シングルマンのレビュー・感想・評価
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格好いい家に住み、洒落たインテリアに整理された日用品 気遣いも笑顔...
格好いい家に住み、洒落たインテリアに整理された日用品
気遣いも笑顔もジョークも言える一見、完璧な男に見えるが彼の心の中は孤独のみ。
16年も一緒にいた最愛の人を亡くした傷のせいで‥
最後まで丁寧に死ぬ準備をし、完璧だと思った矢先に完璧なタイミングでの学生との出会い。
人生はいい意味でも、悪い意味でも思い通りにはいかない。
バイセクシャルって、パートナーとの出会いが貴重が故に男と女よりも互いの存在が運命的で"最愛"になりやすのかも‥
そう考えると、自殺を考える主人公の胸の痛みが少し察する事ができる気がした。
ストーリーとは関係ないが、最後までクールで美しい映画やった。
A SINGLE MAN
過去・現在・未来。8ヶ月前に最愛の人を亡くして以来、その三点を往来してきたある男の最後の1日が描かれている。彼が居たはずの「未来」が、悪夢から目覚める「現在」に蝕まれてゆく。死を覚悟した男にとっては、彼の居ない未来などたかが知れたものだったのだろうか。そんな折、近しい人からの電話や、自身の聴講生との会話によって、案外こんな日常も悪くないと、これから先の人生に僅かながら活力を見出してゆく、までのお話。
ひとは元来、目に見えない物を恐れる生き物だ。しかしながら、自己の精神状態の安定を図るための材料もまた、目に見えない「愛」なのである。普段は目に見えないけれど、いつだってそこにあるものなのだ。それを知らないままでいることも、ある意味で恐怖ではないだろうか。
あのトム・フォードが監督した映画ということもあり、映像表現のセンスは素晴らしいものでした。他の方も述べられていますが、過去や現在でコントラストが異なる点も面白かった。どの場面を切り取っても画になる、でもただお洒落なだけの映画ではなく、きちんと内容のある素晴らしい映画でした。
シングルマン:この一日を生き抜け
【シングルマン:トレビア】※ウィキペディアより引用
1.トム・フォードが自身でデザインしてミラノで作らせたものは、ジョージ(コリン・ファース)とケニー(ニコラス・ホルト)の衣装のみであり、あとは衣装係のアリアンヌ・フィリップスが担当している。
2.ジョージの家は1948年にジョン・ロートナーによって建てられた実在する家であり、彼がフランク・ロイド・ライトの元から独立して初めて建てた家である。
同じ1960年代を舞台としたドラマ『マッドメン』と同じプロダクションデザインチームが起用されている。
3.エンドロールの最後にて「For Richard Buckley(リチャード・バックリーへ捧ぐ)」と流れるが、これは監督であるトム・フォードの20年以上の長い恋人で「VOGUE HOMME international」の編集長であった(2005年に辞任)リチャード・バックリー(en:Richard Buckley)の事である。
4.映画に登場した犬(フォックステリア)は、トム・フォードとリチャード・バックリーが実際に2人の自宅で飼っている犬である[8]。
【シングルマン:おすすめポイント】
1.さすがグッチやイヴ・サンローランでの活躍などで知られるファッション界を代表するデザイナー、トム・フォードの監督と言わせる映像の美しさ!!!
2.とにもかくにもジョージ・ファルコナー役コリン・ファースが素敵!!
3.ジョージ・ファルコナー役コリン・ファースとジム役マシュー・グッドとの会話がいいなぁ!
【シングルマン:名言名セリフ】
1.ジョージ・ファルコナー役コリン・ファースの名言名セリフ
→「この一日を生き抜け」
→「5ドルやる 僕は年だ」
→「女として不幸なら女を捨てろ」
→「過去を消し去る 完全に永遠に」
2.ニック・ハーレイ役マイケル・ヌーリーの名言名セリフ
→「僕はやだね 自分で」
→「こんなときだけ年をとる」
→「犬はいいよね うらやましくない?」
出てくる物や映像のフィルムが昔のシックな感じてすごく素敵
昔の記憶を思い出す時や彼を想う時コントラストが明るくなったりモノクロになったりその移り変わりがいい
人物の顔や瞳が美しい。やはり外国人は違うね
多くを語らず雰囲気で表している。ありきたりな言葉になるが、「考えるな。感じろ」と言っているよう
内に秘めている誰にも明かせない孤独な男。そっちの方にモテモテなコリン・ファース美しい。誰もが惹かれるのね。
静か
一人の中年のゲイ男性の人生の最後の一日を描いただけの映画というと、それだけですが
コリン・ファース演じるジョージが死ぬほど高いいい男のイギリス人教授というのが凄い。死に装束はウィンザーノットでじゃねえよクソ格好いい。
冒頭の行くことの出来なかった幻想の恋人との分かれから始まり、朝のシーンも凄く格好良くて心わしづかみにされる。
便器に座ってても格好いいんだからコリン・ファースはずるい。
仕事前は時間がゆっくり流れて、過去の回想だけ鮮やかで生々しくて!現実も今もとても空虚で音が遠い。ここで怖いのはジムが死んでなお人にキズを残していくタイプの魅力的な青年だというのが解る事。ジム怖い…。それが、秘書の唇や生徒の綺麗な瞳、スペイン人俳優の唇、色々な生に触れて世界がもう一度色づき始める。死のうと決めた日にどうしてこんなに恋のチャンスが?死の匂いを纏う中年がセクシーだからだよ!!!
