十三人の刺客のレビュー・感想・評価
全35件中、1~20件目を表示
このさじ加減が個性なのか、バカなのか
全国公開で時代劇で有り得ないグロいシーンもあれば、じい様やガキに媚びた所もあったり、わさと客に肩透かしさせようとしているところもある。アクションシーンは伊原のところがやはり興奮するが、13人のうちほとんど無個性なのに、なんでこぞって死ぬ前に皆一言垂れさせるのかねえ。松方さんはりきりすぎ、三池さんやっぱりわざとですか?役所さん好演。稲垣さん役得。
戦闘シーン長い
...............................................................................................................................................
まもなく江戸幕府の老中になる予定の殿様が悪かった。
暇つぶしで人を殺すとかを平気やりよる。
人を人とも思わないそのやり方に役所達が世直しで立ち上がる。
少数精鋭の人を集め、最終的に13人になり、殿様一行を襲う。
そして殿を殺す。役所は死ぬが2人が生き残った。
...............................................................................................................................................
オリジナルは名作と名高い映画だが、あまり良くわからなかった。
当時としては斬新だったのかも。そう感じないのは目が肥えてしまったからか?
ストーリーもシンプル、何のひねりもない。
そのあたりが王道って事なんかも知れんけどね。
そもそも映画を見る目のないおれの採点は星2つ。
あと斬られた首が転がるシーンがショボ過ぎ。
殿様が腹心の首を蹴飛ばすシーンもあるが、同じくショボ過ぎ(場)
これらのシーンはオリジナルを尊重して同じようにしたって事かな?
それにしてもKYな殿様やった。
部下達が命を張って自分を守ってくれてるのに平然としてるし、
一騎打ちを見て風流やとかホザいたり、
死ぬ直前は、今日は今までの人生で一番楽しかったとか言うし(場)
稲垣の怪演といったところか。
ってか、チャンバラシーンが長くて50分もあるんやが、
普通は殿はその間に護衛の者と安全な場所へ逃げるでしょうに。
予々観たかった作品。期待に違わずめっちゃ面白い映画でした!劇場で観たかった!!【長文要注意・笑】
コレだよぉ!観たかった映画はこういうのなんだよぅ!
役所広司さんが主演というだけで、これはもうハズレの目はないと思い。
そしてあの『ゼブラーマン』『ラブパトリーナ』を手掛けた、三池崇史さんが監督ということもあり、予々観たいと思っていた作品です。
で、このたびレンタル落ちの中古DVDを購入しての視聴です。
まずね、ガク((( ;゚Д゚)))ブル ってなったのは。暴君・斉韶(なりつぐ)の所業なんですよ!
斉韶の慰み者とされていた女性の容姿が気の毒にも、完全にホラーじゃないですか ガク((( ;゚Д゚)))ブル
↑
私の女装メイクもたいがいホラーやんか…(^_^;
あのシーン、本当に驚いたのね。「俺は何を見ているんだ?」みたいに。
残酷の極みのCGすげぇ。
「えっ、今観てるのって勧!善!懲!悪!物の時代劇ですよね?
(。´・ω・)?ホラーじゃないですよね?」ってなっちゃうくらいインパクトあるの。
一揆を企てた一家の長へ見せしめとして、基地外によって家族全員を惨殺された上に、四肢を切断され、舌まで抜かれた娘のビジュアル、哀れすぎる…
「して、家族はどうなった?」問う役所…ジャナイ!新左衛門に対して、涙と血の鼻水を垂れ流しながら口に咥えた筆で「み な ご ろ し」と、ぐしょ濡れになった紙に書くの(さすがPG12指定。やるじゃない)
↑
そしてココ伏線だから心憎いの。
その敵役の暴君・吾郎…ジャナイ!斉韶ですよ。
しょっぱなからめっちゃすげぇ基地外っぷりを発揮してくれるの。
「これでもか!これがええのんか!これが!」みたいに。
まさに基地外にポン刀deathよ!
なので導入部から、すでに「斉韶には何をやっても許される!殺ったれ!」みたいな風潮が出来上がっているんdeathよ。
鬼畜っぷりとは裏腹に、稲垣吾郎さんの感情を抑えた静かな怪演が光まくってるの。
で、リアル斉韶さん。いつものようにWikipedia先生にお伺いを立ててみると、どうやら歴史に実在したリアル人物なの。
そしてあんなド外道じゃなくて、ごくふつーの人だったっぽいの。
崇史謝って
斉韶さんに謝って!
で…映画のお話の概要は以下の通りです。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
天下の将軍の異母弟で、暴虐非道の明石藩主松平斉韶の基地外っぷりがひでぇのなんの!
↓
藩の江戸家老間宮図書は「どないかしてくれ!」と老中土井大炊頭屋敷前で斉韶への直訴の切腹でお亡くなりに。
↓
中間管理職員侍の間で、さすがに「どないかせなあかん!」と話し合ったけれど、社長(将軍)の鶴の一声で、斉韶にはお咎めなし←将軍も鬼かよ!
↓
斉韶の老中就任が来春に内定していることを知った大炊頭。斉韶は、もう屠ってしまうべし!と決心する。
↓
そんで御目付役の島田新左衛門を呼び出して「殺ってしまえ」と。
↓
新左衛門は斉韶を討つべく仲間(刺客)を集める。一方の斉韶に仕え、かつ新左衛門の知己朋友・鬼頭半兵衛は彼の動きを知って「それはまかりならぬ!」と妨害工作に打って出る。
↓
十二人となった一行は、かつて息子とその妻を基地外に戯れで惨殺され、すげぇ遺恨を持つ尾張家木曽上松陣屋詰牧野靭負に協力してもらって、参勤交代帰国途上の中山道落合宿にてド外道・斉韶を狩ることに決める。
↓
落合宿に向かう道中の山中で出合った山の民のすげぇタフガイの小弥太を仲間に加えて十三人となった一行は落合宿を大金で宿場ごと買い取り、様々な罠を仕掛けて要塞化。鬼畜・斉韶一行を待ち構える。
↓
一方の基地外側は予想を遥かに超える、すげぇ大群を用意してきたから、さぁ大変!落合宿にやってきた鬼頭半兵衛率いる三百名の軍勢と新左衛門ら十三人の刺客が今激突する!
