劇場公開日 2010年9月11日

「音楽が沁み入ります」悪人 美咲さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0音楽が沁み入ります

2020年11月22日
iPhoneアプリから投稿

どこか昭和を感じさせるムードのある、愛についてしっかりと語っていながら、哀愁で包み込んだ映画。
台詞や展開はそう多くないのに、気がつくと妻夫木くん演じる祐一の心の純粋さを私たちも知っていて、そして岡田将生はこんなにも悪人然としている。

自分のことを全部包み込んで受け入れてくれる・幸せを願ってくれる人の存在を、側で感じられることによって、自分にも大切な人ができていく心の移り変わる様
大切な人がいるだけで行動力に繋がっていく登場人物それぞれの決意の瞬間
そういったものが、うまく切り取られた風景や灯台からの朝焼け、さらには私たちに乗り移った感傷や悲哀を撫でるように染み入ってくる挿入音楽によって、非常にまとまりよく描写されていました。

エンドロールを見たら久石譲さんだったので、なるほどやっぱりなと思いました。

美咲