劇場公開日 2010年2月26日

  • 予告編を見る

「大人のクスグリを入れたファンタジー」パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大人のクスグリを入れたファンタジー

2010年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

ギリシャ神話を基に英雄ペルセウスの恋と冒険を描いたハリーハウゼン製作「タイタンの戦い」(1981)の現代版ともいえる物語。
デミゴットと呼ばれる半分神の血を引く人間が主人公だったり、能力を引き出すための訓練校があったりと、なにかと「ハリー・ポッター」と比較されるだろうが、本作の特長は話が解りやすいうえキャラクターが明るいことだ。
移動手段がクルマというのも、この手のファンタジーとしては愉快だ。また、ピアース・ブロスナンのケイロン(半人半馬)が下半身を隠すために車椅子を利用したり、ユマ・サーマンのサングラスをかけたメドゥーサというように、大人の観客を対象にしたクスグリは「ハリー・ポッター」にはない魅力だ。
まもなく「タイタンの戦い」のリメイクも公開になるが、パーシー・ジャクソンが救う相手は華麗なお姫様ではなく自分の母親。本作のヒロインはパーシーを痛めつけるほどの剣豪だ。アイテム収集のため立ち寄るのがラスベガスだったり、目を合わせると石にされてしまうメドゥーサを直接見ないために流行のブツを使うなど、とにかく遊びが多い。
主人公が力をつけるスピードが速すぎるのと、アナベスを演じるアレクサンドラ・ダダリオの遠慮がちな殺陣が難点だが、音はいいし、1話できっちり完結した後味が気持ちいい。

続くと言っておきながら製作が中断された「エラゴン」「ライラの冒険」などは、入場料を返してもらいたいぐらいだ。
「ナルニア国物語」第3章はなんとか制作されるようだ。

マスター@だんだん