「行き止まりの世界に生まれて」ケンタとジュンとカヨちゃんの国 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
行き止まりの世界に生まれて
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施設育ちで兄弟のように育ったケンタとジュンとジュンのことが大好きなちょっとウザいカヨちゃんが、北海道にいるケンタの兄の元へと旅するロードムービー。
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2人が働いているのは解体工場で毎日目の前の壁を壊しているのに、壊しても壊しても2人の未来は開けてこない。まさに行き止まりの世界に生まれた2人がどうにか世界をぶっ壊せると信じて兄に会いにいく。
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このロードムービーの終わりには絶対ハッピーエンドなんて待ってないわけで、途中でバイクに乗ってるふたりが『イージー・ライダー』っぽかった。
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これは大森監督の社会の底辺で生きる人間映画なので『タロウのバカ』『光』『ぼっちゃん』に通じてる。汚い部屋とか、生活レベルの低さを演出するのほんと上手い。
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それにしても『光』では兄が弟を殺す話で、こっちはジュンが兄同然のケンタを殺す。大森監督って、弟を殺したくて弟に殺されたくもあるんか?とか想像しちゃう(笑)松田優作という偉大な父がいて、兄弟で俳優をやってる松田翔太っていうのも大森監督と似たような境遇だしね。
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