「モントリオール世界映画祭の出品基準が、よくわからない」行旅死亡人 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
モントリオール世界映画祭の出品基準が、よくわからない
『ヴィヨンの妻』が
最優秀監督賞を受賞した
2009年モントリオール世界映画祭。
今作も同映画祭に正式招待。
そんな情報をリーフレットで読み、
メンズデーに駆けつけてしまいました。
しかし、この時点では、
リーフレットを詳しく読んでいたが、
トリックの浅さに奈落の底に突き落とされるような
気分にさせられることを知る由もありませんでした。。。
★彡 ★彡
着想・手法はOK!
でも、トリックがずさん過ぎでしょ。
『ニセ札』
『白日夢』
脚本を担当した井土紀州さんが監督。
講師を務める
日本ジャーナリスト専門学校。
講師陣の間で映画製作の話が盛り上がり、
10年前に実際に起きた事件をベースに作られた。
驚いたのは、製作費。
なんと350万円!!
ですので、役者は
オーディションで新人ばかり。
知っている人、一人もいませんでした(苦笑)
◇ ◇
では、感想を順番に書いていきましょう。
①トリックが杜撰
『古畑任三郎』
現在、フジテレビが全日視聴率1位をキープするため
TBSの『水戸黄門』が如く、再放送をしています。
DVDを購入するほどのファンではありませんが、
好きなドラマですので、録画し毎日楽しんでいます。
ネタバレになるので、詳細は触れませんが、
このドラマを観ているものから言わせると、
あまりにも殺害方法が杜撰です。あれでは、
警察も保険会社も騙されるはずがありません。
そもそも根っこの疑問として、
遺体は何処に行ったのでしょうか?
作中で詳しくは触れられませんでしたが、
DNA鑑定をすれば一発で嘘は見破られたはずです。
②役者の演技
オーディションで新人だらけだから
仕方がありませんが、お互いのセリフを
受けあってないシーンが多々見られました。
自分のセリフの表現で頭が一杯なんでしょうね。
だから、それ単体で見れば正解かもしれませんが、
相手のセリフに対するリアクションとしては不正解なんです。
中でも一番残念だったのは、
積年の苦しみを告白するシーン。
奥様が電話をするシーンはOKとしても、
旦那さんの告白シーンからは積年の苦しみが
伝わってきませんでした。あの性格で、あの静けさは、
ちょっと違うかと。例えば椅子を蹴り上げるとか動きが
あったほうが、より伝わったと思います。また、笑い出す
シーンも、あの流れで行くのなら、泣き笑いをしたほうが、
積年の苦しみ、呪縛から解放された複雑な喜びが伝わります。
監督御自身も、インタビューにてその辺りの
演出不足は認めていらっしゃるようですが、
まさにその通りで、もうヒト突っ込み欲しかったです。
③全体観
『白夜行』+『火曜サスペンス劇場』÷2をし
『花のあすか組 neo』の役者さんが演じてみました。
そんな感じです(わかりにくいなぁ(苦笑))
トリックは、
明かされる前に、ほぼわかってしまいます。
予告編で感じた不気味さは、まるでありませんでした。
★彡 ★彡
胡桃農家の話。
あれも本当の話なのかな?
単館だからイイですけど、
メジャー作でフィクションだったりしたら、
実際の胡桃農家にとっては営業妨害ですよ(苦笑)
あと、
エンドロール後にも
作品は続きますから、
途中で席を立たぬよう、御注意下さい。
現代と過去から、
それぞれ振り返る
着想と手法は見事でしたが、
演出でこけてしまいました。
モントリオール世界映画祭、
正式出品したんですよねぇ。
出品基準がよくわからなくなりました(苦笑)