劇場公開日 2010年9月11日

「深津絵里の存在感」悪人 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0深津絵里の存在感

2022年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

冒頭10分程での引き込まれ方は今観てもすごい。
あまり見ない役所の妻夫木聡が目新しいんですよね。
また役者陣がとても素晴らしい。
柄本明が良いし、樹木希林はいるだけで作品の深みが違ってくるからすごい。
それと何より主演の深津絵里。
その演技もだが存在感が群を抜いている。そしてすっごい可愛いらしい。
彼女の「本気で誰かと出会いたい…」の一言はとても深く、いわゆる出会い系に対する考えを少し改めさせられました。良いか悪いかでなく。
決して安息の時間が訪れることがない二人の時間。それを静かにじっくりと作りあげつつ、終盤の畳み掛けるような見せ方は良かった。
そして辿り着いた最後の場所で朝焼けを眺める二人。
そこから行く場所が無いことも、これからの二人での時間が無いことも、全部理解してしまったとても深みのあるシーンでした。
悪人。その言葉の本質と共に、何時迄も静かに響いてくる作品です。

白波