「誰を信じ、誰を疑い、誰を殺すのか」誰がため わたぼうさんの映画レビュー(感想・評価)
誰を信じ、誰を疑い、誰を殺すのか
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これから見るなら覚悟した方がいい。すっごく、重いから。
舞台はナチスドイツ占領下の1944年のデンマーク。
祖国のため、信ずる正義のためにレジスタンスとして戦うフラメンとシトロンが主人公。
彼らは、反攻作戦の本部イギリスから指示を受けてナチスに荷担するジャーナリストやドイツ軍人を暗殺していく……
第二次大戦でもドイツやアメリカ、日本が注目されることはあってもデンマークはなかなか見ない。
自国が蹂躙されることに絶望し、憤怒して終わりのない「戦争」に身を投じていった2人は様々な敵と戦うことになる。
主人公の2人はハッキリ言ってあまり賢くない。
人を見る目がないのだ。故に騙される。
それでも最後まで、迷いながらも自分の生き方を貫いたからこそ、決して可哀想には見えない。これは想像だが、2人はきっと幸せだっただろう。
人間は戦えなくなったら終わりなのだ。
信念と守るべきものを持って戦い、非業の死を遂げたからこそ2人は国の英雄になれた。
英雄は死をもって完成する。生きた英雄なんてものは存在してはならないから。
日本人の知らない戦いがこの映画にはある。是非、若い人に見てほしい。
戦争映画は平和と世界を知るうえで恰好の教材になるはずだから。
鑑賞劇場:テアトル梅田
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