劇場公開日 2011年3月19日

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お家(うち)をさがそう : 映画評論・批評

2011年3月17日更新

2011年3月19日よりヒューマントラストシネマ渋谷にてロードショー

結婚、そして幸せとは何かを模索するブラックコメディ

サム・メンデス監督(「アメリカン・ビューティー」)のロードムービーだからといって、「或る夜の出来事」(34)タイプのロマンティックな作品を期待すると、肩すかしを食らうだろう。「結婚なんてロマンティックなものじゃない」という名言を残したのは、ジョン・カサベテス監督だったろうか。

ストーリーは、冒頭のベッドシーンからくすぐり笑いの連続で楽しい。バート(ジョン・クラシンスキー)と、身重になったベローナ(マーヤ・ルドルフ)という30代半ばの“結婚しない”パートナーが、米中西部コロラドを皮切りに、北米を転々として結局は彼女の実家がある米南東部サウスカロライナまでたどり着く。離婚寸前の夫婦の物語「いつも二人で」(67)よりもこちらは少し前向きで、カップルは行く先々で出会う兄弟や親戚や友人たちから見事なまでの“結婚の失敗例”を見せつけられ、パートナーとしての絆を深めていくというブラックコメディになっている。全編をやさしく包むアレクシー・マードックの歌声が、作品に幸福感をにじませている。

このほどの東北関東大震災で家を喪失された被災者の方々の気持ちを思うと胸が痛むが、生活の基盤として「家を持つこと」を物語の軸に持ってきたことはある意味で成功している。だが、主人公2人の生活の糧が何であるか、全編を通じて曖昧にしか描かれないため(どうやら女のほうが結構稼ぐイラストレーターらしい)、物語の説得性に欠けるのだ。ムードのいいロードムービーだが、そこが評価の分かれるところだろう。

(サトウムツオ)

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