劇場公開日 2010年4月23日

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「タイタン族が出てこないのにタイタンの戦い」タイタンの戦い Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0タイタン族が出てこないのにタイタンの戦い

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

興奮

総合:75点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 80
ビジュアル: 90
音楽: 70

 CGで何でも表現できるようになった現在において、空を飛んだり火をふいたり怪獣が出てきたりするギリシャ神話は、映画の題材としてとても優れたものである。もともとギリシャ神話が好きな私としては、その映像化にとても肯定的で期待が高まる。

 さて「タイタンの戦い(原題はCLASH OF THE TITANS)」なのだが、殆どタイタン族は出てこない。英雄ペルセウスの物語を基本にして脚色し、それにオリンポスの神々の対立が絡んでくるという話になっている。これのどこがタイタンの戦いなのかと思ったが、おそらく今後のシリーズものとしての展開を考えてのことだろうか。とにかく題名については、これは違うだろうと言わざる得ない。素直に「ペルセウスの戦い」で良かったのではないか。
 物語は神話に必ずしも忠実ではないし、だからといって特別面白いものになっているわけでもないのだが、そこは娯楽映画の脚本としてやむを得ない部分なのだろう。ハリウッドの莫大な予算と高度な技術を使った映像とセットはやはりたいしたもので、剣術も動きが早くて迫力も出ていた。物語はおいておいても、映像の良さと迫力は堪能出来る。その意味で娯楽として十分楽しめる良い作品だった。
 物語の重要な部分を演じる出演者にもう少し魅力を出す演出があればもっと良かった。出てきてはすぐに死んでしまう一緒に戦う勇敢な兵士たち、アンドロメダやイオなど、突然出てきてたいした説明もなくどんな人かもよくわからないままに済まされている。映像の良さに比較して、見ていてのめり込める魅力的な人物像に欠ける。

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Cape God