「どこからどう見てもリスペクトせざるを得ない映画」東京島 loxyoftomsさんの映画レビュー(感想・評価)
どこからどう見てもリスペクトせざるを得ない映画
この映画を見ると、商業映画を作ることの難しさをとても感じます。
あの題材で、脱げない女優さんに出てもらうことの難しさと言いますか…。
そんな障害がある中で、生々しい描写やグロい人間模様を避けて、サッパリとカラッとしたテイスト(まるでお買い物に出掛けるような笑顔で歩く木村多江や、美術の意匠など)で演出されていることがとても面白く、何よりも潔いと感じました。そして、その方針で成功している。
というのも、ああいうキャラクターの人たちって無人島に流れ着いて生活をすることになったとしても、特に意気消沈したりせず、島に「東京島」と名付けることに表れてるように、日常の延長を演じるんだろうなと、逆に真に迫るものがあったように思います。
そしてその日常の延長はいつでも続くわけはなく、最後の最後にプッツンと突然キレて、それがアッという間に伝染し暴徒となってしまう辺りのシークエンスが映え、とてもリアルだなぁと思いました。
あと、窪塚洋介がとても良い!実は今まで、好きな俳優さんではなかったんですが……。あの特有の台詞回しや、身体の妙な動きが、『東京島』では非常にキャラクターに合っていたように思いました。
とにかく、夏が終わってしまう前に、観に行ったほうが良いかと思います。
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