劇場公開日 2010年2月27日

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「共和党の宣伝映画??」しあわせの隠れ場所 めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5共和党の宣伝映画??

2010年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

良い話なのですよ、ホントに。
実話だし、もう突っ込みようのないくらい、良い話なのですが、、、

なんとなーーーく、こう、しっくりこない
(あくまでワタシは、という意味です)
どことなーーーく、“お尻が重い”印象が、、、

なぜだろう…と思いながら見ていて、途中で気付きました。

この作品、ものすごく“共和党”的なのです。

と気づけば、サンドラ・ブロック演じるアンの
ブロンド&いかにもなファッションや、
まるでディズニー映画の小生意気なリスのように
こまっしゃくれたガキのキャラも納得です。
おまけにこのアン、荒っぽい黒人のにーちゃんに
「私は全米ライフル協会の会員よ!」とまでタンカ切ってるし、、、

まあ、実話だからしょうがないのですが、
なんとなく、“白人側に同化してきた黒人”だから、
アメリカの保守派白人も温かく、
安心して受け入れられる(=映画を見ていられる)し、
そんな「貧しい黒人」に対して寛容で太っ腹な白人の善行に
目を細めているのでは…
と、ついついうがった見方をしてしまいます。

と同時に、ちょっと「インビクタス」の中での、
マット・デイモン演じるピナールのお母さんを思い出しました。

白人であるこのお母さんはとても優しく、
クリスチャン精神にあふれた人で、
貧しい黒人地域の教会で、ボランティアとして古着を配るのを手伝います。
ある黒人の男の子に息子のラグビーチームのラガーシャツがあたり、
「よかったわね。このラガーシャツなら人気者ね」
と、あくまで“善意で”いうと、男の子は突っ返して走り去ってしまいます。
なぜなら、そのラグビーチームは黒人差別の象徴だから。
そんなシャツを着ていたら、イジメられるに決まっているのです。
その事実を知って、お母さんは、自分がよかれと思っていたことが、
根本的に間違っていたのだと気づきます。

「インビクタス」で描かれていたような、
こんな一歩踏み込んだ違いと理解の関係が、
この作品には感じられないなあ、、、と。

この映画のもとになったマイケル・オアーは、
09年のNFLでドラフト指名されたばかりとのこと。
そして、アメリカでこの作品ができたのも同じ年。
ちょっと映画化が早すぎやしませんか???

少ーーしだけ、
「もしや、黒人である民主党オバマ政権に対抗して、
“共和党もこんなに黒人に優しいんですよー”と
アピールしたいから??」
と勘ぐってしまいました。
(スミマセン、性格悪くて、、、)

めぐ吉