プレシャスのレビュー・感想・評価
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打たれ強すぎて共感できず
狂った母の嫉妬にも、数々の不運にも負けず、前を向く主人公。
だけどいまいち感動できなかったのは、思いの強さを感じられなかったから。
極端なことをいえば、前を向き続けられたのは、結局のところ鈍感だったからでは?と
プレシャスは、キラキラネーム?
人生は最悪な状態なのに、前向きに生きて行こうとするプレシャスの姿が印象的でした。思考を現実逃避する事で、最悪な現実を見ないようにする。そのおかげでプレシャスは前向きに生きてるわけだけど、それってとても悲しい事だよな〜。
プレシャスって、「カワイ子ちゃん」みたいな表現なんだって。それが名前になってるって…親のセンスが疑われる。日本で言うところの、キラキラネームに当たるのかしらん?
これが現実
黒人、肥満、貧困、暴行、虐待…
様々な辛い経験を乗り越えていく女の子の話ですが、ドキュメンタリーを観ている気持ちになります。
アメリカの華々しい部分とは真逆のダークな部分を描いた作品なのに関わらず、主人公がなんとも健気で努力家なのであまりにも悲しい落ち込んだ気持ちにはなりませんでした。
リアルな問題てんこ盛り
ある種、ドキュメントといっても過言ではない気がする。リアルすぎる描写がもれなく心をえぐります。でもね、これは大事な作品だと思います。
なりゆきを見守るしかない映画でした
深く感情移入できるような作りにはなっていないと思います。
余計な意味付けがなく、親から辛く当たられるシーンも妙にカラッとしています。
与えられた人生をどう受け止めるかは主人公のプレシャスが決める事で、観賞者は見守るしかない。
実際そういう事だと思います。
映画の中の出来事に手を貸すことは出来ないし、もう可愛そうと言うしかないですよね。
けれどこの映画がプレシャスを可愛そうと言っているわけではないと思いました。
言葉が見当たらない
Precious: Based on the Novel Push by Sapphire
感動した泣けるって言葉で表現するものではない
だってこれは現実であり
世界には何億人という人がいて
これはだれかにとっての日常なのかもしれないのだから
若干16歳の少女に起こった悲劇
父親による性的虐待、父親の子を2度出産し
さらに母親からの虐待 そしてHIV感染
フリースクールに行くことによって変わってくる彼女の心境
彼女の選択した道は・・・
家族ってすごく閉鎖的ですごく怖いと思った
愛せないのなら産まなければいいんだ
その選択肢があるにもかかわらず望んだのならその子を最後まで愛すべきなんだ
プレシャス、君超前向き
プレシャスは、ありえないくらい前向き
そうなのか、人間前向きに生きることができれば、
進んでいけるもんなのだ
この映画は、観た人が前向きに生きろっていうお話なんだと
思います。
まったくハッピーなところがないのだけど、なんとなく、前向きにがんばるか~って、パワーが貰えるかも知れませんよ。
とにかく、何回書いたかわからないくらい前向きって使ってるくらいだから
心が痛い。。。
あまりにも主人公の人生が痛々しくて、終わった後もしかめっ面が直らなかった。
もちろん社会派映画なのだけれど、平和ボケしている私には、なかなかの過酷なストーリーでした。
プレシャスの、強くたくましい姿勢はすばらしいけど、その後の彼女の人生がもっと気になって、いろんな思いが心を重たくしています。。。
余談だけど、福祉課の女の人、見た事あるなーとは思っていたけど、マライア・キャリーだとは思わなかった(笑)。
希望さえあれば、どんなに過酷な状況下でも生きてゆけるんだね・・・
