「なんかいろいろ足りない・・・」SPACE BATTLESHIP ヤマト ヤマケンさんの映画レビュー(感想・評価)
なんかいろいろ足りない・・・
宣伝の情報から結構期待をもって公開初日に見に行きました。私は原作ファンでありますが、偏見を持たないよう、できるだけ「SF映画」の一つとして見に行こうと考え、劇場に足を運んだしだいです。
しかし、映画全体としては一応まとまってはいたのですが、「ヤマト」としても「SF」としても「ヒューマンドラマ」としても中途半端な印象を受けました。
CGなどの特撮は今までの邦画に比べればものすごい進歩だったと思うのですが、興奮して見ていたのはヤマトが地球を飛び立つところまででした。
人間関係を重視した作風と宣伝されていたのに、古代、雪、沖田艦長以外の絡みが随分少なかった気がします。島や真田さんはまだしも、他のキャラクターが人間模様や各々の関係も描かれないまま死んでいったのは悲しかったです。原作を知らない方には、キャラクターのやり取りがかなりわかりずらかったのではないでしょうか。
戦闘シーンについても、宇宙空間での戦闘では、実際にスクリーンに出てくる敵艦の姿は随分少なかったと思うし、戦闘の尺も短いと思います。その短い戦闘と、大して意味のないキャラクターの絡みの繰り返しで、長い旅のはずなのに、時間軸が恐ろしく短く感じました。
戦闘中のキャラクターを映したシーンにおいては、そもそも邦画においては、緊張感のない兵士や、規律を疑う言動や行動、また混乱の中での、現実的では無いやけに人間味のある喜怒哀楽など、そもそも不満は多くあるので、その点で本作をわざわざ非難する必要はないと思います。
ただ、キムタクがどう考えても古代進ではなくキムタクに見えた点は、もう少し役作りやセリフを考えてほしかったと思います。
ストーリーに関しては、原作の実写映画化という形なので、原作である長編のヤマトの継ぎはぎであることは仕方ないと思います。もう少しうまいこと継ぎはぎ出来たのではとも思うのですが。
しかし敵、ガミラスの大幅な設定変更によって、強大な敵、という印象が薄れ、ヤマトの真骨頂だった壮大なスケールの物語が、少しチープになってしまった感は否めません。
尊大な評価ですが、映画としては3点、原作ファンとして、もう少し良く作ってもらいたかったということで、マイナス0.5として評価させていただきます。