「アメリカナイズされたおしゃれな中国映画」ソフィーの復讐　バラージさんの映画レビュー（感想・評価）

チャン・ツィイーが主演と製作を兼ねた、女性監督エヴァ・ジンによるラブコメディ。資本的には中韓合作のようだが内容的には全編中国が舞台で中国人しか出てこない全くの中国映画で、日本の配給会社は公開当時の韓流ブームになんとか便乗しようとしたのかチャン・ツィイーと韓国俳優ソ・ジソプのダブル主演に見せかけてたが、実際にはソ・ジソプは４番手でフラれ役（10分も観てればわかるのでネタバレというほどでもない）。エンドロールのキャスト順はチャン・ツィイー、ファン・ビンビン、台湾のピーター・ホー、ソ・ジソプの順となっており、内容的にはピーター・ホーとファン・ビンビンの順番が逆だと思うが、ソ・ジソプの４番手は変わらない。ポスターおよびDVDパッケージも無理やりの合成画像で、デカいぬいぐるみに抱きついてるチャン・ツィイーと、ひざまずいてチャン・ツィイーにプロポーズしてるソ・ジソプを強引に合成してる。見た時になんか不自然な写真だなと思ったんだよな。

映画は監督が米国帰りなだけあって、良い意味で中国映画っぽくないアメリカナイズされたおしゃれな映画となっていて、洗練されたマンガ的表現に満ちあふれている。チャン・ツィイーの現代劇は結構珍しいが、見事なコメディエンヌぶりを如何なく発揮していて、当時30代に突入したとは思えない彼女の魅力爆発でとにかく可愛かった。チャン・ツィイーご指名だったというソ・ジソプは中国人役で中国語もかなりがんばってたと思うが、やはり限界があったのか台詞は少なめで、その分表情だけの演技などパントマイム的な芝居が多かった。ピーター・ホーとファン・ビンビンももちろん好演。面白かったです。