プレシャス、名前は「大切な」などという意味なのに、両親からは全く大切にされていない。かわいそうすぎる境遇だ。でも、彼女には夢を見る力がある。そこがすごい。強い。同じ高校生の妊娠を描いた作品でも「ジュノ」とは大違いなことに驚く。「ジュノ」は友だちや家族に応援されて子どもを産むが、プレシャスは学校は退学させられ、母親からは虐待を受けて、生活しなくてはならない。それでも、フリースクールで同じような境遇の友だちや理解ある先生に出会い、少しずつ変わっていく。何よりも母親から自立しようとしたことがえらいと思った。そうすることによって、彼女は自分の立場がだんだんわかっていったような気がする。自立することの大切さを知った。はっきり言って救いのない話だが、観終わった後、落ち込んでしまうのではなく、私も明日からがんばって生きていこうという気にされてくれる。それこそがこの映画の魅力だと思う。
日本だったら受け入れる器がない
普通の夢見る16歳の少女なのだ。それなのに、現実はどうしようもなく切ない境遇である。日本だったらニュースになり週刊誌のネタになるぐらいだ。実情は知らないが、この映画の背景がほぼ現実的だとしたら、もはやゴシップにならないほど日常的で、犯罪の範疇にも入らないのかもしれない。その代わり、こうした境遇の子供達を受け入れる施設もあるのだろう。日本だったら、政府の対応以前に、うやむやに隠蔽されそうである。アメリカにしても、これが白人だったら同じように隠蔽されそうだ。ある意味、これも人種差別ではないか。
プレシャスの境遇も悲惨だが、母親の苦しみも並大抵ではない。プレシャスにあたる気持ちも分かる。母親役のモニークの声が印象的。
温かさをもって接するフリースクールの教師(ポーラ・パットン)、母親の告白に涙する福祉課の担当官(マライヤ・キャリー)が巧い。
不遇を跳ね返して地をしっかり踏みしめて前向きに生きる・・・そんなラストだが、そうは簡単にいかんだろうなという思いで観終わる。
どんな境涯をも変えていく教育の力とその希望を感じさせてくれました。
およそ人の心を持った人であるなら、主人公のプレシャス人生には、まともに見ることすら息苦しく感じるほど、絵に描いたような不幸だったのです。
冒頭から、突然通学していた学校から、退学が告げられます。出産・妊娠を2度した不純異性交遊が理由でした。けれどもプレシャスの場合は、近親相姦だったのです。そんな訳ありも、一切校長に語ろうとしません。全く無抵抗に処分に従います。
3歳の頃からDVを受けてきた、プレシャスにとって、大人に反抗することを、すっかり諦めていたのでした。そればかりか、自分に次々降りかかる悪しき出来事を、半ば不可抗力として、抵抗することすら忘れてしまっていたのです。
でも悲しみや憤りを忘れたわけではありません。そのはけ口として、食欲に走ったのであり、もう一方では現実逃避し、常に夢見るナルシストになっていたのでした。
学校を退学となり、生活保護に頼っていた母親は、補助額が減額となることにヤケとなって、プレシャスをバカが勉強しても何にもならないと蔑みます。
けれども、前の学校で数学が良くできると褒められていたプレシャスは、諦めずにオルタナティブ・スクールに通い始めます。
日本語訳が、代替学校とあったのは誤訳で、正確にはフリースクールといったほうがいいでしょう。ヨーロッパのシュタイナー学校など独自教育を行っている教育機関を指します。
この学校とレイン先生との出会いが、プレシャスの虐げられた人生を変えていき、自立への道へと導くことになります。
でもプレシャスは、なかなか授業に馴染もうとしませんでした。文字も読めなかったというよりも、人前で文字を読むことすら強いコンプレックスを感じて、沈黙していたのです。レイン先生は、プレシャスの心を開くため根気よく、語りかけるのでした。
それにしても、教育の効果は偉大です。
文字が読めない頃は、自暴自棄で、明日のことすら夢を語ることもありませんでした。でも、長男を出産したとき、この子にいろんな話を聞かせてやりたいとプレシャスも思うようになり、少しずつ勉強を始めます。