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ざっとこんな感じ。Wikipedia先生安定の仕事っぷり乙。自分駄文安定のクズっぷりdeath
メインキャラクター側の十三人はどんな勇士なのか、どうやって集めるのかがお話の興味ある部分。
松方弘樹さん、井原剛志さん、山田孝之さんといった堅実なキャスティングで、これは安定の名画だわと思って安心して観ていられたです。
井原剛志さん演ずる剣豪の九十郎、いかにも戦国の武士っぽくてかっちょええ。
そうして割とあっさりと十二人の勇士は集まっちゃったのね。
あとひとりは伊勢谷友介さん演ずる山の民・小弥太。
『七人の侍』での菊千代的ポジションの勇士なので、活躍の期待大なの。
勇士を集める件を、過不足なく描いてくれていてよかったの。
欲を言うなら、もう“ほんの少しの”掘り下げが欲しかったかな。
山田孝之さん演ずる新六郎のパートが、かっちょええのね。
「すぐ帰ってくるさ…だが、もし遅ければお盆に帰ってくる」とか。
「本気の博打なら、張れるものはひとつしかありません!」だとか。
こんな感じで。
でも、最後の壮絶な決戦50分(マジか!)を含む2時間20分の尺だから仕方ないか。
(物語の三分の一以上が決戦シーンとか!マジぱねぇ!)
すぐに、べらんめぇ調の喋りになる松方さんが、『仁義なき戦い』を思わせて面白いw
クライマックスの合戦の迫力すげぇの何の!
火薬で家ごと爆破するシーンなんて、長屋セットリアル崩壊ですからね。
Wikipedia先生によると、村のセットは東京ドーム20個分の広さらしいのね。
東京ドームの仕事っぷり万能かw
数々の策略にはまってヘロヘロになった半兵衛率いる兵士群と基地外・斉韶に向けて新左衛門が、ドーン!と見せつけたのは
四肢を切り落とされた娘の書いた「み な ご ろ し」の紙なのね。
ここ、本当に背筋がゾクゾクするの。カタルシス大爆発の予感!
早々に小細工を捨てた十三人の刺客vs悪党残り二百数十名の武士たちの壮絶な斬り合いですよ。
新左衛門が狼煙を上げる通りに「斬って斬って斬りまくれぇ!」の合戦ですよ!
かの『七人の侍』の総天然色&十三人ver.ですよ!
こりゃぁ、興奮するなったって無理な話ですよ!
斬り合いってか、もはや戦国の合戦さながらの“喧嘩殺法”なわけですよ。肉弾戦のド迫力満点なの!
「刀が無いなら棒を使え!棒が無ければ石を使え!石が無ければ拳を使え!」マジそんな感じ。
火を背負って突進する牛さんのカット以外は、CGなんて無しっぽいリアル肉弾戦ですよ!
十三人がそれぞれに見せ場ある獅子奮迅の大活躍ですよ!
手に刀持たずの小弥太もユーモラス交えながらの大奮闘ですよ!
私大興奮ですよ!(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾ウレシー!
ですが、多勢に無勢、やがて十三人は凶刃の前に一人、また一人と命を散らせていく訳です。
50分もの尺の決戦ですからね。倒れていく勇士たちの最期を丁寧に描いてくれているの。
このあたりも、それぞれの見せ場が本当にかっちょええ。
で、基地外は基地外で(これもう止めようよ…)窮地の中で名言吐くんですね。
「死が近づけば、人は生きることに感謝が生まれる。無駄に生きるだけならこの世はなんとつまらぬところか」
でも、やっぱりこいつ頭おかしい。
そんな名言からの…
「そうだ半兵衛、よいことを思いついた。余が老中になったあかつきには、再び戦の世をあらしめることにしようぞ(笑)」
↑
とことん基地外の面目躍如←だから!
さすがの半兵衛さんも「こいつ…頭ウジ湧いてるんとちゃうんか…」みたいに、ぽっかーんと呆れ顔。
そして、なんと!総勢三百余名の斉韶一行は、十三人相手に壊滅!
胸スッキリ!
最後は生き残った新左衛門と、知己の仲の半兵衛との一騎打ち。
新左衛門は新左衛門で、天下の御政道のため、斉韶を倒すことに命を賭して戦いに挑んだわけですね。
一方の半兵衛は半兵衛なりに、武士として主君を守るため命を懸ける覚悟で戦いを受けたわけですね。
立場は違えど、同じ侍として生きる旧友同士の一騎打ちですよ。
己の誇りを懸けた胸熱の名言の応酬なんですよ。
書ききれないからパスしますね。詳しくは作品まで!
そんな胸熱の戦いを前にしても、基地外は「一騎打ちとは風流じゃのぅ」ですよ。
戦いに勝った新左衛門は「あの世で待っていてくれ」と、旧友・半兵衛の首をはねるんですね。
その首を、足元の邪魔者をそうするが如く、さも当然のように蹴とばす基地外!
誰か!早くコイツ殺って!斬って!
もはや助けてくれる配下もいなくなってしまった基地外を前に、新左衛門、またもや胸熱の啖呵!
ここは本当に背筋ゾクゾクしたの。詳しくは作品まで!
女装趣味があるとはいえ、大和男として生まれてきた私ですから「男子とはかくあるべし!」って思うのね。
一方の基地外は、窮地・オブ・窮地に陥っても、くっそ憎たらしい手前勝手な屁理屈吐くのね。
早く殺って
基地外の首はねて!
新左衛門そんな基地外の土手っ腹を本差で貫くの。
基地外、血と泥にまみれて這いずりながら、事ここに及んでやっと人らしい言葉吐くの。
「余は…死ぬのか…怖い…怖い!怖い!(泣)」
↑
ヾ(@゜▽゜@)ノメシウマ!
