アイガー北壁のレビュー・感想・評価
全9件を表示
登山の映画ではない。
アイガー・サンクションの元ネタだった。
リアルに描くのは良いが、助かるか助からないかだけの話だし、後々語られる話だから、助かる事になるろう。
演出が悪すぎる。夜や吹雪の場面で視界が聞かない上に、似たような顔だから、誰が生き残ったかも分からない。
必要のない場面が多すぎて、
結果はハリウッド。ではないのか!?
驚き。じゃぁ、この登山は何だったのか!?生存者がいないのに、登山の経過がここまでリアルに表現できる訳が無い。つまり、過度の演出で、見にくい映像を見せられていた事になる。
言いたい事は分かる。ナチス批判だからね。しかし、彼らをナチスドイツの被害者とは思えない。
山岳遭難はいつでも見ていてつらい
初鑑賞
実話ということで興味を持ってみた
山岳遭難の映画はほかにも見たことあるが
とてもつらい
後で、判断が間違っていたとか
あの時こうするべきだったとか・・・・・
主役の二人を説得した女性記者もつらいだろう
ほんとに実話?
ほんとに実話なのだろうか?
どこまで題材にしてるかわからないけどすごかった。
見ているだけで痛々しさと染み入る様な寒さを感じた。
登山家はあの様な現実を知りながらもなお、登ろうとする気持ちは
全くわからないが彼らの山に登ろうという情熱は賞賛したいと思う。
しかしながら、4人の登山家は誰一人生き残れず、
一人は登頂を夢見て怪我をしているにも関わらず無理をしたため結局
全員の命を危険に晒し、アンディは1本のザイルに3人が繋がっていることに
保たない危険を感じ自ら切断。そしてトニーは自分で動けななくなり
更に多くの人間の命を危険に晒してまで助けを求めるなど
到底共感出来るような行為ではなかった。
他のアクション映画とは違い、リアルな山の恐ろしさが
描かれており、超人的な登場人物など居らず、ひとつひとつの
行動や小さな落石、骨折、凍傷などが痛々しくてたまらない。
この映画を見た後、登場人物が実在するのかウィキペディアで
簡単に探してみたが見当たらず、ストーリーとして実話なのか?
題材として実話なのか、わからなかった。
とにかく感動とか共感とそんなものはなく
ただただ山の恐ろしさを感じる、または登山家という
上記を逸した人種に驚嘆する映画だった。
目の前で!
目の前に来ても、最後助からなかった、
悲しい悲しい結末。
オーストリアめに加えて、間抜けな救助隊員たち!
人を助けに行くのに、紐が短いだなんで!
タバコを吸って待ってるんじゃねえよ、
お前らささっと登れ!と一喝したくなる。。
ナチ政権下で起きていた、知られざる悲劇
エベレスト初登頂のときのように、アイガー北壁でも、欧州各国の初登頂争いは熱気を帯びていた。
さらに当時のナチ政権はベルリンオリンピックを目前としており、アイガー北壁を登頂した暁には金メダルを与えると喧伝。ドイツの手柄にするものかと、各国の登山隊がアイガーに集う。
二人の主人公、トニーは「生きて帰る」をモットーとした慎重派。対するアンディは自信に満ちた情熱家。アンディの熱意に引きずられるように登攀を決めたトニーだが、本心は名声につられた野心家だと思われたくなかったに違いないし、本気でアイガー北壁は難しいと判断していたに違いない。
スポーツマンシップに則り他の隊を助けたり、血気にはやるアンディを制して撤退を決めるなど、冷静さを保ち困難を克服しようとしていた彼が、アンディの死を目の当たりにした挙げ句救助隊に見捨てられてしまい、とうとう取り乱してしまった時は、心締め付けるものがあった。
凍傷で動かなくなる指先、ザイルで負った擦過傷、堅い岩盤に刺さらないピッケル、現代より格段に劣る防寒具、夏なのに襲うブリザード、すべてが生々しく、高山の過酷さをまざまざと描く。
そもそも、アンディが自らザイルを切った時点で、トニーには彼の死を越えて生き延びる気力がほぼ無くなっていたのではないだろうか。
私も登山をするが、誰かがいるからしんどさも越えられる場面が多々あるし、不思議な力が湧いて来るもの。それは沿道やゴールに歓声のないスポーツである登山では特に重要なこと。トニーも相棒の命を背負っていたからこそ、生還ギリギリまで耐えられたのだと思う。
最後まで二人の足を引っ張るオーストリア隊も、ボロボロになりながらも絶対引き返さなかった背景には、彼らがナチ党だったからなのか、本意はナチを嫌っていたのに処世術で行かざるをえなかったのかは劇中から察することはできないが、彼らもまた時代のムードに翻弄されたといっても過言ではないだろう。
しかしヨーロッパの当時の技術力と生活水準の高さに驚く。標高2500メートルに四つ星ホテル? 標高3000メートルの駅に、観光用登山列車が到着?
