「【うだつの上がらない人生を送っていた男がマンUのスーパースター、エリック・カントナ(本人)のアドバイスを受け、再生して行く姿を社会派の名匠、ケン・ローチ監督が描いたヒューマンコメディ。】」エリックを探して NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【うだつの上がらない人生を送っていた男がマンUのスーパースター、エリック・カントナ(本人)のアドバイスを受け、再生して行く姿を社会派の名匠、ケン・ローチ監督が描いたヒューマンコメディ。】
ー 何をやってもうまくいかず、不満だらけの日々を送る郵便配達員、エリック・ビショップ。そんな彼の前に、憧れの存在だったサッカー選手、エリック・カントナ(本人)が突然現れた。それ以来、カントナはエリックにさまざまなアドバイスを送るようになり…。ー
◆感想
・社会派の名匠、大のサッカー好きのケン・ローチ監督が手掛けたヒューマン・コメディ。
- こんな作品も手掛けていたとは・・。侮りがたし、ケン・ローチ監督。コメディ要素を塗しているが、キッチリと冴えない男の人生再生物語になっている。
・エリック・ビショップは30年前に恋仲になり結婚したリリーの前から突如、姿を消す。その理由が少し情けないのだが、要するに自分自身に自信がなかったのである。
その後、当然の如く、彼の人生は下降線を辿る。
- 逃げ癖の着いた人間は、余程の事がないと、元には戻らない・・。負け犬根性が沁みついてしまっているから・・。-
・そんなエリックの前に現れた彼が敬愛するサッカーの名選手エリック・カントナ(本人)。驚き、彼の数々のミラクルなサッカーシーンを興奮気味に語るエリック・ビショップ。
- 面白いのは、実際のエリック・カントナ(本人)のサッカーでの名シーンがそのまま使われている所である。-
・息子2人が、ギャングのザックの手下として、良いように使われ、元妻のリリーからも、当然男として認められないエリック・ビショップ。
だが、彼は憧れのスターである、エリック・カントナ(本人)のアドバイスに従い、徐々に男としての気概を思い出して行く。
<今作の白眉は、エリック・ビショップがカントナに”あんたの最高のシーンは・・”と様々なゴールシーンを語った際に、カントナが言った言葉である。
”点を入れるために、”仲間”にスルーパスを出した事だ・・。”
他にも、
”最も高貴な復讐は、赦す事”
”茨を制するには棘を制す” 等、名言が多数・・。
そして、ギャングのザックを息子2人から手を引かせるために、エリック・ビショップがサッカー仲間達と、ザックの邸宅にバス三台で乗り込み、行った事の爽快さ。
今作は、社会派の名匠で、大のサッカー好きのケン・ローチ監督が手掛けた粋過ぎるヒューマン・コメディである。>