なのに、この基地外、最後の最後で意外と良いこと言うのね。
「島田とやら…礼を言うぞ。今まで生きてきて…今日という日が一番楽しかった」
三池さんとやら、礼を言うぞ。私もこの映画観てきて本当に楽しかった
*・'(*゚▽゚*)'・*ウレシー
とどめの一太刀で基地外の首をはねた新左衛門さんグッジョブ!
跳ねられた基地外の首はごろんごろんと長屋の厠の中へw
↑
ヾ(@゜▽゜@)ノザマァ!
満身創痍で倒れ伏した新左衛門「侍とは…本当に面倒なものよ…」と最期の言葉で息絶えちゃうの。
結局、そんな修羅場を生き延びてきたのって「すぐ帰ってくるさ…だが、もし遅ければお盆に帰ってくる」
って言ってた山田孝之さんと「おまえ、不死身かよ?」の伊勢谷友介さんのふたりっきりなの。
友介さん、頸動脈あたりを脇差でブスリと刺された上に、腹まで斬られていたのに、てんでへっちゃらなのが笑えるw
重厚なエンディングテーマも「大変美味しゅうございました」のフルコースディナーの締めのエスプレッソみたいな?
そんな感じのエンドクレジットに乗せて流れてくるの。
最高だよあンた!(三池さん) ハズレもそこそこ多いけれど(笑)
これ、本当に映画館で観たかったなぁ。女装遊びで行く街の名画座で、リバイバル上映してくれないかなぁ。←男の姿で行くよ!こんな“漢”っぽい映画は!
劇場で観逃した自分残念無念!
そして今回も女装ネタぶっこむ自分も残念すぎる…
役所広司さん演ずる侍といえば、もうすぐ公開の『峠-最後のサムライ-』がめーっちゃ楽しみなんですよ。昨年からずーっと。
主役級俳優さんてんこ盛りですからね。観に行きますとも!
さてさて、どんな作品になってくれるのかな?
男たちの命を賭した熱い戦い
映画ファンとしても有名なライムスターの宇多丸さんが「数年ぶりに大満足で映画館を出た」「リメイク作品として大正解」などと大絶賛していたのを聞き、是非観てみたいとDVDをレンタルして鑑賞いたしました。
ちなみにオリジナル版は未鑑賞です。
結論としては、「若干の不満点はありつつも大満足の一作」という感じ。
役者陣の演技はもちろんのこと、オリジナルの映画からの改変によって生まれるカタルシス、現代の映像技術でより迫力を増した戦闘シーン。
「なんでわざわざリメイクしたんだろう」っていう作品も非常に多いですが、この作品はきちんとオリジナルの面白さを現代の技術でブラッシュアップしたリメイクとして正しい姿の作品だと思いました。
・・・・・・・・・
将軍の弟である松平斉韶(稲垣吾郎)は民を虐げ私腹を肥やす悪逆非道の暴君であった。暴君・斉韶を止めるために、彼を討つ作戦が秘密裏に進められ、御目付役の島田新左衛門(役所広司)がその命を受けた。仲間を集め、参勤交代中に斉韶討伐する作戦を立てる島田であったが、かつて同じ道場で鎬を削った旧友である鬼頭半兵衛(市村正親)が島田の不審な行動に気付き、斉韶の腹心として島田の前に立ちはだかるのであった。
・・・・・・・・・
多くのレビュアーさんが絶賛していることですが、とにかく暴君の松平斉韶を演じる稲垣吾郎さんの怪演が素晴らしい。稲垣吾郎さん自身のイメージも手伝って、パッと見は二枚目で知的な雰囲気があるのに、その実、人間として決定的に何かが欠落しているような、頭のおかしいサイコパスっぽさが滲み出るような素晴らしい演技。「この男を討たないとこの国は終わりだ」というのが観客にもありありと伝わってきますし、だからこそ刺客たちが行なう斉韶討伐にもカタルシスが生まれます。
また、オリジナルには無かった四肢を切断された女性が書いた「みなごろし」の書が伏線となり、物語の盛り上がりどころで効果的に使用される場面。ライムスター宇多丸さんも「こういうの観たくて俺は映画観てるんだ!」とテンション上げて語るほどに、私も含めた観客の「アガるポイント」でした。
かつての旧友であった島田と鬼頭が対立する形で再開し、お互いの「武士とは」という持論をぶつけ合う展開も素晴らしかった。「斉韶が国政に加わったら国民が大変なことになる」というのは共通認識として持っているのに、民衆のために斉韶を討とうとする島田に対して、鬼頭は「いかなることがあっても武士は主人に仕えるもの」という信念の元に立ちはだかってきます。現代ではおよそ考えられない思想です。二人の信念がぶつかり合い、知略を巡らせた戦いが繰り広げられるのは実に見応えがありました。
ただ、正直不満点も無いわけではないです。
せっかく参勤交代のルートを予測し、先回りして町ごと買い取って、斉韶率いる一団を迎え討つ要塞を作り上げていたのに、敵を罠でちょっと数を減らしたら後は作戦も無くチャンバラを繰り広げるというのは「無策過ぎでは?」と思ってしまいました。もちろんチャンバラシーンはアクロバティックで実に見応えがありましたが、せっかく町ごと買い取って町民も総出で町を要塞化していたのに、用意していた罠はあれだけだったのは少々違和感があります。それまで何度も「たった13人でどうやって数百の兵を倒すか」という思案を巡らすシーンがあるのに、結局最後は大人数相手にチャンバラ。そしてそのチャンバラシーンもめちゃくちゃ長い。映画の上映時間の3分の1、約50分に及ぶチャンバラシーンは「カッコいいし迫力満点で見応えある」と思うと同時に「長くてダレる」と思ったのも正直なところ。
まぁ、上記のような多少の不満点はありますが、この映画全体の面白さに比べたら些末なものです。本当に面白い映画でした!オススメです!
全身がたぎる、ラスト50分の死闘!
