「戦の世とは、このようなものであったかのぅ」十三人の刺客 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
戦の世とは、このようなものであったかのぅ
クリックして本文を読む
映画「十三人の刺客(2010)」(三池崇史監督)から。
江戸時代末期、明石藩主・松平斉韶の暴政を止めるため、
斉韶暗殺が画策され実行に移された・・。
映画「桜田門外ノ変」や「最後の忠臣蔵」と同じく、
侍魂を堪能するには、面白い作品だと思う。
しかし、私が選んだのは、その暴君・松平斉韶に扮した
SMAP・稲垣吾郎さんの台詞である。
自分の目の前で繰り広げられている戦いを見て呟く。
「戦の世とは、このようなものであったかのぅ」
家臣が「おそらく・・」と口を濁すと
「なかなか良いものじゃ」と、驚いた事を言い出したが
「死が近づけば、人は生きることに感謝が生まれる。
無駄に生きるだけなら、この世はなんとつまらぬところか」
江戸時代末期、天下泰平の世、戦いはほとんど起こらず、
平和ボケしている、現代の日本と同じようだったかもしれない。
このままでは、万民は、生きることへの感謝を忘れてしまう。
最後に言い放った「再び、戦の世にあらしめることとしようぞ」は、
そんな意味が込められているに違いない。
今でも徴兵制度が残っている、韓国をはじめとした諸外国には、
そんな意味を持たせているのかも・・と思ったりした。
戦争とまではいかなくても「死の恐怖」を味わうことで、
「生きること」に意味が生じてくることを、この作品で知った。
全体的には、予想外に戦うシーンが長過ぎて疲れたが、
「武士道」に揺れる男たちの葛藤を教えてもらった気がする。
コメントする