「何もかも皆懐かしい」SPACE BATTLESHIP ヤマト EGGさんの映画レビュー(感想・評価)
何もかも皆懐かしい
子供の頃、本格的なSFアニメに心踊らされた
毎回地球破滅まで後何日という終わり方に物語に引き込まれた
大人、それも中年を超えて老年に差し掛かった今、3DCGの技術革新により実写映画としてリメイクされることに期待が大きかった
大満足とまでは行かないが、日本で本格的なSF実写映画ができるのだと感心した
制作者にヤマト愛、原作アニメへのリスペクトが感じられるのが良かった
古代進がサーシャに出会わないので、そっくりな森雪との神秘的な出会いが異なる
森雪が救護班でなくコスモタイガーエースパイロットという設定は、男女雇用機会均等法施行後、女性の社会進出が進んで久しい今に合っていて良い
ワープの表現が簡単すぎる
誰も宇宙に行ったことがなかった1968に惑星間航行を映像化 した2001年宇宙の旅のように、ワープ中の映像表現が欲しかった
じっくり見せる表現は、現在のデジタル隆盛で離散的表現が当たり前の中では、飽きられてしまうのかもしれないが、現在の最新科学で考えられることを映像表現して欲しかった
ガミラス側にも、人類側と同じ人間性、向こうには向こうの正義がある、人類の戦争との対称で考えさせられることがなかった
人類の進化系としての集合知という設定は良かった
両方を取ることは出来ないので仕方ない面もある
宇宙戦艦ヤマトとさらば宇宙戦艦ヤマトがミックスされたストーリーも、見せ場を絶やさない現在流を感じる
戦争なのに全員生きて帰れるのはリアリティに欠けるのかもしれないが、主要メンバーは生きて地球に帰還して欲しかった
全員が地球に戻れる歓喜の中で、沖田艦長が亡くなる前に残す言葉
「地球か 何もかも皆懐かしい」
に感動したことが今でも忘れられない
この台詞のとき、1978の映像が思い浮かび感動した
トリビュート映画として良かった