欧州の山岳観光という物が、いかにセレブな階級の娯楽だったのかがよくわかる。
とはいえ、アイガーの列車は元は炭坑用。
麓の様子はそのまま格差の対比となる。
労働者たちが命を削って掘った岩盤と観光目的に金持ちが集う四つ星ホテル、テントで寝泊まりする登山家たちとホテル客。
トニーの元恋人で新聞記者見習いのルイーゼも、当初はキザでお洒落な上司ときらめく上流社会に心ときめいていた。
多少ご都合主義だったことは否めないが、ルイーゼは登攀を見守るうちにトニーへの想いを甦らせ、なんとか彼を助けようとする。もう少しの距離で如何ともしがたいザイルの距離、涙なしには見られない。
ラストはルイーゼが虚飾にまみれた社会と絶縁し、トニーへの愛を思い出のよすがとして自由の国アメリカで強く生きる姿が映し出される。
ヒトラー政権下において、国威発揚のセレモニーとして聖火リレーが発案されたベルリン五輪が「陽」ならば、アイガーに散った者たちはいわば失敗した「陰」のような存在なのだろう。
知られざる歴史の一部を知り、気がふさぎ込むような悲しい気持ちになったが、この実話を知ることができてよかったと思う。
真実に基づいた歴史の一部
作品は終始アイガーというとてつもなく大きな『主役』を中心に描かれたサスペンス。
ドイツ隊を出し抜こうとオーストリア隊が人間の貪欲な部分を映し、それをアイガーが許さず事故に遭う。
ドイツ隊とオーストラリア隊が協力して進むも無常にも断念。それを嘲笑うように山の天候が急変し、山から生きてはおろさぬと言わんばかりの絶望感。最後は自分達で油断、実力の誇示の結果帰りのザイルを外したことが全て過ち。人の欲や傲慢から生まれるのはアイガーという荘厳な相手では致命的、通用しないと言うのが一番印象に残った。
あとは地上との平穏さと山の過激さが映画全体の陰影をつけ、とても良い構成と感じた。
史実に基づいた映画が好きな方は是非一見下さい
「無事、下山」なんて、誰が読む?三面記事だ。
映画「アイガー北壁」
(フィリップ・シュテルツェル監督)から。
ドイツ・オーストリア・スイス合作と知って、
へぇ、ヨーロッパもすごい作品をつくるな、と感激した。
前人未踏のアルプス連峰の難所・アイガー北壁に挑んだ若者が、
途中のアクシデントで、登頂を断念して下山することに・・。
それを知った途端、マスコミは取材をやめ撤退を指示して叫ぶ。
「記事になるのは、栄光か、悲惨な結末だ。
『無事、下山』なんて、誰が読む?三面記事だ」と。
しかし、下山にも登山に匹敵する真のドラマが待っていた。
マスコミ関係者の上司は、登山が始まる前、部下にこう言う。
「(我々が)悲しいのは、真のドラマはみられないってことだ。
記者や読者の宿命だ。我々は、登頂前の騒ぎを報道する。
登頂後も同様だ。しかし、肝心の中身は、想像するしかない」
その真のドラマを「下山」という地味な行程の中で見せつけられ、
その、生死をかけた生きざまに、愕然とさせられることに・・。
悲しい結末に胸が締め付けられて、息苦しくなるほどの緊迫感、
今回ばかりは「無事、下山」という記事が読みたかったなぁ。
P.S.
ラストシーン「ベルリンへ戻ろう」と声を掛けられた主人公の女性、
さっきまでの悲しみをすぐ忘れてしまう上司に向かい、ピシャリ。
「もう戻りません、たくさんです、あなたみたいな人たちは」
この台詞で、胸がす~っとしたことを付け加えておきたい。
事実を知らないで、見ました。
時は、1936年。
ナチスドイツであり、ベルリンオリンピックが開かれようとしている時代。
登山者の言葉で有名なのは、
「なぜ、山に登るのか?」という問いかけに
「そこに山があるから」と答える。
今から70年以上も前では、登山者が来ている服は、毛糸と綿でできている。
ナイロン製の服もなければ、雨を透さない加工をした繊維もない。
登山道具のことも良く知らないけれど、(たぶん、ハーケンやアイスハンマーなど)自分達で鉄を打って作る。
そんな時代だ。
アイガー北壁は、未だ前人未到。
1800mもの垂直の壁をよじ登るのだ。
しかも、凍っている。
命綱は、本当に綱ロープのみ。
登山列車で到着したイタリアチームに、地元のガイドが
「鉄道で来て、棺桶で帰る」と揶揄するくらいの難攻な山だ。
トニーとアンディは貧しいので、700kmもの道のりを自転車でやってくる。
何で、そこまでして登るのか。
英雄になれる。
いや、自分のため。
北壁挑戦者達を、ホテルのテラスから、望遠鏡で覗いて眺める観光客や新聞記者たち。
夜は、ホテルの豪華なディナー、ピアノ、ダンス。
それに、温かいベッド、シャワー。
賭け事を楽しんでいるかのような雰囲気さえある。
傍観者が、いつもと同じような生活をしている間も、トニーとアンディ達は、雪崩や雪、強風と闘いながら、ほんの少しのスペースに身を寄せ合って、何日もの夜を明かす。
≪望遠鏡で覗いて見たことは記事にできるが、新聞記者も読者も決して現場の事実を見ることはできない≫
挑戦者のみが、知ること。
アイガーの山は、ある時は美しく雄大であるけれど、またある時は、地獄のように過酷である。
そこに山があっても登らない派の私を、美しく、過酷なアイガーへ連れて行ってくれた映画。
鑑賞中、ずっとドキドキして、手に汗握って、でも、背中はゾクゾクしっぱなしだった。
できることなら、大スクリーンで見たかった。
全9件を表示