劇場公開日 2009年12月26日

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「権力闘争の後の幸せ」ヴィクトリア女王 世紀の愛 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0権力闘争の後の幸せ

2013年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

幸せ

総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 75
ビジュアル: 80
音楽: 75

 宮廷の貴族の生活は優雅だが、権力に憑りつかれた人々の醜い争いの場所でもある。原題は「The Young Victoria」であって、邦題の持つ印象と異なり恋愛だけの映画ではない。だが恋愛物語でもある本作もそのような一面をしっかりと取り上げて、王女の自由恋愛を単純に描くようなことをしていない。相手の腹を読みあい作戦を立てて生き抜いていかなければならない。王女の下にある、当時の最強帝国であるイギリスを支配出来る権力を巡っての、周囲の絡み合う思惑がとても興味深かった。それと同時に、一人の人間としての王女の生き様がまた面白い。長い人生と在位を圧縮しているので物語があちこちで飛んでしまってわかりづらい部分もあるし、綺麗に描き過ぎかなとも思うが、女王として生きながらも人としてのヴィクトリアの幸せが伝わる作品であった。
 豪華な貴族の建築と衣装が映像を美しくしているし、それに組み合わされるクラシック音楽が映像を格調高いものにしていた。

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Cape God