DVDで鑑賞。
オリジナル版は鑑賞済み、ノベライズは未読です。
新左衛門が刺客を集めるシークエンスは「七人の侍」を彷彿とさせる出来で、刺客の面子も豪華。特に松方弘樹は居るだけで安心感があり、偉大な俳優だと改めて感じた次第…
殿様(稲垣吾郎)の残虐非道ぶりが凄まじい限りでした。どう云う育てられ方をしたらこんな極悪人になるのか不思議でならない。老中になったら日本は地獄になること必至…
老中・鬼頭半兵衛の苦労は並大抵ではないですがそこは武士、最後まで主君のために動こうと云う心意気がすごい。その忠義を簡単に踏みにじった殿様もある意味すごかった…
やはり白眉はクライマックス、13人対300人の死闘。そこへ至るまでのテンションを高めるストーリーも流石だし、やはりダイナミックなチャンバラが時代劇の醍醐味!
「斬って斬って、斬りまくれっ!」の号令一下、敵味方が入り乱れる壮絶な戦いは今まで観た時代劇の殺陣でいちばんの迫力。血飛沫飛び交うエグさがなんとも言えず良い!
円熟の刀捌きを見せた松方弘樹をはじめ、刺客たちそれぞれに用意された壮絶な死に様はカタルシス満載。刺客たちの挟持と生き様がこめられた激闘に体中がたぎりました。
※修正(2023/03/24)
評判ほどは・・・
確かに三池監督らしい毒のある作品である。
ただ、稲垣のキャスティングだけ、いただけない。あの役はもっとサイコパスをオーバーに出し切る役者じゃないとダメだと思う。どこか”ジャニーズ”さを引き摺っていては演じきれない。稀代の”悪魔”感をさらけ出さないと、あの作品には似つかわしくない。
黒澤監督の「7人の侍」以来の大傑作で間違いなし!
日本映画史上最凶の悪役 稲垣吾郎に拍手喝采したい!!
久しぶりに三池崇史監督の侍映画「13人の刺客」を見直した。
先日鑑賞した元SMAPの3人の映画、「クソ野郎と美しき世界」が面白かったので観たくなった。
はっきり言ってこの「13人の刺客」は過去20年で最高の時代劇映画、侍映画と思う。
つか、黒澤監督の「7人の侍」以来の大傑作で間違いなし!
そんな大傑作たらしめてる最大の要因が、非道極まる将軍の弟、明石藩主・松平斉韶を演じた稲垣吾郎さんだった。
怖すぎるよ、吾郎ちゃん...
当然、役者陣はみなさん素晴らしい演技です。主演の役所広司さんをはじめ、松本幸四郎さん、松方弘樹さんなどの大御所俳優から始まり、中堅どころの沢村一樹さんや伊原たけしさん、光石さんが脇を固め、更に若い世代の山田孝之さん、伊勢谷友介さん、さらにその下の世代である、窪田正孝、谷村美月と、幅広い年齢層の役者たちが勢ぞろい。その全員が素晴らしい演技を見せています。
個人的に好きなのが、真の侍、ラストサムライ的なかっこよさの伊原たけしさん。腕っ節のみが頼りの流浪人という役ですが、あの眼光!弟子窪田正孝との関係も良かった。
しか〜し!! 吾郎ちゃんがぜ〜んぶ持って行っちゃった!!!早く死ね!死んでしまえ〜〜!って願う程、まじキチガイな快楽異常者を見事に演じてる!!
「山猿の骨は硬いのぅ」といって家臣を切り刻むんだり、子供を嬉々として矢で串刺しにしちゃったり、名もなき娘の四肢を切り落として弄んだ挙句、飽きたら道に捨てちゃったり。
んっと、吾郎ちゃんアイドルよね?残虐すぎ、鬼畜すぎの悪魔を演じてますけど、大丈夫???本気で今後の芸能生活危うくね?って心配になるほどの名演!狂演!
四肢を切り落とされた娘が、筆を口に加えて(舌を切り取られた故)書いた「みなごろし」の文字。怖すぎて直視できません。。。
終盤の40分は、「13人 vs 最凶の暴君」。斬って斬って斬りまくるだけ。それがシンプルに面白い。緻密なカット割りや
カメラワーク、血ノリがリアルでした。
唯一の減点ポイントは、牛が暴走するシーン、CGがショボい...この作品で唯一の残念なところですかね。
後は音楽も素晴らしかった。不穏な雰囲気にあってましたね。
まあ、とにかく海外でも評価高い本作は、ゴローちゃんの狂気的演技が傑作にしてますねー!
ここまでの悪役はそういません。
久しぶりに見たけど大満足。大人も子供も楽しめる映画です、はい。人によっちゃあ、「グロいだけ、、」て思うでしょうが、一見の価値はある。アイドルの演技でこんなん見たことない!!
三池崇史監督は正直、当たり外れのある監督と思うけど、本作は大当たり!
同じSMAPのキムタクを主演に撮った「無限の住人」は、僕的には外れ部類かなぁ**
毎日映画コンクールで吾郎ちゃんが「侍映画の経験がある木村くんに刀の抜き方をアドバイスしてもらった」って言ってたけど、ゴロちゃんのがはるかに名演ぎでしたーー!
感動しました!
