいの生活を一人でさせるべきなのかとか、いくつもおかしな部分はある。そのあたりが引っかかって物語には素直に納得は出来なかった。だけど二人の心の動きに焦点を当てて、そして彼の家族の優しさを描きたかったという主題を味わえば、十分面白いです。
ラブストーリーは突然に。笑
なーんも考えずに観ました。
なんて素晴らしい作品なんですかぁ〜!!
繊細でいて、やわらかい語り口に、自然と感情はストーリーの中へ入っていきます。
もちろん、M・ランド-の名演も光ります!!
(こんな名優ばかりを使って、監督デビューなんて、羨ましぃ!!)
ティーンエージャーばりに、
ときめいたラブストーリーが続く前半(いや、それ以上かも。笑)
とてもファンタジックで、
背景やロケーションのおかげもあると思うが、美しい。
そして、
後半にいくにつれ、徐々に、M・ランド-をとりまく、謎や疑問が明らかになってゆくのだが、
涙がとまらない。
前半のラブストーリーで、完全に感情移入してしまっているため、
号泣ですわ。
まぢ、いい映画です。
ほんと、そのへんのラブストーリーなんかより、泣けます(笑)
ラストは…
んっ?
って感じもありますが、俳優さんたちの演技もうまいし、
人物描写も、なかなかうまい。
まぁ、もうちょい、M・ランド-や家族たちの過去も描けたら、よかったかもね。
しかし、僕の中では、皆さまに観てほしい作品の一つです!!
「出会ったときから愛してる」
アメリカの老人の年甲斐もない恋の物語かと思っていた。
少なくともハッピーなコメディかとも。
純愛。
もう50歳が目の前にきた自分にとって
この映画は色んな意味で心に残った。
こういう発想ってアメリカだよなぁ、
日本の老夫婦には難しい感じです。
幸せになれると言うより、妻の献身的な
愛に思わず、もらい涙。
こんな人生の終わり方。
うらやましい。
大人のための、クリスマスのあったかい童話
大人のためのクリスマスのあったかい童話という感じの、優しいお話でした。
絵本の絵のような、すてきなシーンで綴られていました。
ページをめくる間がちょっと惜しい気がしました、エピソードも変なモヤモヤも。
キャスティングはとっても良かった。マーティン・ランドーとエレン・バースティンの恋する演技は、美しい夢のようでした。アダム・スコットも良かったです、あの丸顔、絵本の中の店長さんっぽいもの。
やさしい未来を見たくなったらこの作品で、心をあたためようよ!
やさしい嘘も嘘は嘘、嘘の結末は悲しい現実が待ち構えていた!何の予備知識も無く
観た私は完全に優しい嘘に乗せられていた、しかし騙される幸せも世の中にはあるものだ。
アメリカのスーパーマーケットでは結構ご高齢の店員さんも見かける事も有り、ネズミキャラで世界的に有名なテーマパークの本家アメリカでは、高齢のキャストも普通に働くので、ロバートが仕事らしい仕事をしていなくても、雇用されている事にもそれ程大きな違和感を持つ事も無いままに、ズーッと何か変だなとは思いながらもすっかり騙されてしまいました。そう、丁度ロバートがメアリーの嘘に気付く事がなかったのと同様に・・・
この世には、悲しいかな人を行為的に傷つける為の嘘もあり、それは明らかに小さな罪から、大きな犯罪レベルまで嘘の規模も種類も数知れないが、家族の中で生きる希望や夢や、熱意を得る事が出来る為の嘘がつける事は幸せな人間関係の証なのかも知れない。
認知症は中々回復困難な病気の為に先行きに不安と絶望を伴う疾病だ。そしてこの病気を患う患者と生活を共にする家族は、患者同様に、いや時には患者本人よりも尚より大きな不安と絶望の未来の中で日々毎日の1日の生活を終えている事も決して少なくは無い。
我が国では今後4人に1人が高齢者となる現実を目の前にして、これが単なる映画の中の
話であるとか、作られたファンタジーで現実的では無いと私には考えられない映画だった。
貴方は、きっとそんな私をバカな奴と思うかも知れない!しかしどんなに人は望んでいても、ピンピンコロリと、死の直前まで、元気で認知も無く過ごせる保障は何処にも存在してなどいない!
