「あまりの興奮にパンフ売場へ直行!」イヴの時間 劇場版 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりの興奮にパンフ売場へ直行!
なんだこれ?
なにこのわかりやすさ?
クライマックスなによ、これ!
速攻でパンフ売場に直行しちゃったよ!!
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エンディング曲を歌っていたのが
『空の境界』のKalafinaで
テンションが更に上がったのはあったとしても
全く未見の一観客の心をここまで動かしてしまう
アニメ作品に出会ったのは初めてだと思います。
一部、
ロボット倫理委員会のやり取りの部分に
未見者にとって、わかりにくいところは
ありましたが、そんなの小さなもので、
大勢には全く、影響はありませんでした。
◇ ◇
《 家族・気持ち・感情・アンドロイド 》
舞台は未来の日本。
人間らしく振舞うアンドロイドを
自分の召使として扱う、そんな時代のお話。
話が急展開し始めるのは
主人公リクオのアンドロイド
サミィの行動ログに不審な文字列が
含まれているのを、リクオが見つけたあと。
物語の本番は、ここから始まります。
◇ ◇
以下、なるべくネタバレにならないように
関心及び感動したことを綴っていくと、、、
①アニメなのにシチュエーションムービーっぽい
作品タイトル“イヴの時間”
これはある地下にある喫茶店の名前。
この喫茶店にはルールがある。
「人間とロボットの区別をしない」
現世界では、アンドロイドは人間そっくりのため
人間との違いをわかりやすくするために、アンドロイドの
頭上にリングが見えるようになっています。人間たちは、
それをみて人間かアンドロイドなのかを見分けます。
ところがこの喫茶店。
区別をしない=アンドロイドであっても頭上にリングがありません。
そして、普段は自分の意志を口にはしない
アンドロイドたちも、いつも思っていること
悩んでいることを、ここでは素直に口に出してしまうのです。
②地上と地下のギャップ
主人の意のままに動くアンドロイド
主人などに対し感情を抱いてしまったアンドロイド
地上(現世)では無機質。
ところが裏道沿いにある、
古びたビルの扉をあけ、
階段を地下に降りていくと
地上(現世)では見られない
感情にあふれたアンドロイドがいる。
階段、そして地上と地下の差を使った
ギャップの出し方に上手いなと、唸らされました。
③感動してしまったこと
結局、このギャップが起因します。
アンドロイドには様々なタイプがいます。
例えばリクオが使うアンドロイドはハウスロイド、家事全般。
他にも、保護者のアンドロイドであったり、育児のアンドロイドもいます。
感情を持っているはずのないアンドロイドが
主人である人間に対して、感情を持っていることを知る
あるアンドロイドは主人に元気がないからと
心配をし新しい味のコーヒー豆をもらいにくる
あるアンドロイドは好奇心旺盛でどんなことでも知りたがる
理由を尋ねられると
「だってそうすれば家族のことをもっとわかると思うから」と。
人間が“イヴの時間”という不思議な喫茶店に足を踏み入れたことにより
単にロボットだとしか思っていなかったアンドロイドに感情が芽生え、しかも
それはアンドロイド自身のことではなく、お仕えする主人に対し、人間以上、
いや血の繋がっている家族以上の愛情や、優しさ、慈しみにあふれた思いに満たされているのを知る。
主人の笑顔を見たい
主人に元気になってもらいたい
あるものはヘアースタイルをチェンジし
あるものはロボット法を犯す危険を承知で
声を出してはいけないと命じられていたのに
声を出し、自分の積年の思いを人間に伝えようとする
◇ ◇
すごく単純なことなんですけど、
奇想天外さが薄くて、普通の出来事に見えちゃうんです。
普通の日常の中に起きる
ほんの少しだけレールから外れた心温まる奇蹟
それが、この作品の中には、存在したのです。
☆彡 ☆彡
終わり方を見るかぎり、
続編がありそうですね。
続編も、
是非この世界観をキープしたままでお願いします。
楽しみに期待して待っています(笑顔)