「偉大な作品シリーズの完結にふさわしい」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大な作品シリーズの完結にふさわしい
『ハリーポッター』は最高のファンタジー作品だ
特に良かったシーン
・グリンゴッツの金庫
『賢者の石』では一瞬のシーンだったが、スケールアップして再登場、そして破壊!
この今まで登場した舞台を再登場させては破壊していく展開が最高に面白い。
・「この呪文一度使ってみたくて」
ビシッと決めた後のとてもお茶目なマクゴナガル先生
・スネイプVSマクゴナガル先生
マクゴナガル先生との闘いで杖を握りしめ直す演技が、
ハリーから老練の魔法使い相手に変わることで、後ろに後退しつつ、魔法をはじいてデスイーター二人仕留めて窓から退散というテクニカルなことをする難易度が上がることに
内心「マジかよ」と思っているようで面白い
・必要の部屋、秘密の部屋の再登場
過去作の舞台をきっちり出して、分霊箱破壊の理由づけもバッチリ
・ひっそり死んでるロンの元カノ
いっそ出さなくても良かったのでは、笑ってしまった
・スネイプ
ただの横恋慕ではなく、間違いなく思い合っていた時期もある描写が良かった
これがなかったら変態こじらせストーカーかと思うところだ
只一途にリリーを愛し、ダンブルドアには使い潰され
最後は思い人と同じ目をした忘れ形見に看取られるという展開が熱い
・スーパーヒーローネビル
第一作から通してみるとネビルは本当に主人公だ
親は闇の魔法使いの拷問の末に殺害され、
落ちこぼれだったが努力して強くなり闇の魔法使いとの闘いに参加
橋を落として這い上がってくるシーンは『ダイハード』かなにかか?最高だ
気絶からの覚醒シーンも希望しかない「勝ち確」だ
死亡フラグを完璧に立てつつ、最強の敵に敢然と立ち向かい、友人たちの絶体絶命のシーンで宿敵を追い詰める一撃を決める
・走れルシウス
最後の闘いから憔悴した姿で駆け足に逃走する姿、個人的にこのルシウス大好きなんだが最高のラストだ
物語最大の事件を最後に持ってきて、19年後、という展開は中だるみなしの潔い展開はとても良い
名シーンだらけだが粗を探せば山ほどある本シリーズ
本作では1点許せない演出上の問題がある
・ヴォルデモートはなぜ死んだ?
これはヴォルデモートが即死呪文を放っていたのを押し返されたから死んだらしいが
最初観たときにネビルの一撃で最後の分霊箱を破壊されて、最後っ屁で攻撃して杖を奪われたから燃え尽きたのかと思った
呪文を押し返されたという印象よりも杖を奪われた印象が強い
演出的失敗を最後にやらかすのは流石にどうかと思う
一方想像の余白を残す部分は良い
・ハリーはなにによって蘇ったか?
1. 蘇りの石の効果
これは石の効果も違うし、原作で明らかに否定されているので違う
2. 3つの死の秘宝を手にしたことによる効果
作中「不死性の獲得」について否定はされている
3. ヴォルデモートと相互に分霊箱になった
魂のつながりがある。復活の儀式で血が混ざったなど
4. ニワトコの杖の所有権の問題
所有権がハリーなので、即死呪文が正しく発動しなかった
個人的には4.が一番しっくり来るところだが、ここは決めつけないであれこれ話すのが楽しいと思う
死の秘宝を手に入れ、死を受け入れることで真の「master of death」になったハリーが仲間とともに、死を恐れる闇の帝王を討ち滅ぼすという筋書きはとても良い
大満足の完結編だった