自分が仮にロバートだったら、こんな嘘でも良いから騙されてみたいし、メアリーの立場ならきっと同じ嘘をつく事を考え付いていたかも知れないと思うのだった。
或いは、騙されていると知っていながら、それに気付かない振りをすると言う嘘を嘘で受け止めると言う素晴らしい嘘が世の中には存在する。
でもそれらの総ては、やさしい真心から生れた嘘。人間常に真実に忠実に、正直に生きるだけが正しい生き方では無い事が明らかにされる作品だ。しかし現実の私達の生活の中で体験する嘘は中々こんな上手くは嘘が続いてゆく事は稀な事である。それ故に、人々にとってこんな嘘の有り様を提案してくれたこの映画に感謝したいのだ!
何故って、映画のレビューを書く時にすら、いつでも正直な話し思い悩みながら私は書いている。それは映画の良い側面を少しでも多く見つけ出し、伝えよと心に決めている事だからだ。私の友人などは、つまらん時はつまらんと書かないと、狼少年になると忠告をしてくれる!
事実、時にはつまらない映画との出会いもあり、その本当はつまらない映画をつまらないと評価するのが正しい選択なのかと悩むのだ!映画はあくまでも主観で観るのだから、100人100通りの価値感の世界が有る。映画を愛する人達が大切に制作した作品を私は横から
さらりと斬る事もする!しかしお金で観る権利を買った観客にはいつも自分の意見を好き勝手に言う権利も獲得出来るのかと悩むのだ!やさしい嘘をつきたい日がある事もある。
話が逸れたが、正直に伝えよう、私は優しい嘘の価値を評価してくれる本作をとても素敵な映画と受け入れたい!そしてもし家族が映画同様に認知症になった時にはこの映画に倣って是非嘘を選んで生きてみたいのだ!貴方はどんな生き方を選ぶだろうか?
究極の愛
この映画は一切作品の紹介文などを読まないで観るのが一番だと思います。
その方が自分でいろいろ推測しながら観れるのと、
物語の結末に驚くことができるからです。
初めから、紹介文を読んでしまうと、楽しさが半減してしまうと思います。
なので、わたしも敢えて内容は書きません。
映画はラブストーリーと分別されていますが、ちょっと違う気も。
でも、最後まで観ると究極の愛ってこういうことなのかなって思いました。
映画の初めは観ててどこが面白いのかなと感じるかもしれませんが、
映画の真意が分かれば、面白くなると思います。
過去の日々
毎日の変わり映えのなさにうんざりする。
あまりにも変わらないから人は孤独を感じる。
人はいなくなると、生きてきたすべては
意味がないのでしょうか?
いや、周りの人々が覚えている限り、意味のある人生。
たとえ忘れても。
やさしい嘘と過酷な現実。
名画座にて。
オスカー俳優二人を配してかなり贅沢な仕上がりになるかと
思いきや、とてもささやかでファンタジックな作品だった。
とはいえ、扱うテーマが認知症と家族…という重さのため、
後半へ進むほど切ない展開となっていき、現実は結構辛い。
着想は素晴らしいのだが、ここまで巧くいくものだろうか…
なんて下世話な感情が芽生えてしまう自分にやや嫌気がさすx
自省を促し、家族の大切さを噛みしめるためのファンタジー。
(M・ランド―とE・バースティンの、老いたる愛らしさに乾杯!)