二宮尊徳が「積小為大」と語ったように、プレシャスの僅かな勇気と毎日コツコツと覚えていく文字の学習が、やがては大学進学まで語り出すという、大きな希望を紡いでいくのです。
あれほどの不幸の申し子だったプレシャスの目がキラキラ輝いて、素敵に見えました。登場時は超肥満体を揺する「怪物」にしか見えなかったプレシャスですが、あ~ら不思議、ラストにはとってもチャーミングで、愛おしく、その名の通りプレシャスな存在に見えていったのです。
どんな外観でも、人には仏性があります。逆境のなかでその仏性がキラキラと輝く時、どんな境涯の人でも、周りを感動させてしまう輝きを放つことができるのでしょう。
希望を掴んだプレシャスは、虐待されてきた母親との関係も劇的に変える決意をしました。これまでは、何をされても従順に従ってきた反面、内面では激しく憎悪していたのです。
しかし福祉機関に保護され、母親と長らく面会拒否をするなかで、久々に面会に応じたとき、母親がなぜ自分に辛く当たってきたのか、その胸の内を知ったのです。
愛していた夫をわが子に寝取られて、子供まで産んで、その後夫は行方不明。一体自分は誰が愛してくれるのかと、泣きながら心境を吐露する母親に、一人の哀しい女としての性を感じ取ったプレシャスは、母親を許すのでした。それは母親に隷属していた恐怖心との決別も意味していたのです。親子と孫とも一緒に住もうという申し出には、ぴしゃりと拒否して、プレシャスは初めて自分の意志で、自立を決意するのでした。
これでハッピーエンドかと思ったら、さらに不幸がプレシャスを襲います。もう勘弁してくれ~となきなくなりました。でも自立したプレシャスは、そんなアクシデントも乗り越えていったので、ホッとした次第でありますぅ~。
全編通じて感じたことは、登場人物の多くが愛に飢えていたこと。マイケル・ジャクソンは、ヒーリング・アースと想いを込めて歌いました。今日も世界中のあちこちで、愛に飢えた人が彷徨っています。
プレシャスが、レイン先生との出会って感じた、こころがほこほこするような優しさを提供する人が、沢山いなかったら、この世は愛を貪る飢えた人々の群れとなっていくでありましょう。この映画を見て、小地蔵の胸が痛かったのは、地蔵菩薩の慈愛がまだまだ充分でないこと。地球全体を癒すためには、まだまだ頑張らなくっちゃいけませんねぇ。
ただプレシャス自体は、誰にも愛されないと叫んでいたのに、わが子から愛されいることを発見してからは、そのことが生き甲斐になっていくのですね。やっぱり、愛されていることを自覚すると、大きな力を生んでいくものなのですね。
ところで本作では、プレシャス役の新人女優ガボリー・シディベが、新人とは思えないほどのなりきりようでした。素晴らしい!そして、意外なキャストとして、登場するのがマライア・キャリー。マライアが演じたソーシャルワーカーのワイス婦人役は、普段の歌手としての姿とは別人のように違うノーメイク姿で役に挑んでいたのです。
ちょい役ではありましたが、どん底の主人公を土俵際で支える役柄として存在を発揮していました。救いようのない状況が続いた中で、マライヤの役回りは、確実に観客の心にほのぼのとした安心感を与えてくれました。 これから見る人は、ぜひ注目してください。
これは教育の映画
ケータイ小説なみの不幸の連鎖にびっくり。そのわりにはポップな画もあり、大げさでない映画。マライア・キャリーの役より先生役のポーラ・パットンのほうがプレシャスには必要なので教育の映画。
監督はゲイで、読んでいないがポーラ・パットン演じた先生が原作者を投影したものらしいので、こちらもゲイ(これは劇中で言及)。そのせいか一番の癌である父親に対して汚いものとして扱うより、避けているのが気になる。ただ父親の扱いを大きくするともっと辛いものになるので、これで良いのかもしれない。
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