「バレエよりも、ふしぎなおばちゃんのほうが、頭に残っちゃった」ベジャール、そしてバレエはつづく septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
バレエよりも、ふしぎなおばちゃんのほうが、頭に残っちゃった
サクセスストーリーをシンプルに
ドキュメントにしているから、ダンサーや
振付師の気持ちが、真っ直ぐに伝わってくるな
心を打たれるドキュメンタリーだったな(笑顔)
それにしても、隣のおばちゃんは・・・
感想、
まず最後に書いたおばちゃんから行きましょう(そこからなんだ(苦笑))
上映前からパフォーマンスが型破りでした。
満席だとアナウンスをしているにもかかわらず、
何処から持ってきたのか大荷物を自分の隣の席に、ドッカと置いて一席占領。
なんや、こいつ?
上映開始後、前から2列目と、
うしろの座席で鑑賞する人の目線に影響を与える
ポジションにもかかわらず、頭を左右に激しく振る。
なんや、こいつ??
もう映画に集中できない(苦笑)
頭を左に傾け動きが止まったな、、、
そんなおばちゃんのことを忘れて作品を
観ていると、今度は周りの人が顔をしかめるくらいの
高いびきを、轟かせて爆睡。結局、映画が始まって20分くらいしてから、
客電が点灯するまで、ず~~っと、寝ていました。「昔は映画館に寝に来る人もいた」
なんて話を耳にしたことがありますが、1,000円払って寝に来たのでしょうか???
年の瀬に来て、不思議な体験をしてしまいました。
◇ ◇
さぁ、本編へ。
モーリス・ベジャール
私は今作を観るまで知りませんでしたが
バレエ界を超えた様々なエンタテイメントの分野で
名を響かせた著名な人。親日家で歌舞伎を題材にした作品も作ったことがあるそうです。
しかし、2007年11月22日逝去。
彼亡き後、彼の言葉を受け、
バレエ団を率いることになった
ジル・ロマンと40人のダンサーたちが
彼亡き後、プレミア上演される初舞台までの
壮絶な練習や、苦しみ、悩みを映しだしたドキュメントになります。
ジル・ロマン
偉大な師。モーリス・ベジャールと約束。
「ジル・ロマンの振付で作品を上演する」
名前が地下鉄の駅につけられてしまうほど
偉大で、影響を与えてきた人ですから、それは並大抵のプレッシャーではありません。
困難は、これだけではない。
バレエ団の本拠地。ローザンヌ市からの助成金は
これから先3年間だけ確約。そこから先は未定。
つまり、
自分の振付で公演を成功させなければ、
ダンサーとしての自分の名声も失い、
40名の団員を路頭に迷わせてしまい、
偉大な師が作り上げたベジャールバレエ団の歴史に、
自分が幕を下ろしてしまうことになる。
そんな山積した困難の中
初公演を迎えるまでの姿を
過去の名演も織り交ぜながら進められていく。
◇ ◇
ナレーションありません。
亡きベジャールの声、ジル・ロマンや
バレエ団の団員が話す言葉がメインですから、
監督の意図は、あまり感じられず、ドキュメント対象者の心情が
ストレートに伝わってきます。リーフレットに「2010年11月来日」と
デカデカと広告がうたれていますので、鑑賞前から成功は知っているという
怒るべきなのか、笑うべきなのか、なんとも難しいリアクションを求められるのですが、
ラストの万雷の拍手には、素直に胸を打たれました。特に、袖から団員に拍手を贈る、
ジル・ロマンの後姿には、感動すると同時に、首を傾けるだけで感情って表現できるんだな、
なんて、小さな発見もさせてもらいました(笑顔)
☆彡 ☆彡
2010年11月
実際の舞台を観てみたい気もしますが、
来日公演となると、1万円以上はするんだろうなぁ。
Live spireまで待つとしますか。
やるかどうかわからんけど(苦笑)