死にゆく妻との旅路のレビュー・感想・評価
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今日は仕事で七尾市へ行ってきました
「おっさん」「おかあさん」と呼び合っていた2人。いつしかひとみは「名前で呼んでほしい」と頼み、「ひとみ」と呼ぶようになる久典。借金からの逃避行、そして住み込みでの職探しのため、加賀市、東尋坊、姫路市、愛知県各所、そして高岡、氷見へと旅は続いた。自己破産すればいいと親戚から勧められても「格好悪い」と断った。自己破産、生活保護等、生きる術はあるにも拘わらず、拒む人が多い現実をも物語ってる。
「これが初デートやね」と、結婚生活20年も経つのにどこへも連れていったことがなかった久典。手持ちの金は50万ほど。ワゴン車での車中泊で各地のハローワークや、直接旅館やパチンコ屋などへと職を求め走る。フィリピン人との浮気発覚。それでも許してもらった久典。
妻ひとみは3か月したら癌が再発するとまで医者に言われていたが、久典はそれを隠したまま。しかし、ひとみ本人は痛みをこらえられなくなってくる。病院には戻りたくない!と、ひとりぼっちにされるのが嫌なのだ。氷見で救急病院に駆け込んだに、逃げてきてしまうところが痛々しい。七尾に帰ろうと思えばすぐの氷見市。やがて雪の降る季節となった・・・
9か月に渡ってのワゴン車での旅。終焉は妻の死。車の中での安らかな死であった。久典は保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕される。登場時間も少なかった沙織(西原)がなぜか最後に「お父さん!」と叫び、久典を正気に戻した・・・え、娘だったのか・・・
【2012年ケーブルテレビにて】
石田ゆり子が美しすぎて、物語がボヤけてしまうという悲劇。
1999年、保護責任者遺棄致死の罪で逮捕された清水久典の手記を元に描かれたヒューマン・ドラマ。
借金取りから逃れるため、ワゴン車に乗り妻と2人で逃避行を続けながら職探しをしていた久典だが、やがて妻の癌が再発してしまう…
死を覚悟し、最期まで夫と旅を続けたいと願う妻と、彼女の我儘を受け入れる久典の姿を描く。
久典の妻、ひとみを演じるのは『黄泉がえり』『サヨナライツカ』の石田ゆり子。
目を逸らしたくなるような生々しい現実を突きつけてくる、鑑賞による爽快感ゼロの苦しい映画。
最悪のクライマックスが待っていることを知りながら、そこに突き進んでいくストーリーを見届けなくてはいけないツラさ…
どんどん追い詰められていく夫、久典を演じる三浦友和の演技は流石。
自分の置かれた現実から逃げ出してしまうダメ男を完璧に演じていたし、だんだんとお金が無くなり、薄汚れていく感じをよく表現していた。
妻、ひとみを演じる石田ゆり子はとにかく美しい。
薄幸の妻という感じは伝わってきた。
観る者の心にドスンと響く、パワーを持った映画であることは間違いないのだが、今一つ惜しいという感じもする。
現実に起こった出来事を描いているのに、何処かリアリティに欠けているような気がする。
というのも、石田ゆり子が美しすぎるんじゃーーー!
あんな美人なカミさんが、あんなダメオヤジにベタ惚れって…あり得るのか!
石田ゆり子は、既に結婚している娘を持つ母親を演じている。娘には子供がいるので、つまり石田ゆり子はおばあちゃんなわけだが、あんなおばあちゃんがいるか!?
娘と並んでも姉妹にしか見えなかったんだけど。むしろ娘より若く見えたんだけど。
とまぁ、ほとんどイチャモンなんだけど、やっぱり石田ゆり子だとこの役にはミスキャストじゃないかなぁ。
ホームレス生活していれば、当然ボロボロになっていくと思うんだけど、石田ゆり子じゃ全然そう見えない。いつまでも綺麗なまま。
危篤状態なのに、もうダメ死にそう…っていう感じが伝わってこない…。まぁこれは石田ゆり子のせいというよりは演出やメイクの問題かもしれないけど。
シナリオもどうだろう…
久典の行動も、ひとみの行動もやはり常軌を逸しており、とても共感できそうにない。
映画は終始、久典とひとみに焦点を当てて描かれていたが、例えば両親を探す娘の視点や、この事件を捜査する刑事の視点を交えつつ、久典とひとみの考えや行動を探っていくという構造だったのであれば、彼らに感情移入出来たのかもしれないとも思った。
初めて観たはずなのに、どこか既視感がある…
ダメな男と、それにどこまでも付き従う女…
あ、『火垂るの墓』だ。作物盗んだりするし…
実写版『火垂るの墓』だと思って観ると良いかもしれません。
若しくは、石田ゆり子のアイドル映画だと思って鑑賞すると、とても良い映画。
彼女がとても魅力的。とても40を超えた実在の人間だとは思えない。
実はひとみは久典の想像上の人物だった…
という展開だったら極上のサスペンス映画になったかも、とか要らんことを考えながら鑑賞してしまった。
やっぱりこういう暗い映画は好みじゃないな〜(>_<)
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