劇場公開日 2010年8月21日

「いちゃついたり離れたり」ハナミズキ かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5いちゃついたり離れたり

2010年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

拙ブログより抜粋で。
--
 予告編や作品の概要から予想される通りの、いちゃついたり離れたりを10年も引っ張る恋愛映画ですよ、一言で言えば。
 正直なところ、二人がつき合い始める高校時代での“掴み”に失敗してる感があり、紗枝が大学に進学したまでの序盤が少々かったるい。
 いくら紗枝が東京に引っ越して遠距離恋愛になったところで二人の気持ちは基本的に揺るがないから、どうもおじさんの目には、ただいちゃついているだけに見えてしまったのよ。

 物語が動き始めるのは、紗枝の就職活動が始まる大学卒業間近。
 ここで初めて、二人の思いだけでは成り行かない現実にぶち当たる。
 恋愛モノは障害がないと盛り上がらないからね。

 こうなってくると、やっと冒頭の伏線が効いてくる。
 この手の純愛モノは、紆余曲折があろうとも最後は綺麗にくっつくんでしょ、という暗黙の了解がある。
 しかしそれを甘んじて見過ごしていては、恋愛成就の緊張感が削がれる。
 そこでこの映画が取った仕掛け。冒頭で紗枝はなぜ一人旅だったのか。

 その後の顛末は実際にご覧になっていただきたいが、少々かったるかった序盤に比べ、中盤以降、先が読めない緊張感と、単に二人だけのラブストーリーから、少しずつ作品世界が拡がっていく面白さがあって、意外と言ってはなんだが、けっこう愉しめた。

 特に印象的だったのが、予想外のところで不意に登場した薬師丸ひろ子演じる紗枝の母。
 それまでもざっくばらんな母親だったが、ここに来て、この親にしてこの娘という行動力が裏打ちされた。
 個人的には序盤のソリの合わなさ加減に、やや引いて観ていた感があったのだが、ここで一気にギヤが上がった。その後はどんどんのめり込むことに。

かみぃ