「タイトルなし」(500)日のサマー ぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
時系列ばらばらで描かれているのに、混乱しないのがすごい!
同じ画面で理想と現実が同時に描かれていたり、同じ映像を使って関係がいい時と悪い時で言ってることが真逆になったりするのもおもしろい!
家具屋さんのシーンがとにかく大好き!うちにはキッチンがふたつあるから!ってところが特に!!かわいすぎる2人にきゅん❤︎そりゃ白い目で見られるけど…笑
出てくる音楽を知ってたら、きっともっと楽しめる映画だろうな〜
ところで、この映画を何回か観て、気づいたことがある。最初は、トムという永遠の愛とか、偶然にして必然だとか、運命の相手とか、そういう類のものを信じている男が、その真逆の女の子でありながらちゃんと恋愛をする女のサマーに、結局は振り回されてお終い、って話だと思っていた。でも、実はそれだけじゃないかもと思うようになった。
というのも、きっとトムは、運命とか、偶然とかに頼りすぎていたんだと思う。運命なら惹かれ合うはず、と思って自分からの行動を制限していたんじゃないかな。例えばエレベーターで声をかけて、知り合うきっかけを作ったのはサマー。カラオケの帰りに友達になろうと言ったのもサマー。コピー室でキスをして、友達以上の関係に持ち込んだのもサマー。喧嘩の後、2人とも電話がかかってくるのを待ったけど、謝りに行ったのはサマー。
トムは運命を信じて、サマーこそが運命の相手だと思い、起こることすべてを運命のせい、またはサマーの変わった性格のせいにした。サマーは、きっと運命を感じる人に出会ったことがなかった。自分で自分のことをよくわかっていたし、それを隠すことはしなかった。トムとサマーがいい雰囲気のときは、きっとサマーもトムのことが好きだったはず。だけど、トムはサマーを好きでいさせ続けることができなかった。これは映画の世界の話のようで、よくある話なのかも、と思った。