「何でこんなに陳腐かな」ハナミズキ すがさんの映画レビュー(感想・評価)
何でこんなに陳腐かな
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ハナミズキの歌は、アメリカの9.11にインスパイアされた一青窈が書いた自己犠牲と人類愛の曲。「僕の我慢がいつか実を結び」、「果てない夢がちゃんと叶いますように」という平和を希求する歌である。それが、単純な恋愛話にすると、これほど陳腐になるものか、と思わされる映画。
主人公の生田斗真の他、木村祐一演じる中年男が初恋の人ではある薬師丸ひろ子(ガッキーの母親)と結ばれたり、生田斗真の高校時代の友人がずっと好きだった蓮佛美沙子(生田斗真の元妻)に最後は受け入れられたり、それぞれ長く一途な思いが結ばれる、ハナミズキの花言葉である返礼は受けるのだけど、どれも悲しい不幸の結果の延長線上のもので、個人的には素直に受け取れない。
一青窈の歌のモチーフである9.11が、向井理のエピソードを通じて出てはくる。脚本的には難しくなるだろうが、平和を愛する向井演じるフォトグラファーの思いが、死後、時間を経過して多くの人に幸せをもたらすような話を主軸にもってこれなかったのか、という気がする。
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