「これぞ、まさに極上のサスペンス」アクシデント(2008) septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ、まさに極上のサスペンス
第10回東京FILMeX。
コンペティション部門ノミネート。
プロデューサーが大好きなジョニー・トーさん。
主役が『コネクテッド』で大好きになったルイス・クーさん。
これは絶対に観るぞ!!と、
東京国際映画祭の経験を生かし、
チケット発売日午前9時30分から
ファミマのぴあ端末の前にならぶ。
不審そうに見つめる店員の眼を
気にせず居座り続けること30分。
見事10時ジャストにゲットをしました(笑顔)
ちなみに、
初参加の東京FILMeX。
前売チケットが当日に完売したのは、
今作と、最終日の『サースト~渇き~』、
同時開催されている韓国映画ショーケースの
『グッドモーニング・プレジデント』の3作品。
だからでしょうね。
午前中の1本目はガラガラで
まったく映画祭の雰囲気では
なかったのですが、今作からは
大混雑&ガヤガヤとにぎやか&
映画開始を待ちきれない女性客の笑顔が満開。
同ビル内のピカデリーにて上映されている
故マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』会場に
負けない熱気に溢れていました(1階の入口で上映開始
20分前にチケット完売をアナウンスされるも、長蛇の列が
映画館の周りを取り囲んでいました(スゴイ!驚き!!))
☆彡 ☆彡
ジョニー・トーワールド全開だな
わ~~、鳥肌が立っちゃったよ!!
上映終了後、
ソイ・チェン監督のティーチインがありました。
「プロデューサーのジョニー・トー監督とは、
登場人物の性格だけでなく、映画の基本についても
ディスカッションを重ねました。他にも色々とフォローを
してくださって、監督業に専念しやすい環境を作ってくれました」
ジョニー・トー監督に心から謝意を表していました。
あっ、そうそう。
ジョニー・トー監督ファミリー、イコール、
もう一人大好きな太っちょラム・シュおじさんも、
ホットドッグをパクつきながら出演をされていましたよ(苦笑)
◇ ◇
「ストーリーについていけない
との声が多いんです。みなさんは大丈夫でしたか?」
上映終了後、
万雷の拍手が鳴り止みませんでした。
ここでも大丈夫ですよ、との温かい拍手が会場から沸きおこりました。
ただし、監督の言うことは、ごもっともで、
私を含めたお客様たち。大丈夫といっても
個々にストーリーへの解釈は異なっていたはずです。
事実、ティーチインで、
お客様から出た質問に対し、
「みなさんの考えにゆだねます」と
答えをはぐらかす場面もありましたから。
この映画を観て、なにか感じてくれれば、それでいい
目の前で起きたことに対する自分の解釈が常に正しいのか
間違っていることはないのか
他人の意見に耳を傾ける心のゆとりがあなたにはあるのか
様々な問いかけが、
お客様のもとへと、投げかけられました。
構想から完成まで3年。
撮影期間は1年半。それだけの
月日を費やしただけの重みを、
しかと感じ取らせてもらいました。
作品紹介文にあるとおり、
まさに極上の心理サスペンス。
先はまったく読めませんでした。
もっともエンドロールが流れ始めても、
答えがわからなく、鳥肌をたてながら、
どういうことなんだ?と考え続けていたんですけどね(苦笑)
殺し屋という鬱蒼とした
闇社会を描いて描いて描き続け、最後にやってくる
明るい陽光と日食がこしらえる暗闇のコントラスト
この作品を象徴する
最高のクライマックス。
おもわずごくりと生唾を飲み込んでしまうのでした・・・。
☆彡 ☆彡
配給会社欄の記載がありませんので、
日本公開は現時点では未定の様子。
断言はできませんが、これだけの
お客様が集まったのですから、採算は
とれるのではないでしょうか。
配給会社の皆様、
是非、日本でのロードショー公開をお願いいたします。