「男2人が海に出るのはメタファーか」シングルマン マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
男2人が海に出るのはメタファーか
最後の方に、大学教授と若い学生が夜、海に出るシーンが出てくる。
小説にも、男2人が泳ぐ姿が描かれたことがある。
カミュの「ペスト」。
主人公のリウーと彼が最も信頼を置くタルーが、夜の海に泳ぎ出す美しい場面がある。
夏目漱石の「こころ」。
私が先生の前にはっきりと姿を現すのが昼の海。
浜辺から200mも離れてまわりに人がいない所まで泳いできた先生を追いかけて、私が声をかける。
2つの小説は、同性愛という設定はない。
しかし、強く引き合う、あるいは引き合うことになる男2人が、2人だけで海原で波にたゆたう姿は、特別なものを暗示する。
原作者あるいは監督は、「ペスト」からインスパイアされたのか。
それとも、独立にそうしたイメージが、引き合う男同士を表現するのに湧き出てくるのか。
もし、何か知識がある方がいれば教えていただきたい。
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