劇場で見ました。稲垣君の非情な主君ぷり、斬りあいのシーンで弓矢や仕掛けがすごいところに興奮しましたが、一番は窪田さんの目が興奮しました!人を斬ってから目がはっきりと変わったところ、本当にすごくて感動しました!この映画で窪田さんを好きになりました!!窪田さんはこれから絶対有名になる!ならなきゃおかしい!と当時は興奮してました。
DVDで二度目観賞。やっぱり仕掛けと弓矢には興奮する。当たり前だけど、窪田さんが今と比べるとなんだか幼い印象(笑)窪田さんが火を放つシーンの目が今までの目と違うからやっぱりすごい。初回で見た時ほどの感動が得られなかったのが残念だけど。虫の息になったところは本当に苦しそうというか、演技でこれが出来るからやっぱりすごい人と思いましたね。稲垣さんは相変わらず非道っぷりと奇行がすごい。でも、イケメンだから顔と声が聞こえると、ちょっと癒される。
六角さんの最後の狂いっぷりがすごかった。
劇場で見たときも思いましたが、誰かと見る場合、血や残酷なシーンが多いので、同行者は選んだ方がいいです。斬りあいシーンも長めだと思うので、そういうものを楽しめる人はいいかも。個人的に斬りあいシーンは途中で飽きなかったです。ちょっといやらしいシーンもあり。
単純にリメイクした様では無い…のかと
リメイクだと思って観に行ったら違った。これは完全なるオリジナル作品でしたね。だから何故『十三人の刺客』とゆう題名に拘ったのか…よく解らない。
ひょっとしたら《十三人》とゆう数字に拘ったのか?東映時代劇を代表するオリジナルに敬意を表したのか?…いずれにしてもこれはれっきとした東宝作品。だからなのか?十三人が集合する過程に、どことなく黒澤時代劇の要素が見え隠れしていた。最後に仲間に加わる伊勢谷友介に到っては、あの『七人の侍』で三船敏郎が演じた“菊千代”を彷彿とさせるキャラクター。
厳密には、三船の役は侍になりたい農民の出に対して。伊勢谷の方は、「侍がなんぼのもんだ〜!」と、逆に毛嫌いするキャラクター設定になってはいましたが…。
それでも、如何にも東宝作品らしい登場人物設定の前半部分でした。
一転して、後半の長時間の戦いにおける舞台設定・戦い方を見ると。一見『七人の侍』風で有りながらも、美術セットを始めとする内容的に出来上がった作品の雰囲気は、『将軍家光の乱心・激突』が最も近いかな?と思わせた。
題名からオリジナルと同じ内容を期待して観に行くと、肩透かしを喰らう感じですが…。それでもこの作品が年間ベスト1を獲得しても決して驚きません。娯楽時代劇としたら文句の付けようも無い位です。
こうなると後はもう好き嫌いの基準で判断するしか無いですね。
でも、当初は絶対に漏れてはならない計画。
途中から市村正親に気が付かれ、逆に腹の探り合いにはなったものの。どこの馬の骨とも解らない古田新太が金銭を要求した際に、「面白い!」…って?良いのかそれで!!
あっ!文句付けちゃった(汗)
個人的に時代劇は、黒澤時代劇を始めとする、リアリズム重視な作品を観たのが始まりでは有ります。その後東映の娯楽時代劇を数多く観る機会に恵まれた結果、沢島忠監督を始めとする東映の痛快娯楽時代劇が好きになっていた。
それだけに採点に関してはもう単純に好みの問題です。
(2010年10月10日TOHOシネマズ西新井/スクリーン7)
ラストバトルのために…
(原作は未視聴)
日本のエンターテイメントも捨てたもんじゃない。そう思わせてくれる一作。
物語は、めっちゃ悪いお殿様を選りすぐりの侍十三人で暗殺するという話。なんのひねりもなくめちゃくちゃシンプルだが、登場人物に感情移入がしやすく、とてもいい方向に作用している。感情移入がしやすいということは…ラストの壮絶極まりない死闘展開にも生きてくる。
自らを消耗品とさせた、エクスペンダブルズな野郎共がこぞって殺しあう。これがつまらないわけがない。
ヒーロー的な見せ場や無双が最初にあり、
そこからだんだんとリアルな命のやり取りへと移っていく。もうやめたげて!辛い!と思わせる戦いをこれでもかと見せられる。
中盤の三池崇史全開の楽しいシーンが思ったよりあって、楽しんだが故に、あのキャラが死ぬのは辛い!辛すぎる!と感情移入もスムーズ。
ラスト50分のバトルは圧巻としか言いようがない。それはひとつの幕末論や侍論に発展していく。
この映画を語る上で最も重要なのが、
悪役である。
映画の大半は悪役造形がしっかりしていれば良し。悪役良ければ全てよし。だと思っている身としては、今回の悪役は大合格。
ジャニーズからのキャスティングは萎えることが多いのだが、稲垣吾郎ちゃんは最高。
卑劣感としても最高だし、言っていることの筋が意外と通ってるいけすかなさも最高である。
個人的には、ベスト伊勢谷友介だった。
今作は、三池崇史のいい所が詰まっていて、三池崇史のガッカリするところは意外になかった。
日本映画も、三池崇史監督も、捨てたもんじゃないなあと本当につくづく感じる一作だった。
まともにリメイクする気無いでしょ!?
1963年のオリジナル版を観ていなければ、純粋にアクション時代劇として楽しめたと思うが、オリジナルが好きで何度も観ている者からすれば、設定が同じ、ストーリー展開もほぼ同じ、セリフまで全く同じ箇所が多数あるので、比べざるを得ない。
オリジナルでは戦(いくさ)の無くなった時代で、侍が真剣で戦うとどうなるか?と、侍の生きる道とは?がテーマとしてしっかり描かれていたのだが、本作ではそこらへんの描写が上っ面だけ!
オリジナルでは新左衛門と半兵衛の知と知のぶつかりが、落合宿での集団戦の中でも最後まで描かれ、13人が53騎を討つことにリアリティーを持たせていたのだが、本作では罠を途中で放棄し、しかも13対300てありえんでしょう!!
更にラストがオリジナルと違うのだが、新左衛門が自ら刃を受ける相手が変わっている事で、全く意味の無い死となってしまっている...
