「ローラーゲームを知っていますか?」ローラーガールズ・ダイアリー kerakutenさんの映画レビュー(感想・評価)
ローラーゲームを知っていますか?
見、B級のガールズムービーっぽいし、
単なる女の子のスポ根ものみたいに見えたんだけど、
どうしてどうして。
楽しくて、興奮して、共感して、ちょっとホロリとする
とってもいい映画でした。
スケートの練習を延々と見せられるのかと思ったら、
それはほんの最初のうちだけで、
もうすぐにガンガン走りまくります。
私はリアルにローラーゲーム知っているので
ルールはほぼわかるのですが、
「ブロスも何にも知らないで入団しちゃった」
という設定なので、
コーチがとてもわかりやすく説明してくれるのでご安心を。
ローラーゲームって、接触型スポーツなので、
ゲーム中も激しくぶつかり合うし、
乱闘に発展するのもめずらしくないです。
じゃあ、力の強い大女ばかりかというと、
実際は小柄なジャマーが機敏に相手チームの隙間をぬってすべりぬけ、
仲間のアシストやホイップ(手をつないで前方へ押し出す)を受けて
一気に加速し、一挙高得点をとったりする
興奮しまくりのゲームです。
ジャマーというのは、みんなより少し遅れてスタートする「得点ゲット係」で
ヘルメットに★のマークがついています。
小柄で速くすべれるブリスはまさにぴったり!
体力もだけれど、試合に勝つにはそれ以上にメンタルの強さが必要。
これって人生でもそうなんだけど、
このゲームではそれが何の解説がなくても
目に見えてわかるのが面白いです。
彼女の入団した「スカウツ」は万年ビリの弱小チーム。
「当たり屋」「血まみれ」とかみんな過激なニックネームがついています。
「ベイブ・ルースレス(非情)」というのがブロスのこと。
伝説のホームラン王もびっくりのネーミングです。
「あ、こんなところにバリモア監督が!」
カメオ出演かと思ったらとんでもない!
誰よりもハイテンションで滑るわ、殴るわ、血出すわ、の大活躍!
「17歳の肖像」と似ているのは、
共通するのはどちらも家族や友人に愛され、
学校のお勉強もちゃんとする「優等生」なんですね。
それがある日ちょっとした「出会い」があって、
生活が一変する、というのは同じです。
ごく普通の少女だからこそ、伝わるものが多いです。
2作とも甲乙つけがたい作品だけれど、
私はこちらが好きだなぁ~
家族や友人などひとりひとりを愛情持って
ていねいにキャラ設定していて、
「都合のいい悪役」をつくらないこと。
ストーリーにからまない小さなエピソードの使い方が
とっても上手いこと。
脚本もありきたりでなく
ちょっと予測できない気のきいた返答にいちいち感心していました。
(字幕もよかったのかな?)
なんかね、ここに出てくる女子たちはみんな例外なく強くて、
反対に男性たちは、腰ぬけというか、優しいというか・・・
けっこうコケにされています。
そしてきまってMなんですね。
ブロスの恋のお相手オリバーもとってもイケメンだし、
波長もぴったりで、「多少の浮気疑惑は大目に見て・・・」
と思っていたら、ブロスの決断はなんてきっぱりしているの!
もう爽快、爽快です。
「SATC」とかより「女子力アップ」できそうです!