高校生で、こんなピュアな「最後の恋」を思いついた監督に脱帽
小さな町で、スーパーに勤めながら1人で暮らす老人ロバート。
働く…といっても、スーパーの片隅に座って絵を描いたりしてばかり。
そんな彼を、若い店長マイクは怒るでもなく、
むしろ店長室に呼んであれこれ相談している。
そしてまた、絵を描く彼をスーパーの棚からじっと見ている老婦人がいた。
その上品な老婦人メアリーが声をかけると、ロバートは一目で恋に落ちる。
なぜだろう、初めて会った気がしない…ロバートはそう感じた。
メアリーとのデートの約束を取り付けたロバートは
喜び勇んでマイクに段取りを相談する。
一方メアリーの家では、娘のアレックスがロバートとのデートに反対していた。
「お母さんがこれ以上傷つくのは見たくない」と。
しかし、メアリーはロバートとデートを重ねていくが…
なんともやさしく、美しい“ファンタジー”です。
そう、これを「泣ける映画」とか「家族の感動作」とかを期待して見てしまうと、
「ものたりない」「甘い」と思えてしまうかもしれません。
何より私が素晴らしい!!と思ったのは、
弱冠24歳でこの作品を撮った監督(本作が長編デビュー作)がこの原案を思いついたのが
高校生のときだということ。
すごい。
高校生で、こんなピュアな「最後の恋」を思い描けるなんて。
はっきり言ってしまって、ボケてしまったロバートが
メアリーに出会い、どうやってデートしようかと悩んで
周りの人(息子にまで…)に相談し、
ドキドキしながら支度をしたり、電話を待ち焦がれている姿は、
まさに“高校生”の頃の恋そのもの。
これを高校生で描いたって、当たり前すぎてなーーんにも面白くないはず。
それを、お年寄りを主人公にしたことで
なんとも初々しく、かわいらしく、
不思議なふわふわ感のある“おとぎ話”に
なっているのです。
こんなことは自分には起きないだろうなーと思いつつ、
老いてもこんな恋ができたら幸せだろうな…と
この作品の持つ優しいパワーにほっこりと癒される作品でした。
演出の手綱捌きに深みがない
童話にでも出てきそうな家に、ゆったりとカメラが入っていく。
何の予備知識もなく観たら、そのまま楽しめたに違いない。だが、そんな人は映画館に足を運んだりしない。この作品を選んだ時点で、話の大筋を掴んでいる人ばかりだ。
そうなると、本来、謎に包まれるべき人間関係の謎を紐解く趣向は完全に空回りだ。物語の核に触れる部分を晒しても成功する作品は数多ある。最近の作品でいうと、「インビクタス/負けざる者たち」「しあわせの隠れ場所」などがそうだ。邦画の「ゴールデンスランバー」も大筋が判っていながら展開が楽しめる。
要は肉付けなのだが、ニック・ファクラーによる脚本と演出は、古くさい映像美を追うだけで、夫が家族を忘却したいきさつにもまったく触れていない。
新しい恋にときめく夫に対し、再び愛を取り戻したものの、別人として生きて行かなくてはならない妻の苦悩もおざなりで、手綱捌きに深みがない。
真実を隠したまま売り込めるファクターも見あたらない。
マーティン・ランドー演じる老人が、徐々に色気を取り戻す姿は微笑ましく可愛いが・・・。
主要な4人がそれぞれに持ち味を出しているだけにもったいない。
こんなやさしくて素敵な嘘なら歓迎かな♪
あ~、惜しいなぁ
途中まで星5個の勢いだったのに
最後の最後で足が止まっちゃったなぁ、残念
~~
マラソンに例えるなら40キロ地点で
競馬に例えるなら残り100mのハロンポールで
足がバッタリと止まってしまった感じの印象を受けました。
夢を見させるというんですか、
ファンタジックな世界で行くのなら、
最後まで行ききっちゃえばよかったのにと思うんです。
監督の主義なのかな?
最後、妙に現実じみた世界に戻しちゃったんですよね。
それはそれでありなのでしょうし、
監督が安易な結末を好まなかったのかも
しれないのですが、個人的にはもっと明るい気分で劇場をあとにしたかったです。
◇ ◇
〈 歳をとってわかるご褒美 〉
〈 あきらめなければ挫折はない 〉
予告編、
劇場に置いてあるチラシにもあるとおり、
今作、認知症のお爺ちゃんと、その家族が中心になっています。
不自然で余計な前ふりもなく
すぐ本題に入り進めていくストーリーのテンポがとてもいい。
認知症と暗い話になりがちなのに
ウィットに富んだユーモアや、お爺ちゃんを
必死に支えようとする家族たちの温かい愛情も
スクリーンを越えて伝わってきて、こちらの気持ちまで温かくなってくる。
悲しくも
厳しくも
つらくもある現実
眼をそらさずに受け止め
最後まで、それこそ若かりし頃のような
一途な愛で、岩をも切り裂かんばかりに貫き通そうとする。
お爺ちゃんの変化
お婆ちゃんの変化
最初は反対をしていた家族の変化
すべてが前向きに
上手く行っているように見えたのですが・・・
☆彡 ☆彡
ネタバレを防ぐために、
これくらいにしておきます(苦笑)
その後の感想は冒頭に書いた通りです。
上映終了後、劇場の貼紙を見たのですが、
脚本・監督を担当したニック・ファクラー。
なんと24歳だというではありませんか!