オリジナルの設定、ストーリーを踏襲しているのに、演出がむちゃくちゃなので、そのギャップに違和感ありまくりでした。
浪人 平山九十郎の扱いも最期までかっこ良かったので、監督はオリジナルでの侍たちの行動理由を全く理解していないのでしょう。
リメイク版のみに登場の山の民に関しては、あ〜やっちまったな て感じですね。
重い話しに笑いを差し込んだつもりなんだろうけど、見事に全すべり(失笑)
オリジナルぶっ壊しの常習犯がまたやってくれました。
怪演
心を揺さぶられた。感動とは違う意味でだが。
まずは手足のない女。
明りを時代背景に合わせて蝋燭だったことも手伝い心底恐ろしかった。
これもある意味映画体験。でもあまり好ましくない。良い意味でだが。本当に忘れられないシーンとなっている。茂手木桜子の名は私に刻まれてしまった。
では、その恐ろしい所業をした男とは。
正に怪演。
稲垣吾郎の凄まじさに私は今まで気付けなかった。
食べ物を食べる時、日本人は礼を重んじる。それが昔の人であればより強いと思う。そこで中あの食べ方だ。純粋に軽蔑出来た。そして最後の最後までどうしようもなかった。素晴らしい。
他に沢村一樹の中間管理職感が良かったとか、伊勢谷友介の最後のシーンはどう理解していいのか悩むとか、いろいろと今作について思うことはあるが、前述2点でこの映画はお腹いっぱいだ。満足。
私は他の人が挙げていた決戦前の「みなごろし」で鳥肌が立ったという記述を見た。
私も鳥肌が立った、またあの女を思い出して恐ろしくなった。
仇討だ!と気持ちが高揚に繋がらないほど彼女の存在が頭を占めていた。
憎々憎々しい狂人キャラ
1963年に公開されたオリジナルは未観なので比較はできないが、
まず、ハードなチャンバラ時代劇の新作を久しぶりに観ることができて、感動しました。
殿様の弟はアタマがイカレポンチで、
このままでは大変なことになるので、ヤッてしまいましょう。ってお話なのだが、
まず、
この殿様の弟、バカ殿の残虐非道な気狂いっぷりが凄まじく、悪役として大合格。
さすが三池監督と言いたいところだけど、これは稲垣吾郎の功績ですな。
あの冷血さ、憎々憎々しい狂人キャラは、お見事でした。
そんなバカ殿を、反逆として討たなければならない侍。
そんなバカ殿でも守らなければ侍。
対立する両者を丁寧に描いているの、素晴らしい。
十三人の侍、個々のキャラ分けが少し弱かったのは残念でしたが、
それやったら時間的に厳しくなるだろーし。
あとは例の「牛」。
そこも含めて、日本のエンタメ映画としては、ギリギリだったんじゃないかと。
なんか評価が甘い気もしますが、
個人的にはね、松方弘樹の侍姿が観れただけで、良しとしてますよ。最高ですよ。
ラスト50分の死闘すげえΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
さすが三池監督!!!( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
と言う他ないですな(。_。(゚ω゚(。_。(゚ω゚(。_。(゚ω゚(。_。(゚ω゚ )スペシャルウン
オリジナルの片岡知恵蔵主演『十三人の刺客』も良かったけど、こちらはアクションと言うよりは頭脳戦、知恵比べに重点を置いた感じ。
三池監督版は完全にアクションに重点を置いた映画。
とにかく稲垣吾郎ちゃんの悪役ぶりは半端なさ過ぎるΣ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
お膳に食べ物を全部落として引っ掻き回してそれを犬食いするシーンなんて不気味すぎる(((;゚д゚)))
内野聖陽の切腹シーンも無残だし、その親族を小さい子供まで含めて矢で撃ち殺して、その後蹴鞠を蹴るシーンなんて、ラストのあるシーンの複線にもなっててこの殿様の残酷さ、無情さをこれでもかと見せ付ける。
日本映画史上でも指折りの悪役ですよこれは((;゚д゚))ス、スゲェ
そして役所広司が釣りをしてるシーンも、これも重要な複線に繋がる。
この殿様がとある女を犯すシーンがあるが、オリジナル版では「このような場所に置いておくには惜しい上玉じゃ」と言うのが、今回の三池監督版では「この山猿が」と文字通りの「セカンドレイプ」ですよ!!
とにかくこの殿様に対する嫌悪感、怒りを喚起させるに十分すぎるくらいの容赦ない演出(゚∀゚ ;)タラー
この犯される奥方は何と谷村美月!!!
ぱっと見誰だか分からんかった~~~(;^ω^)
『逆転裁判』でのミーハーおばさんでもそうだけど、谷村美月は原型を留めないほど役にはまる、まさにカメレオンΣd(゚∀゚d)イカス!
この殿様に両手両足を切り取られて性玩具にされて文字通り捨てられた女のシーンなんてほんと半端ない!!!∑(゚ω゚ノ)ノ
この血の涙を流しながら口で筆をくわえて「みなごろし」と紙に書くシーンのルックスの恐さもさることながら、これを演じた茂手木桜子の演技力は凄まじい( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
この人蜷川幸雄の舞台では常連みたいだけど、とにかくこの演技力は凄過ぎる。
山田孝之の覚悟を決めて殿様を討つと決意する下りも(∩´∀`)∩スンバラスィ♪
オリジナル版では里見浩太朗がこの役を演じてるけど、若い頃の里見浩太朗はどうしても凛々しくてはきはきしてるから、殿様を討つために覚悟を決めてからの豹変振りがあまり際立たない気がする(;^ω^)
でも山田孝之の持つぼんくら感が際立ってるし、何を考えてるか分からないけどその実内に秘めた強い意志がはっきり表現できてて、ここはオリジナルを超えてる重要な要素ではないかなと。
そして山の民を演じた伊勢谷友介も(・∀・)イイ!!
オリジナルでは山城新伍が演じてたけど、これよりもさらにぶっ飛んでて漫画みたいなキャラになってる辺りが、この映画をシリアス一辺倒にさせない効果を生んでると思う。
岸部一徳とのシーンはやり過ぎじゃないかともちょっと思うけど・・・あれはご愛嬌で全然OK( ・∀・)アヒャ
あとこの山の民が想いを寄せる女と、山田孝之の女が同じ吹石一恵が演じてるのも良く分からんけど、これもまあ大したことじゃない。
そして伊原剛志演じる剣豪も良かったな~Σd(゚∀゚d)イカス!
