「よい映画かもしれないけど…だれる」十三人の刺客 こばこぶせんさんの映画レビュー(感想・評価)
よい映画かもしれないけど…だれる
終わった後の感想を一言で言えば、まぁおもしろかった!
だけど、売りにしている戦闘シーンにが長すぎです。
コピーには「圧巻」とか書いてあったけど、長すぎです。だれます。
しかもマスの動きが多いので、よく分からんです。
よかったところは…
●室内シーンなど、なかなか風情のある、よい暗さでした
●基本的に、男だらけの映画なのだが、誰某の妻とか、芸者さんとか、時代考証のことはよく分からないけど、おしろいやお歯黒、マユ抜きで、然もありなんてな感じのよい表情でした。昔の女性は、今から見ると怖い。
●暴君・稲垣吾郎がすごい。稲垣吾郎のすごさが話題で、それを見たくてレンタルしました。すごいというから、エキセントリックな、かぶいた感じなのかと思っていたら、クールに残虐!そのクールさが残虐さを際立たせる!冷たい演技させたら、抜群なのではないでしょうか。SMAPの中ではダントツで、一番上手い役者ですな。
●伊勢谷友介の演じる山男がすごい。キーマンになって、生き残るんだろうななどと思っていたら、首に短剣が刺さってしまった!予想と違うな、と思っていたら、なぜか生き残っていて…。よく分からんけど、伊勢谷友介が魅力的でした(岸部一徳とのシーンは要らないかな)。
よくなかったところは…
●人物がよく描かれていませんね。話としては分かりやすくなっているのだけれど、魅力的な人物が、伊勢谷友介以外に見当たりません。なぜ、暴君の暗殺に荷担するのか、なぜそこまで義理を立てるのかなど、よく見えてきません。人物が描ききれていないことで、話が薄くなってしまう。戦闘シーン削って、ドラマをもう少し描いた方が良かったのではないでしょうか。
●役所広司に頼りすぎ。映画の中で、という話ではなくて、映画界全体の話。魅力的な役者であることは否定しませんが、日本映画において、ちょい渋系の役柄って、すべて役所広司が演じている印象。日本映画界に役者が不足しているか、演出力が落ちているか、映画を見る人間をバカにしているか、演出家が手を抜いているか、どれかだと思います。
●(もとの映画にもあるのかどうか知りませんが)話の年代が「原爆投下される100年前」と冒頭で説明されています。まぁ分かりやすいのですが、原爆と絡めたのは意図的なのでしょうか?原爆をこの映画の何かに喩えているのでしょうか?
おまけ…
CMスポットにあった、「12歳未満(以下か?)の人には、指導が必要」ってどんな指導するのでしょう?家に帰って、父や母が子どもに、昔、偉い人が来ると村の女たちは、進んで供されていたのだよ…とか、慰みものにするってのは…とか、いくら人命が失われても大義のためには仕方がない…とか言うのでしょうか。