劇場公開日 2009年11月7日

「モントリオール世界映画祭の出品基準が、よくわからない」行旅死亡人 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0モントリオール世界映画祭の出品基準が、よくわからない

2009年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

『ヴィヨンの妻』が
最優秀監督賞を受賞した
2009年モントリオール世界映画祭。

今作も同映画祭に正式招待。

そんな情報をリーフレットで読み、
メンズデーに駆けつけてしまいました。

しかし、この時点では、
リーフレットを詳しく読んでいたが、
トリックの浅さに奈落の底に突き落とされるような
気分にさせられることを知る由もありませんでした。。。

★彡     ★彡

着想・手法はOK!
でも、トリックがずさん過ぎでしょ。

『ニセ札』
『白日夢』
脚本を担当した井土紀州さんが監督。

講師を務める
日本ジャーナリスト専門学校。
講師陣の間で映画製作の話が盛り上がり、
10年前に実際に起きた事件をベースに作られた。
驚いたのは、製作費。
なんと350万円!!

ですので、役者は
オーディションで新人ばかり。
知っている人、一人もいませんでした(苦笑)

◇   ◇

では、感想を順番に書いていきましょう。

①トリックが杜撰
 『古畑任三郎』
 現在、フジテレビが全日視聴率1位をキープするため
 TBSの『水戸黄門』が如く、再放送をしています。

 DVDを購入するほどのファンではありませんが、
 好きなドラマですので、録画し毎日楽しんでいます。

 ネタバレになるので、詳細は触れませんが、
 このドラマを観ているものから言わせると、
 あまりにも殺害方法が杜撰です。あれでは、
 警察も保険会社も騙されるはずがありません。

 そもそも根っこの疑問として、
 遺体は何処に行ったのでしょうか?

 作中で詳しくは触れられませんでしたが、
 DNA鑑定をすれば一発で嘘は見破られたはずです。

②役者の演技
 オーディションで新人だらけだから
 仕方がありませんが、お互いのセリフを
 受けあってないシーンが多々見られました。

 自分のセリフの表現で頭が一杯なんでしょうね。
 だから、それ単体で見れば正解かもしれませんが、
 相手のセリフに対するリアクションとしては不正解なんです。

 中でも一番残念だったのは、
 積年の苦しみを告白するシーン。

 奥様が電話をするシーンはOKとしても、
 旦那さんの告白シーンからは積年の苦しみが
 伝わってきませんでした。あの性格で、あの静けさは、
 ちょっと違うかと。例えば椅子を蹴り上げるとか動きが
 あったほうが、より伝わったと思います。また、笑い出す
 シーンも、あの流れで行くのなら、泣き笑いをしたほうが、
 積年の苦しみ、呪縛から解放された複雑な喜びが伝わります。

 監督御自身も、インタビューにてその辺りの
 演出不足は認めていらっしゃるようですが、
 まさにその通りで、もうヒト突っ込み欲しかったです。

③全体観
 『白夜行』+『火曜サスペンス劇場』÷2をし
 『花のあすか組 neo』の役者さんが演じてみました。

 そんな感じです(わかりにくいなぁ(苦笑))

 トリックは、
 明かされる前に、ほぼわかってしまいます。

 予告編で感じた不気味さは、まるでありませんでした。

★彡     ★彡

胡桃農家の話。
あれも本当の話なのかな?
単館だからイイですけど、
メジャー作でフィクションだったりしたら、
実際の胡桃農家にとっては営業妨害ですよ(苦笑)

あと、
エンドロール後にも
作品は続きますから、
途中で席を立たぬよう、御注意下さい。

現代と過去から、
それぞれ振り返る
着想と手法は見事でしたが、
演出でこけてしまいました。

モントリオール世界映画祭、
正式出品したんですよねぇ。
出品基準がよくわからなくなりました(苦笑)

septaka