自殺のためにああでもないこうでもないと格闘する中年もかわいい。
しかし悲しいかな、生きる意欲を取り戻した時には…って人生はままならねえよお…でもそれでもいまわの際にジムがキスをしにきたのは、ジムに会えたのは、望み通りだったのかな?
瞳が語るよう
コリン・ファースの演技が素敵すぎる一本!!
同性愛だからこその障壁を描きつつ、まさしく“愛”を描くストーリーに合わさる演出効果がいちいち素敵…
初めの口づけを回収するラストのシーン、スーツに身を包み笑顔で去っていくジムは死神のようでもありました…そのジムの青い瞳がとても印象的。
秀逸な人間ドラマ
劇中主人公であるコリン・ファースは、生徒に対して“恐怖”に関する定義を話す。
時はあたかもキューバ危機に瀕し、アメリカ国民の誰しも核戦争勃発を覚悟していた。
丁度北の将軍様がテポドンを発射させ。日本人の誰しもが、その気持ちの悪さを感じた時と同じ様に。
アメリカ国民が一様に南の革命野郎を苦々しく感じていた。
しかし“愛する人”に先立たれ、いつ再発するやも知れない持病を抱える主人公には、そんな恐怖等は通り越した《或る決断》を考えていたのは必然だったのかも知れない。
映画はそんな彼の1日を追う。
全ての準備が整い…いざ…とゆう時に、彼の唯一の理解者である隣人のジュリアン・ムーアの誘いに応じる。
その仕草・行動の1つ1つが、主人公にとっては半ば癪に障る程のうざったい彼女なのだが。当時の社会通念から考えると、彼女の存在だけが彼にとっては大きな支えでも有った。
それまで禁煙していたのに煙草を吸い。酒を飲んではついつい“その計画”を先伸ばしにしてしまう。
そんな彼の元に生徒である若い青年が現れる。
今日の講義に対して意見を交わし合う2人。主人公にとっては、自分と彼との会話のやり取りから「ひょっとしたら!」の思いを徐々に強めて行く。
そして“その思い”はやがて確信へと変化して行く…のだが!
99%の確信なのだが、僅か1%の不安感が彼に新たな《恐怖》を植え付ける。
「もしも万が一、自分の考えが先走っていたとしたら…」
新しい出逢いに興奮しつつも、次の瞬間には「もしも…」の恐怖感でコロコロと表情が変わって行く。
おそらくコリン・ファースでしか体現出来ないであろう、その豊かな表現力に観客はいつしか魅了されてしまう。
グッチ等のデザイナーで知られる人が初めて映画を監督…って事で、始めは色眼鏡的に見ていたのですが。当時の雰囲気から、家の内装・家具・服等を見事に再現。(実際に当時を知っている訳では無いが)
ジュリアン・ムーアとの、2人で踊り・寝転がって語り合う場面での2人の演技のやり取り。
更に画面構成や構図等は忘れ難い場面が多い。これは秀逸な人間ドラマでした。
(2010年10月8日新宿バルト9/シアター9)
一瞬の美しさに宿る「生きてもいいか」が心地よい
デザイナーが映画監督なんて、と侮ってはいけない。
映画ってシナリオやシーンの構図や音楽や芝居を“デザイン”することだから、料理家やデザイナーなど幾つものマテリアルを使って一つのモノをつくりあげるってプロセスに長けている人々がやったって、意外とうまくいくものだ。と思った。
そして、コリン・ファースをはじめ粋な俳優陣のでしゃばらない芝居がいい。
一瞬の美しさのなかに宿る「生きてもいいかな」という切り口(美しい男性のカラダ、飛び立つふくろうなど)が、何気に新しくて心地良かった。
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