「渇き、心が求めている・・・」渇き ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
渇き、心が求めている・・・
やっぱり、韓国映画すごいです!面白いから日本で公開されるんだろうけど、どの映画も結構はまります。
その中でもソン・ガンホ!!も~、大好きな男優さんです。 なべやかんに毒蝮三太夫をかけあわせたような、決して二枚目とは言えない俳優さんですが、とにかく良い! あの顔でありながら、「シュリ」「JSA」なんかじゃめちゃくちゃカッコいいし、「殺人の追憶」でも渋い演技でぐいぐい引き込んでくれます。「グエムル」でも哀愁漂うお父さんを見事に魅せてくれたし、最近では「パラサイト」の鬼気迫る形相も披露してくれました。
そして本作、もう10年以上昔の作品ですが、牧師でありながら吸血鬼という相反するものを持ち合わせた苦悩をこれまた見事に演じきって魅せてくれます。
そもそもヴァンパイア映画と言えばその超人的な能力から、戦闘モノが多い印象があります。(ラブストーリーやコメディであっても、必ず敵が登場していたような・・・)
でも、本作にその影は無く、しいて言えば自分との戦いかな。
血を飲まなければ生きていられない病気って感じで描かれています。
ヴァンパイア映画のもう一つの魅力として妖艶さってのがあると思いますが、この作品はこっちがメインかな。って気がしてました。
洋画のHシーンはどちらかと言えば、カラッとした感じがして、あっさり見られるんですが、日本とか韓国のそれは、ドロドロとした感じがして、やけに生々しく感じます。(同じ身近な人種だからかもしれませんが)だからって否定するわけじゃありません。いやらしさがビンビン伝わってくるってことです。
今回、改めて見直して、キム・オクビンに魅せられました。
冒頭の綺麗とはほど遠い容姿が、愛を知り、ヴァンパイアに変貌していく過程で、徐々に美しく、妖艶になっていく。今までも何度か見たんですが、そんなこと思いもしなかったのに・・・
とにかくこの映画、この二人の熱演によって、今までは官能的に楽しませてもらってたんですが、今回は、無性に切なくなりました。年取ると、見方も変わってくるんですかね。
特に、最期が辛かった・・・
かなり昔の映画ですが、どのヴァンパイア映画にも当てはまらない、新しい形の吸血鬼映画として、韓国のこのオリジナリティにバンバンザイです!