「まぶしすぎるぜ」ダーク・シャドウ 則私去天さんの映画レビュー(感想・評価)
まぶしすぎるぜ
いやあ、1、金があるからといろいろ権利を買う。2、受けばかり狙って物作りする。3、ブランド力で人気はあるが中身は「あのねきみぃ」、・・・という3拍子そろったとても悲しい(泣ける)映画でした。う。指輪のごときプロローグがあっても、指輪のごとき深みはないし、何とスポイラーになっている。黄色い看板を出してコメディのつもり?今更「スリーパー」の頃に戻られてもねえ(という意味では正確な時代考証かな)。いつも出てくる幽霊なら(これは後で知ったけど)、わざわざシーツの中に入らなくてもいいのにねえ。←エンターテインメント精神ですかぁ。(中略)15歳の娘がラストで突然××になるに至っては、「オーマイガッド」としか言いようがない。などなど、どのシーンにも突っ込みどころ満載。バートンが思いっきり迷子になった映画です。
ただ、そんな迷作にも原作(なんてあんの?)が伝えようとした精神は見え隠れしています。つまり1、「血は水よりも濃い」などと言ってると、人を悲しませ恨みも買うよ(まさこさまあ!!)。2、魔女だって地域を潤わせ住民に愛されたら立派な政治家(頑張れ日本のドジョウ総理!)。3、赤毛の女には気をつけろ(ジュリー・レスコー、君の事だよ)。ね。人生の指標になるとてもありがたいお話ではありやす。
さて、これをどう楽しむかは・・・1、ジャッキー最高!loosin' it以来の元気なお姿。bad newsビデオが見たくなります。2、ボールに来たおっちゃんはalice本人?いい爺さんになりましたねえ。3、せっかくハローウィンで始まったのにクリスマスで終わらないハードボイルドさ。ここいらへんでしょうか?
元になったテレビ・シリーズ(があるのかな)は、とても見たくなりました。でもそれを作ったお方は、こんな映画を捧げられて草葉の陰でさぞやお困りでしょうね。
最後に私的意見で恐縮ですが、この映画の教訓はわたしにとっては「嘘をつけない男に、女を愛する資格はない」でした。「男と女」は適当に入れ替えてお楽しみください。
<付録>僭越ながら救出案:1、ヴィッキーの生い立ちをプロローグにして、ヴッキー目線で作る。2、それらしい吸血鬼ならでは(銀やら、棺桶やら、太陽光線やら)はあえて全て使わない。3、グランドバンクスで漁にいそしむ船長のカットをちりばめる。以上の編集&追撮で、結構バートン風になるかも。