あの太刀振り落とす時の重量感と言い、剣豪の持つ風格も貫禄も上手く表現できてた。
オリジナル版だとこれは西村晃が演じてて、剣の達人ではあるけど最後生き残って油断したところ不意を付かれて無様に逃げ惑いながら殺されるシーンが印象的で、これは片岡知恵蔵が剣の修練の時に言った「死なんとすれば生き、生きんとすれば死す」という言葉が皮肉な形で実現してしまったということかと(´・ω・)y-~
でも今回の伊原剛志はその無様に殺されるシーンはなく、オリジナル同様何本も刀を用意しておいて、最後に刀が尽きて力尽きて切られると言う流れ。
まあオリジナル版では修練の話はないから、このシーンを入れなかったのは納得(・∀・)ウン!!
古田新太も六角精二も浪岡一喜も高岡蒼甫も良かったな~
特に高岡蒼甫の爽やか過ぎる笑顔はほんとすごいと思う( ・∀・)アヒャ
殿様の側近の市村正親も、ミュージカル俳優出身とは思えないほど時代劇が上手いし殺陣も様になってる。
とにかくこの映画の印象的なところは、複線回収がほんと見事なほど鮮やかイイネ♪d('∀'o)
特に落合宿に殿様一行を追い詰めて成敗するという時に、役所広司が例の手足を切り取られた女が血の涙を流しながら口で筆をくわえて書いた
「みなごろし」
を出すシーンは心底震えたスンゲェ──―Σ(゚∀゚ノ)ノ─―─ッ!
そこから「斬って斬って斬りまくれ~~~~~~~~~!!!!!」
中でも松方弘樹はさすが東映出身の名時代劇役者!!!
殺陣も一番様になってるし、遠山の金さんを髣髴とさせる台詞の話し方や見得の切り方なんてやっぱり凄い。
オリジナル版でも「戦がなくなった平和な時代に人を切る」ことを表現するため、あえて泥臭く、そしてぎこちないシーンにするためにラフな演出にすることでリアルさを追求してるらしいけど、今回のこれはそれ以上にラフで泥臭く、そしてぎこちない。
それが50分も続くんだから、これは役者も本当に疲れてることが良く分かる。
ましてやテレビの時代劇みたいに刀1本で何人も切り殺すなんてできやしないわけだし、刀なんて相当重くて片手で軽く振り回せるほど扱いが簡単な代物じゃないから、この辺りのリアルさの追求はやはり三池監督もフォローしたんだろうと。
人を3人も切ると刀は血脂がついて使い物にならなくなるらしいから、そこら中に武器を隠しておくという用意周到さも本当に見事。
この長回しの殺陣、アクションシーンは、アメリカならば『ヒート』、日本ならばこの『十三人の刺客』が代表例でしょうな~ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
正に日本版『ヒート』ですね(・∀・)
日本人ならば必見の映画です。
迎え火焚いて待っててくれ
いや~、大ちゃんばら活劇だったけど、それだけじゃない面白い映画でした。
特に稲垣吾郎演じる明石藩主松平左兵衛督斉韶の暴君ぶりと変態ぶりはおみごと。
表情ひとつかえずに庶民をなで斬りにしたかと思えば、
自分の食事をすべて膳にあけ、犬のようにむさぼったり。
また、役所広司という役者を改めて見直した。
コミカルな役もこなすし、こういった思い役もさらりと演じてしまう。
しかも、前回演じた役などを感じさせない、その時の役になりきってしまう。
すごい役者さんだと思った。
最後に山田孝之が演じた島田新六郎のセリフ、
「すぐ帰る。ずっと帰らなかったら、盆には帰る。迎え火焚いて待っててくれ。」
鳥肌立ちましたね。自分も言ってみてぇ~(笑)
戦の世とは、このようなものであったかのぅ
映画「十三人の刺客(2010)」(三池崇史監督)から。
江戸時代末期、明石藩主・松平斉韶の暴政を止めるため、
斉韶暗殺が画策され実行に移された・・。
映画「桜田門外ノ変」や「最後の忠臣蔵」と同じく、
侍魂を堪能するには、面白い作品だと思う。
しかし、私が選んだのは、その暴君・松平斉韶に扮した
SMAP・稲垣吾郎さんの台詞である。
自分の目の前で繰り広げられている戦いを見て呟く。
「戦の世とは、このようなものであったかのぅ」
家臣が「おそらく・・」と口を濁すと
「なかなか良いものじゃ」と、驚いた事を言い出したが
「死が近づけば、人は生きることに感謝が生まれる。
無駄に生きるだけなら、この世はなんとつまらぬところか」
江戸時代末期、天下泰平の世、戦いはほとんど起こらず、
平和ボケしている、現代の日本と同じようだったかもしれない。
このままでは、万民は、生きることへの感謝を忘れてしまう。
最後に言い放った「再び、戦の世にあらしめることとしようぞ」は、
そんな意味が込められているに違いない。
今でも徴兵制度が残っている、韓国をはじめとした諸外国には、
そんな意味を持たせているのかも・・と思ったりした。
戦争とまではいかなくても「死の恐怖」を味わうことで、
「生きること」に意味が生じてくることを、この作品で知った。
全体的には、予想外に戦うシーンが長過ぎて疲れたが、
「武士道」に揺れる男たちの葛藤を教えてもらった気がする。
定番だけど,新鮮なバトル時代劇
ずっと観に行こうと思ってたんですが,ようやく行くことができました。
本当に,映画館で観ることができてよかったと思える作品です。
やはり最大のみどころは,後半の戦闘シーンにありますが,
全体を通して,とてもバランスがよかったように思います。
結構始まる前に眠気もあったんですが,終始いいテンションで観られました。
ただ,主役の役所広司に対して,脇役に松方弘樹を持ってきたのは,少し残念だったかもしれません。
若手のキャストは,とてもいい人選をしたんじゃないでしょうか。稲垣吾朗の暴君ぶりも,予想以上にいい感じでした。
あとは,何といっても脚本が生きてよかったです。
この原作は読んだことないですが,同じ池宮彰一郎の『島津奔る』は今でもお気に入りの作品です。盗作問題であまり正当な評価を得られなかったそうですが,戦闘シーンの臨場感は,同種の作家に引けを取らない迫力あるものでした。
ちなみに,この映画でも,『お前たちの命を使い捨てにする』というセリフがあるんですが,これは『島津奔る』でも出てくるんですよね。薩摩の島津義弘を主人公にした物語なんですが,有名な「薩摩の退き口」と言われた,関ヶ原での正面突破作戦を決意したとき登場します。この言葉には,部下と上司の絶対の覚悟と信頼が込められているんですね。
なかなか,味のある作品だったと思います。
山の民はどぉよ?
