「私たちが望むものは」ケンタとジュンとカヨちゃんの国 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
私たちが望むものは
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誰とでもセックスする女カヨ(安藤)。そんな女の子でもしばらく一緒にいたら愛情がわくだろうな。だけど、旅の途中で彼女の金を盗み、置いてけぼりにしてゆく。ちょっと痛かった。しかも、その後はおっさんの車に乗っていたから、体を売ったのだろう・・・
網走の刑務所へ兄に会いに行くという明確な目的があるケンタ(松田)。ただ彼についていくことで自らのアイデンティティを見つけようとするジュン(高良)。社会から疎外されたと感じている様子と、日頃の鬱憤を何にぶつければいいのか探しているようにも見える。
ケンタは常にジュンとは違うと言ってた。それは単に、未来、光、鬱屈した世から逃げ出したいともがいてるケンタと、何をすればいいのかわからないジュンとの違いだろうか。兄(宮崎将)がロリコンとしてパトカーで連れ去られようとしたとき、原付バイクでパトカーに向かっていった姿と、終盤に、拳銃を向けた裕也にバイクで向かっていった姿がダブってくる。壁を壊す“はつり”という仕事も、そうした向こうにある未来を求めていった姿の象徴なのだろう。
さらに終盤、キャンプファイヤーを楽しむ若者たちと喧嘩になり、ジュンはケンタに向けて発砲してしまう。そのあたりの心境はちょっと理解できなかったが、エンディングの「私たちの望むものは」(歌:阿部芙蓉美、作詞作曲:岡林信康)というテーマ曲ですべてが氷解したように思えた。
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