「コメディ? このコメディー映画にはちょっと疲れてしまった。パレスチ...」時の彼方へ ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディ? このコメディー映画にはちょっと疲れてしまった。パレスチ...
コメディ?
このコメディー映画にはちょっと疲れてしまった。パレスチナ人とユダヤ人の問題を軽く冗談で吹き飛ばしているところに面白さをあまり感じなかった。でも、時々、笑っている自分を見つけて、嫌になったが、現実にはこういうことは冗談でなくありえることなんだと思った。トランプ大統領をコメディーや皮肉のネタに使うことに抵抗は全くないが、ユダヤ人とパレスチナ人のジョークにはなんだか抵抗がある。それに、争いをしている状態が当たり前の、生活の一部になって、麻痺しているのにも抵抗がある。
スレイマン(Suleiman)監督がナザレスに住んでいた自分の家族、特に父親Fuad Suleimanを描いているが、監督の父親( Saleh Bakri)の青年期と監督が小さい頃から青年期を経て大人になるまでが描かれていく。
この映画の監督の父親は1948年にイスラエル軍に抵抗した、レジスタンスのグループにいる。殺されそうになったがなんとか助かる。
その後、父親の息子(Suleiman監督)はイスラエルの学校に行っているが先生と政治理念が違うから衝突をおこす。イスラエルに住み、軍のコントロールの中で自分の国のないパレスチナ人にとって政治的見解が違うのはあたりまえだとおもう。
その後、息子((Suleiman監督)が大人になって(Suleiman監督自身が演じている)歳をとったアルツハイマー気味の母親を面倒見にナザレスに帰ってくる。イスラエル警察はとてもSuleiman家にやさしく、手作りのタブリを持ってくるし、皿を洗ったり、掃除をしたりする。(なぜ?私にはわからない。有名な監督が戻ってきたから?)
ウエストバンクのラマラーRamallahではイスラエルのタンクがあるパレスチナ人にガンを向けるが、パレスチナ人は知らん顔(緊張感がなくなり、麻痺してる)他にも、若人がダンスをしているところに、イスラエル軍が『消灯時間だ』と外で放送してもパレスチナの若者は無視して踊り続けている。
予算のなかった映画としか思えない。監督の父親( Saleh Bakri)が歳をとっていっても、髪の毛だけが白くなり、顔には全然シワがないのが不自然だし、カメラアングルも特に工夫したように見えないし、同じシーンを何度も使い回ししたような映画だ。でも、この映画は賞をいくつかとっているんだけど??