「ある意味ヤマトらしい出来。」SPACE BATTLESHIP ヤマト NGさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味ヤマトらしい出来。
我々は何回ヤマトという幻想に裏切られればよいのだろうか?
映画1000円のファーストデーに合わせて公開し、観客動員増を狙ったという現状がこの映画を物語っているという印象。
こういった名作を元にしたリメイクものは、原作を忠実に再現するか、時代に合わせてテイストを残して再構築して全く新しいものを作るかなのですが、今回はあまりにも中途半端でした。
なんというか、どこかで見たようなシーンの繋ぎ合わせ。テンポも悪いし噛み合ってない。
元々、原作になるアニメは30分×26話。総集編としての映画は2時間前後。
2時間ちょっとの尺で作るなら、テーマを一つに絞ってドラマをしっかりと作り込んで欲しかった。
原作アニメの名シーンや名台詞を入れているのは、オマージュなんでしょうが、なんか浮いていて逆にしらけてしまいます。
アナライザー、デスラー、イスカンダルの声優さんもそう。物語が波状していて話に乗り切れていないので、本当はニヤリとするべきところなのだが失笑もの。
全てが悪い方向へと進んでしまっている。
こんな話を作るならば、ガミラスの攻撃によって放射能に汚染された地球を救う為に、一年以内にイスカンダルへ行って放射能除去装置を持って帰ってこなければ人類は滅亡してしまうと言う基本路線を守って全く新しい話にした方が良かった。
悪いのは脚本なのか演出なのか、全てが噛み合ってないというか、何も解っていない感がします。
なんていうのかな? ヤマトの実写版を作るというのではなくて、「SPACE BATTLESHIP ヤマト」という映画を作って欲しかった。
そうやって初めてアニメと同じ土俵で戦える訳で、この作りでは到底アニメ版には勝てる訳がないし、全くもって勝負にならない。
VFX(特撮CGシーン)は頑張っているけれど、日本映画としてはというだけで、30年以上前のスターウォーズに到底及ばない出来。ぱっと見はアニメなんだか実写なんだかよくわからないCGになってます。
セットもちゃちいし、クルーの制服も変。原作を離れて斬新にするか、軍として通用するデザインにするかにした方がいい。
ストーリー展開もダメダメです。
切り札である波動法の連発(すぐ波動法を撃とうとする)。切り札というのは、ここぞと言う時に使うものです。カメハメ波ばかり撃っている悟空だったら、ドラゴンボールは名作にはならないでしょう。
それと何もかもが唐突で、伏線もあるにはあるのですが、伏線が出た途端に展開が読めてしまうという残念な結果に。
ちなみに主人公がムカツクほどにイヤミな人間で、おっさんなのに単純で物事の表面しか見えないとても自分勝手で浅くて薄っぺらいヤツで、とても人望があるようには見えないのですが、何故か人望がある人間という不思議な設定。とても館長代理を依頼されるような人物ではありません。まあ、まんまいつものキムタク様です。
キムタクのドラマが低視聴率を続けている今、このままの芝居でいいのかと映画を観ながら心配になってしまうという不思議な体験をしました。
そして主題がハッキリしないのに、無理矢理にラブストーリーを入れた結果、物語自体が波状してしまった。
仲間を見殺しにして落ち込んでいるヒロインを慰めにきた主人公が、いきなりキスをして押し倒してしまうシーンは上官の立場を利用したセクハラにしか見えなかったし、その後のヒロインの変わりようも酷かった。エンドロールに出てくるヒロインと子供を見た時は、本当に嫌な気持ちになりました。
再入隊したばかりの人間がいきなり戦闘に入るのも突然。館長が倒れるのも突然。主人公に艦長代理を依頼するのも突然。クルーが主人公に「お前のことを弟のように思っていた」と告げるのも突然。主人公とヒロインが結ばれるのも突然。艦長が名台詞を吐きながら死んでいくのも突然。そして最後の特効に繋がる流れで沖田艦長が死ぬシーンは完全に無駄になってしまった。
間にあるはずのドラマが省かれて、原作にある目立つシーンだけを切り貼りした結果、酷い話が出来上がったという感じです。
ドラマがしっかりしていないから観客は映画に集中出来ない。だから粗が目立ってしまうんです。
物語の冒頭、大将である沖田の船を守る為に、嬉々として死んでいく堤真一の場違いな表情が、この映画の全てを物語っていたと言っても過言では無いでしょう。
まあ、劇場を出た後の喪失感は「ヤマトよ永遠に」以降のヤマトシリーズって感じでした……。 そういった意味ではヤマトらしい。
続編がないように祈ってます。
このヤマトはエヴァンゲリオン新劇場版の偉大さを改めて感じさせてくれました。
庵野さんにヤマトのリメイクの話があったそうですが、それが一番見てみたかったですね。
Ethan Huntさん、コメントありがとうございます。
変換間違い多いですね。
チェックしないで投稿してしまい、大変申し訳ありませんでした。
あまりにもくだらない映画を観たおかげで感情にまかせて書いてしまったので、その他に文法等もお見苦しい点がありますことをお許しください。
今後気をつけようと思います。
残念ながら、こちらの書き込みは修正出来ないようなので、このままの文章を残しておくことをお許しください。
この度はご指摘ありがとうございました。
余計なことかも知れませんが、気になったので。
変換間違い、多いですよw。
あと、波状ってなんですか?
はじょう? ひょっとして破綻(はたん)でしょうかw。
日本語って、難しいですね。
ファビオラさん、コメントありがとうございます。
TVヤマト世代で、ヤマトに関するものはほぼ集めていましたが、その話の単行本は初めて知りました。
漫画版と言えば、現在コンビニ版で発売されている「松本零時版」と「ひおあきら版」しか知りませんでした。他に書籍と言えば朝日ソノラマ版の小説位ですね。
変わった話のものは観たことがないので、是非観てみたいです。
こんばんわ。
そうなんですか~、そんなに酷かったんですか~。
興味本位で観に行ってみようかなとおもっていましたけど、
止めます~。
ワタシが小学5年生の時にTVで放送されたんですが、
視聴率が悪くて2クールで終わっちゃったんですよね、ヤマトって。
その後何故か根強い人気で復活してくるんですけど、
中学の時に映画化されたヤマトもそりゃあ酷いものでしたよ。
ただあらすじ流されたような出来栄えで。
ヤマトは松本零二さん原作ですけど、その他に単行本も有ったの知ってます?
道中ガミラスに洗脳された島が真田をシャワールームで殺しちゃうとか、
沖田艦長も殺そうとして、古代に退治されちゃうとか、
凄い内容なんです。
ガミラスの正体はイスカンダル星人が生んだコンピューターで、
軍隊を無限に生んでいく存在だと分かって、最後沖田艦長がヤマトでガミラスに、
特攻仕掛けるんです。
古代と雪が小さな宇宙船で地球に帰ることになるんですが、
沖田が残した人類が生き残る手立ては、身体を改造して今の地球に合わせるしかないということでした。
コスモクリーナーは自分たちの飼い犬だったガミラスを、どうにも出来なくなったイスカンダル星人の地球へのせめてもの侘びだったんですわ。
まあ~、ホントにヤマトって色んなストーリーが存在してるんですよね。