モリエール 恋こそ喜劇のレビュー・感想・評価
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魅力あふれる喜劇
かなりよい。恋愛、理想と怠惰、自己中と人への愛、強さと弱さ、哲学や感情、いろんな要素があり面白いが、それでいて、バランスがよく軸もしっかりしている。
結果的には、ゆるくラク〜に楽しく観られ、それでいて見終わる頃には気持ちをアップさせてくれるというすぐれもの。わたしは人にもオススメしやすい作品だと感じる。
とはいえ中味は貴族の不倫もの。それでもこの映画のスタンスはなかなかレベルが高い。だらしない人間たちを上から目線で散々笑ってコケにするが、その嘲笑には眼差しの暖かさを感じる。しかも、少し高い心の次元に誘導さえしてくれる。
主人公の劇作家だが、こんなに上手く話を書けるのなら、やはりこの人は喜劇にして正解だったね、と思わされる。なぜならその中味は喜劇とはいえ、中途半端な悲劇より崇高だ、と思えるから。
3人のメインキャラをはじめとする俳優さんたちは見ているうちにどんどん好きになった。
時代の様子が色々わかるのも楽しい。
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喜劇のモリエール
巡業から数年ぶりにパリに戻ってきた若き日のモリエール一座。座長のモリエールは「今度は絶対、悲劇をやる!」と意気込んでいるのですが、王様の並みならぬ喜劇への期待感に、あっけなくくじけてしまうのです。冒頭はこんなエピソードからはじまり、彼のユニークな人物像を中心に、恋の話も絡めてたくさんのウィットに富んだ笑いのエッセンスが詰まった作品です。登場人物がみな個性豊かで面白い。それでいて後半、ほろっとさせられる展開も。彼が生涯、喜劇に捧げたのはこんな裏話があったのかなとか。
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