「予想外に面白かった。」SPACE BATTLESHIP ヤマト 水雲涼子さんの映画レビュー(感想・評価)
予想外に面白かった。
全体:
無駄なせりふが多すぎでは?流れが冗長になる。
CGのできはいいが、やはりセットと小道具が情けない。
艦内の足音は別に音を加えた方がよくない?
こういうのは原作云々ではなくて監督のセンスの問題ではないかと。
「三丁目」は好きな作品なのですがあちらと比較すれば
やはり予算の問題なんですかね。
或は単に監督がヤマト自体にはあまり関心がなかったか?
「戦艦」が好きな監督だったら、もっとヤマト自体の描写に拘ったのでは
ないかと思う。
戦闘シーンは、「ガンダム」のようなメリハリがない。
突っ込みどころは確かに満載ですが、もとの話が突っ込み満載なので
こんなものではないかと。
一世を風靡して多くのファンがいる作品をどう実写にしたのかに
関心があったが、娯楽作品をして見れば面白いと思います。
配役について:
キムタクとメイサについては看板役者なのでどうこう言わないが、
他の役者が・・・と思う。
ブリッジのキムタクの左右の席の二人下手。
その背後のスタッフなんて、一般事務の人みたい。役者?
緊張感盛り上げないです。
原作の島大介は好きなキャラなんですが、緒方はひどい。
メイサを抱き上げた時に、重くてちゃんともてないわ腹はでてるわ
頼むから筋トレくらいしておいて、と言いたい。
役者の気構えの問題ではないですかね。
筋肉質のさっそうとしたタイプの方にして欲しかった。
沖田艦長については、酷評が多い理由がわかる。
私が上手いと思ったのは、藤堂平九朗(地球防衛軍司令長官)の橋爪功。
滅亡が迫った地球の司令官ならさもありなんという風情が上手い。
それと佐渡先生の愛猫。
周りが撮影体制なのに、佐渡先生の横、キムタクの前のテーブルで
平然と毛づくろいしている。
猫であのように周囲を気にせずにいるのは珍しい。
ヤマトのブリッジのキムタクに、シャトルの中の生き残り12名が
胸にこぶしを当てる敬礼をした時に、佐渡先生のこぶしに四肢を当てて
踏ん張っていた。目の前のこぶしが嫌だったのだろう。
これは笑えた。
余談:
アナライザーが組み込まれたロボットが大量のデスラー(?)相手に
奮戦する場面があるが、これは藤子不二雄氏の「21エモン」の劇中劇の映画に、
ロボットが主人である少年を逃がすために多勢の異星人相手に奮戦し
自爆する下りがあり、21エモンのホテルの使用人ロボットが
「自分だけ逃げた」と憤慨する話があるが、このあたりを彷彿とさせる。
スターウォーズよりもこちらが元のような気がする。
「昭和」にこだわりがある監督ならあるかも、と思った。