その若さで、これだけの大ベテランを起用して
これだけの作品を作り上げてしまう。いやいや素晴らしすぎです!!
最後の最後は
う~ん、って感じたのですが、
そこまではとてもよかったので、
24歳と言う年齢とこれからの期待もこめてA-とさせていただきます(笑顔)
痴呆症の老人の心を癒すための嘘。あなたはそれを許せるでしょうか。
これは若いカップルでもうっとりするくらいロバートとメアリーの愛の物語でした。ふたりのデートシーンを描き込むカメラがとってもハートウォームなんです。そして会話もさることながら、恥じらいつつも手を繋ぐところなど、細かい演出が効いていて、ふたりの恋が年齢を感じさせないくらい初々しく感じました。
やはり一番のポイントは、マーティン・ランドーとエレン・バースティンのベテラン演技派の2人が年老いた夫婦役。心に染み入る演技を見せていました。
対照的なのは、本作の脚本・監督が若干24歳の新人監督であること。孫世代の若者が老人の心境にどう迫っていくかが興味深い点でした。
この監督のいいところは、主人公のロバートを暖かく見守って、裁いたりしていないことです。それと少しずつロバートの日常の描写がなんか変だぞと観客に思わせる、メアリーとのデートは本当は夢じゃないのかとネタバレを臭わせる展開が憎いです。
『やさしい嘘』は、ロバートだけでなく観客にも思わぬ嘘がありました。夢じゃないないかと臭わせつつも、実はロバートが体験するメアリーとの恋物語は、本当に起こっていたことだったのです。
認知症の老人に降って湧いたような、素敵な恋の日々。どうしてそんなことが起こりえたのか、余計なネタバレが省かれているところも良かったです。ラストを見れば、バレバレなんですがね。
ストーリーは、ランドー演じる独り暮らしの老人ロバートの日常を追っていきます。ロバートの日常は、毎朝決まった時刻に目覚め、スーパーで働く単調な暮らしぶりでした。 そんな時に偶然同年輩のメアリーに出会い、クリスマスデートに誘われます。その日以来、毎日がメアリーとの素敵なデートの日々。でも毎回描かれるデートは、クリスマス・イブの日のことが繰り返されていました。
そしてラストではがらりと展開が違っていきます。それまでは、クリスマスを背景にしたロマンチックなふたりの恋物語としか見えません。
ところが、ラストにさしかかると、カメラは次第にロバートの意識下の世界に入り込んでいきます。
それは、これまで見てきた恋物語の展開があれっと疑問を抱くものでした。ロバートは、知り合ったばかりのメアリーとは、前から一緒にいたような感じもしてきて、記憶すらあやふやに。これまで描かれてきたことが、現実なのか夢なのか、だんだん混乱していきます。
自分の内面との激しい葛藤に襲われるロバートは、妻や家族との混濁した記憶を必死でたぐり寄せようとするのでした。
結局、ロバートは認知症だったのです。本作のエピソードは、全てロバートの孤独な内面から、妻や家族が再生に導くためにひと芝居打っていたものでした。
確かにそれは「やさしい嘘」には違いありません。でも見ていて余りにも、嘘というには切ないものでした。皆さんは、この嘘が許せるでしょうか。でも間違いなくロバートにとっては、家族の心からの素敵な贈り物だったのです。
また同名の「やさしい嘘」という作品が以前にもありました。これもなかなかの感動作です。一つの嘘から描かれる家族愛という点では、厳しい現実を越えていく現代の家族の絆の物語として、共通するものを感じました。
この青年監督はも老人の孤独や絶望を見つめる視点が、とても若者が考えられるものではないほどの思慮深さを感じさせます。
そして、それ以上に心を打つのは、ロバートの孤独を癒しも開かせていく夫婦愛が感動的でした。
また作品に合わせた映像も特筆もの。ロケ地は監督の出身地であるとかで、一つ一つのシーンに思い入れを感じさせます。とにかく映像はとても美しくて、ファンタジックでした。
ロケ地のネブラスカ州オマハといえば、『マイレージ、マイライフ』舞台でもありました。詩情あふれる雪の町にふさわしい、ロマン溢れる物語といえるでしょう。
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