「単純にリメイクした様では無い…のかと」十三人の刺客 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
単純にリメイクした様では無い…のかと
リメイクだと思って観に行ったら違った。これは完全なるオリジナル作品でしたね。だから何故『十三人の刺客』とゆう題名に拘ったのか…よく解らない。
ひょっとしたら《十三人》とゆう数字に拘ったのか?東映時代劇を代表するオリジナルに敬意を表したのか?…いずれにしてもこれはれっきとした東宝作品。だからなのか?十三人が集合する過程に、どことなく黒澤時代劇の要素が見え隠れしていた。最後に仲間に加わる伊勢谷友介に到っては、あの『七人の侍』で三船敏郎が演じた“菊千代”を彷彿とさせるキャラクター。
厳密には、三船の役は侍になりたい農民の出に対して。伊勢谷の方は、「侍がなんぼのもんだ〜!」と、逆に毛嫌いするキャラクター設定になってはいましたが…。
それでも、如何にも東宝作品らしい登場人物設定の前半部分でした。
一転して、後半の長時間の戦いにおける舞台設定・戦い方を見ると。一見『七人の侍』風で有りながらも、美術セットを始めとする内容的に出来上がった作品の雰囲気は、『将軍家光の乱心・激突』が最も近いかな?と思わせた。
題名からオリジナルと同じ内容を期待して観に行くと、肩透かしを喰らう感じですが…。それでもこの作品が年間ベスト1を獲得しても決して驚きません。娯楽時代劇としたら文句の付けようも無い位です。
こうなると後はもう好き嫌いの基準で判断するしか無いですね。
でも、当初は絶対に漏れてはならない計画。
途中から市村正親に気が付かれ、逆に腹の探り合いにはなったものの。どこの馬の骨とも解らない古田新太が金銭を要求した際に、「面白い!」…って?良いのかそれで!!
あっ!文句付けちゃった(汗)
個人的に時代劇は、黒澤時代劇を始めとする、リアリズム重視な作品を観たのが始まりでは有ります。その後東映の娯楽時代劇を数多く観る機会に恵まれた結果、沢島忠監督を始めとする東映の痛快娯楽時代劇が好きになっていた。
それだけに採点に関してはもう単純に好みの問題です。
(2010年10月10日TOHOシネマズ西新井/スクリーン7)