最近観た映画&DVDの中でいちばんの作品だ。吾郎ちゃんの思い切った悪役ぶりも見事。助演男優賞ものだと思った。
見落としがちですが、ラストで生首が厠へ転がっていくシーンなんか、悪役の最期としてホント相応しい演出だと思う。
ただ解せないのが“山の民”だ。岸部一徳を犯しちゃったり、斬られて死んだと思ったら、ラストで出てきたり…??でした。監督のおふざけ?遊び心?
そんな振り幅の広さもこの映画の魅力のひとつなのかもしれませんね。
よい映画かもしれないけど…だれる
終わった後の感想を一言で言えば、まぁおもしろかった!
だけど、売りにしている戦闘シーンにが長すぎです。
コピーには「圧巻」とか書いてあったけど、長すぎです。だれます。
しかもマスの動きが多いので、よく分からんです。
よかったところは…
●室内シーンなど、なかなか風情のある、よい暗さでした
●基本的に、男だらけの映画なのだが、誰某の妻とか、芸者さんとか、時代考証のことはよく分からないけど、おしろいやお歯黒、マユ抜きで、然もありなんてな感じのよい表情でした。昔の女性は、今から見ると怖い。
●暴君・稲垣吾郎がすごい。稲垣吾郎のすごさが話題で、それを見たくてレンタルしました。すごいというから、エキセントリックな、かぶいた感じなのかと思っていたら、クールに残虐!そのクールさが残虐さを際立たせる!冷たい演技させたら、抜群なのではないでしょうか。SMAPの中ではダントツで、一番上手い役者ですな。
●伊勢谷友介の演じる山男がすごい。キーマンになって、生き残るんだろうななどと思っていたら、首に短剣が刺さってしまった!予想と違うな、と思っていたら、なぜか生き残っていて…。よく分からんけど、伊勢谷友介が魅力的でした(岸部一徳とのシーンは要らないかな)。
よくなかったところは…
●人物がよく描かれていませんね。話としては分かりやすくなっているのだけれど、魅力的な人物が、伊勢谷友介以外に見当たりません。なぜ、暴君の暗殺に荷担するのか、なぜそこまで義理を立てるのかなど、よく見えてきません。人物が描ききれていないことで、話が薄くなってしまう。戦闘シーン削って、ドラマをもう少し描いた方が良かったのではないでしょうか。
●役所広司に頼りすぎ。映画の中で、という話ではなくて、映画界全体の話。魅力的な役者であることは否定しませんが、日本映画において、ちょい渋系の役柄って、すべて役所広司が演じている印象。日本映画界に役者が不足しているか、演出力が落ちているか、映画を見る人間をバカにしているか、演出家が手を抜いているか、どれかだと思います。
●(もとの映画にもあるのかどうか知りませんが)話の年代が「原爆投下される100年前」と冒頭で説明されています。まぁ分かりやすいのですが、原爆と絡めたのは意図的なのでしょうか?原爆をこの映画の何かに喩えているのでしょうか?
おまけ…
CMスポットにあった、「12歳未満(以下か?)の人には、指導が必要」ってどんな指導するのでしょう?家に帰って、父や母が子どもに、昔、偉い人が来ると村の女たちは、進んで供されていたのだよ…とか、慰みものにするってのは…とか、いくら人命が失われても大義のためには仕方がない…とか言うのでしょうか。
圧巻、侍劇。
やっと見れた「十三人の刺客」。
第一印象に思い浮かべた言葉は、「圧巻」。
終始重圧感が漂う、侍映画らしい映画だったと思う。侍の時代の残酷さとか、汚さとか、美しさとか、いっぺんに見れた気がする。
さすが三池監督というべきか、残酷なところは非情なほどに演出する。大胆で効果的。正義対悪という、爽快感を覚えるシンプルなストーリー。だけど、またしても重圧感たっぷりの演出と撮影と照明。光が火しかない、あの時代の画が目の前に蘇ったと思った。ロウソクの火がちらちらと役所広司の顔を暗闇から浮かび上がらせる。俳優一人一人がよく描き抜かれていたと思う。
ただ、あの山の男(伊勢谷友介)。。。あんまりいた意味がわからなかった。しかも生き返る???喉突かれたし。。。死ねよ!笑
山田孝之はかっこ良かった!妻?(=うぱし?)との別れ際に放つ言葉は鳥肌ものであった。。。
「もし遅かったら、お盆に帰って来る。迎え火を焚いて待っていてくれ。」
かっこよすぎやろーーー!
音楽も合っていて、全体にまたプラスの雰囲気を作り上げていてよかった。
チャンバラシーンは、特に新しいものはないけど、あれこそ侍アクションと思わせるもの。罠の数々は目を見張るものや、サプライズ的なものもあり、考え抜かれていてよかったと思う。「観客を楽しませる」ことは十分成功したと言えるでしょう!
台詞の数々はどこかで聞いたようなものばかりだけど、やはり口にする俳優が違えば、やはり印象も重みも違うと思った。
演技派の俳優がここぞと揃ったばかりに誕生した熱い侍映画になったと思う。
三池監督の「一命」も見てみたい次第です。
全35件中、1~20件目を表示