「ご都合主義的なストーリー。。」ゴールデンスランバー(2010) yoneさんの映画レビュー(感想・評価)
ご都合主義的なストーリー。。
中村義洋監督の作品。
この監督の作品は観たコトないので、初鑑賞。
映画のトレーラー観た感じだと「ミステリー」っぽい作品。
・・なんだけど、見終わった直後の結論を言っておくと、全く面白くなかった。
まず、物語のジャンルとして、「ミステリー」ではない。
謎は謎のまま話が終わる。それは良いとして、自分がミステリーが好きなのは、ミステリーの場合脚本がしっかりしてないと物語として成立しないからだ。中途半端な脚本だと、細かいところで矛盾が起き、エンディングを迎える前に破綻する。なので、良作と駄作の違いがはっきりわかる。
ミステリー以外、特に人情話だと、ご都合主義的な展開ばかりでストーリーに脈絡が無く、観ててイラついてくることがある。この映画はまさにそれ。+コメディ要素も加わってるから、脚本の妙なんて期待できるわけもなく。。
さて、ここから先は少しネタばれ要素あり。。
まず最初の事件発端、首相暗殺なんて大事件が起こり、かつ主人公にその罪を周到に着せる計画でありながら、主人公があっさりと逃亡できるとこ。そして、通り魔犯人が都合良く協力してくれるとこ。何で協力してくれるのよ?しかも、何で漫画喫茶で都合よく隣にいるの??こいつ、主人公がピンチのときにほんと都合よく現れすぎだし。それと、最初の登場は何で車??こいつ自転車が行動手段じゃなかったっけ??
で、主人公の父親。都合よくあのタイミングで息子にTVメッセージ??くだらねぇ。。。ヒロインの行動も意味不明。別れた男なんだよね?しかも、良くわからん理由で。。「よくできました」で終わりそうって…なんじゃ、それ。。。
最後のオチもくだらない。
エレベーターで偶然出会うのはいいとして、これもまた都合良くヒロインの娘さんが「大変よくできました」のハンコ持ってる。何で持ってんの??
「ゴールデンスランバー」は「黄金のまどろみ」という意味とのこと。
なんとなーく、昔の思い出を引きずった30~40代の人間が、昔は良かったねー的なノリで作った映画(脚本)っぽい。ほんまにくだらない。。ちょっと前に流行った「三丁目の夕日」ブームみたい。。
こういう失望が続いて、徐々に邦画を観る気がなくなってくるんだよねぇ。。
もちろん、映画は人によって受け取り方も違うし、映画館の帰りで「面白かったね~」ってしゃべってる人達も居たので、それぞれ観た人が判断すればよい。
けど、自分としては全く評価に値しない映画だった。
映画というのは「何を期待するか?」で全く評価が変わってくる。
自分が映画に期待してるのは「話(脚本)の絶妙さ」。
「こう来たかーーっ!」と期待を裏切るような展開に楽しさを感じる。
期待は「ハッピーエンド」でもいいし、「役者の演技」でもいいし、「演出の新しさ」でもいい。それは観る人それぞれ。この映画に対しても、自分とは全く違う期待をもって観れば、面白いと感じることもあるんだろう。
(原作読んでれば、違う期待をもって観ただろうなーとも思うし。)
そのコトを改めて気付くきっかけになったという意味では、映画観た甲斐があったかもしれないな。